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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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自閉症の原因論


自閉症の原因論としては、まず

親の愛情不足が原因であるという説が出てきました。
しかし統計的には、育て方が原因だという証拠は完全否定され、親の関わりの薄さは、原因ではなく、むしろ結果であるということがわかってきました。
その後、言語・認知の遅れが自閉症の原因だという「言語・認知障害説」がラターによって唱えられました。
しかし、「ことばに遅れのない自閉症」の存在が明らかになってきました。それが、アスペルガータイプでした。
よって、「言語・認知障害説」も否定されることになりました。

そのあと、2,000年代に入り、バロン=コーエンらが、「心の理論」の説を唱えました。
「サリー・アン課題」など、他者視点に立てるかということを測るもの?が出てきました。
しかしこれも、知的に高い自閉症では、問題が解けることも多いことがわかり、「心の理論」自体が怪しいのではと言われるようになりました。

脳の研究が進んでくると、「ミラーニューロン説」が出てきました。
たとえば、コップの水を飲んでいる人を見ると、その見た人の脳の特定部位にも、鏡のように反応が現れる。
自閉症にはミラーニューロンがないから、他者の気持ちがわからないのだと。

しかし、ミラーニューロンは、それが原因なのか、結果なのか。
脳科学は、仮説の域をまだまだ出ません。

一方、社会性、コミュニケーション、想像性の困難の3つ組みとして、その現れ方は個々に異なる連続性があるものであり、カナー型やアスペルガー型も包摂した広い概念として、ローナ・ウィングが「自閉症スペクトラム障害」を提唱していました。
そしてそれは、アメリカ精神医学会の「DSM-5」に採用されることになりました。

「自閉症スペクトラム障害」の概念は、福祉などの行政上の使い方に課題があるようですが、自閉症を広い概念として、連続性のあるものとしてとらえたのは、とても実際的であると思います。

よく「この子は社交的だから、自閉症ではない」と言われますが、「社交性はあっても、社会性が苦手」ということもあります。
そこに自閉的傾向を見ることができるかどうかで、支援の方向性は変わっていくでしょう。

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