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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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玉井邦夫先生の臨床研修会  経緯を理解する

学校の給食で、あるものをいっぱいかけて食べる子ども。
単純には「親がかけさせているから」、「好き嫌いを容認しているから」となりますか。
しかし、そこには経緯がありました。
子どもの認知特性の他、お母さんの子育てのとてもつらかった悩みの経緯。

というお話しは納得でした。


私たちは、今の現象だけを見て判断してしまいます。
今だけを見て、経緯をよく調べないということでは、
単純な因果で「推測」してしまいやすいものです。

「ことばが遅いのは、お母さんが声かけをしなかったから」
など。

研究団体の資料にも書いてありましたが、
「生育歴」は、単に「一語文が1歳」というような数値だけを
意味するのではありません。
親子が、周りが、どんな過去の経緯の積み重ねで今があるのか、
どんな思いで生活していらしたのか、

経緯を知っているのと居ないのとでは、指導のあり方、優先順位や保護者支援のあり方に大きな違いが生じる場合があります。

かつて研究団体は「問題発生要因の仮説」を立てることを大切にしていました。
つまり「何が原因か」。
「○○が原因で、今の△△の状態があるのではないか」
ということ。

しかし今は、「問題発生要因の仮説」が、「問題の仮説」に変わりました。
つまり、その子にとって、関係者にとって、「問題」は何か。
同じ構音障害であっても、AくんとBさんとでは、
様々な条件を検討したときに、「問題」の焦点が違うということ。
同じ状態でも、一人一人教育的ニーズが違う、ということですね。

この時点で、「生育歴」をなぜ調べる必要があるか、
その意味が180度変わった、と私は思っています。

少なくとも、単純な因果律でとらえるのではなくて、
物事は因果の複雑な連鎖、部分と全体、過去現在未来の響き合いの中に存在しているということを観じつつ、一つ一つの臨床に丁寧に関わっていきたいと思うのです。

経緯を理解することは、誰かを犯人扱いするためではなくて、むしろ未来に向かうための礎となるのです。

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