「年度末の会議なのだから、一回ぐらい通級を休んで、会議に出て欲しい」
「スキー授業でどうしても人手が足りないから、一回ぐらい通級を休みにして手伝って欲しい」
「運動会、学芸会の準備で人手が足りないから、通級を休んでスタッフとして動いて欲しい。教室の職員である前に、学校の職員なのだから」
各係や分掌から頼まれる仕事は、それぞれの立場からの依頼であり、
その内容はごもっともなわけです。
しかし、それぞれの係から教室担当者に依頼される事例を積算していくと、
ついには通級指導そのものが、たとえば
一ヶ月にわたりできなくなってしまうということを、
各依頼者は気づきにくいものです。
通級児童は、週に1、2回程度しか通級できないのです。
指導を一回休むのは、通常学級で1週間授業を休むのと同じ
重みを持つ場合が少なくありません。
本校では長い年月の間に、運動会の事前準備の日は例外的に通級を休みにする、
学芸会の前日は、指導のない時間に仕事を手伝う、などと、
一つづつ積み上げながら合意点を見いだしながら、その体制を作ってきました。
また、通級担当者同士が悩みを共有し合い、子どもに還元していくという主旨の
先生方の集まり、研究協議会は、親の会の理解を得ながら、むしろ通級を休んででも、
それ以上に子ども達に還元されるということから、築かれてきたものです。
そうした歴史を無視して、簡単に通級を休みにするという発想が果たして許されるのでしょうか。
通級指導を受ける児童には、指導を受ける学習権があります。
学校の都合によって、その権利が奪われることは、決してあってはならないのです。
通級担当は、その学校の職員である前に、事実上、地域の支援を担うための配置なのです。
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