「構音類似運動検査」(日本聴能言語士協会・日本音声言語医学会)という検査を行う場合があります。
たとえば「フ」が発音できない場合に、両唇で摩擦させる動作、つまり検査者の手に向かって息を吹きかけるとか、カ行、ガ行が発音できない場合に、奥舌を挙上させる動作、たとえば口を大きく開けながら「んんん」と言ってみるなどです。
よく、舌を口角の左右につけられるかとか、舌打ちができるか、という検査をして、「だからサ行が発音しにくい」などと結論する話を聞くことがあります。それはそれで、舌運動の巧緻性を把握するには意義のある情報でしょう。ただ、出せない音に類似した動作がどうなのかが、指導の手だてを考える上でもっとも有効な情報ではないでしょうか。
舌打ちが何秒以内に何回できたかを重視する例も見ますが、それよりも類似動作ができるかが、まず大切な情報であるように思います。
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