ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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しかし、仕事量が増えていく中で、定時退勤などできるはずがありません。
今回ばかりは、一言言わせてもらいました。
体調を崩している先生方も多いのです。
勤務時間外の会議が常態化。
ことばの教室担当も、子どもたちが帰った後は、振り返りをしたいのに、校務分掌に時間がとられて、それもできない。
2つある仕事は一つにまとめる。
新しい仕事を一つ入れたいなら、従来の仕事を一つ減らす。
間に人が入る効率性の悪い仕事のやり方を見直すこと。
校務分掌ごとに、業務削減の観点を入れて話し合うこと。
これらを提案しました。
本務外業務は思い切って削減すること。
教師は授業で勝負できなければだめだ。
授業以外の業務が多すぎ。
国は特別支援教育を始めるに当たって、他の業務を軽減するよう言っていたのですが。そのことを知っている方は何人いるでしょう。
今回は、あまりにも、と思ったので、朝から演説してしまいました。
数値目標を設けて削減しないとだめですね。
その子の支援において、ことばの教室への通級が妥当かどうか判断する場合があります。
逆に、既に通級している子の通級を終了することが妥当かどうかの判断もあります。
判断の際に、大切だと感じていることがあります。
1 この2つを判断するための基準(めやす)は表裏の関係であり、同時に検討することが必要であること。
2 通常学級での指導の工夫やTT、放課後サポートなど、他の支援の選択肢も含め、総合的に判断すること。(「なんでも通級」には批判的に対峙しなければならない。相談に来たのだから、通級にしてあげようという温情的な判断は、一見子どものための思えるが、通級への依存体質を作ってしまう危険性がある)
「25文科初第756号、平成25年10月4日」通知には、その旨、明確に書かれている。
3 一律に線を引いて基準通りに判断するのでなく、ケースバイケースであること。
ただし、指導者の主観だけで判断するものでもなく、一定のめやすは必要なこと。
4 保護者、本人、指導者、学級担任、専門家など、関係する人の意見を聴取した上で判断すること。
5 面接場面だけで判断するのでなく、行動観察、生育歴、検査の3つがそろった中で判断する。
6 機能性構音障害の場合、「日常会話においても、障害音が改善されていて、誤って発音した場合でも、おおむね自己修正できる」が平均的なめやすと思われる。
ただし、通級のための条件など、総合的な判断は必要。
必ずしも「全部直ったから終了」ではなく、予後困り感が生じるおそれがない場合など、応用的な判断はありえる。ただし、指導者の力量不足で改善できないものを子どものせいにしてはならない。
今年度一年を振り返って
赴任一年目ではありましたが、従来の考え方、やり方について改革を提案、実施してきました。
1 教育相談のあり方の改変
(1)アセスメント情報の収集のあり方について
→発音が主訴だから発音だけ検査するのでなく、生まれてから今までの生育歴、学校生活の様子、幼稚園、保育園の引き継ぎ情報など、多面的、総合的に見立てる。
「行動観察、生育歴、標準化された検査」の3つ
(2)教育的判断の根拠の明確化
→アセスメント情報を総合的に判断し、おおよその支援の方向性を教育的に判断。
障害種は国が定める通級対象と照らし合わせ、科学的根拠に基づく判断へ。
教室独自の判断基準の廃止。
もちろん、国が定める基準通りにやるということだけではなく、障害の教育的判断にどんな根拠があるのかを明確にすること
(3)ことばの相談と就学相談との連携の強化
(4)教育相談報告様式の改変
→箇条書き的見立てから、論述的見立てへ
(5)マニュアル的自由会話から、その時、その場、面接者と子どもとの呼吸に合わせた自由会話へ
2 指導の改変
(1)マニュアル主義から、子ども一人一人の違いに合わせた指導へ
→コミュニケーションが苦手だから、SST、という本に書いてあることではなく、関わり合い、子どもの反応から読みとることへ。
(2)無根拠な指導から、科学的根拠に基づく指導へ
(3)言語発達遅滞のとらえ方。表出言語ではなく、内言語へこそ注目へ。
3 就学相談のあり方についての改変提案
4 保護者との連携強化
→子どもが何年も通っていて、今年初めて親が教室に入りました、という親御さんが何人も。
特に参観日など、保護者が来校しやすい日時に来て頂く等の工夫。
→個別の指導計画を保護者と話し合い、指導の方向性について共通理解に立とうとしてきました。
***
これらの取り組みの結果かどうかは別として、今年度、
教育相談件数は昨年の2倍強。(もうすぐ3倍に)
就学時健診、就学相談と、ことばの相談との連携、情報交流により、より適切な就学相談へ
定期に通う通級児童の増加
につながりました。
今後の課題
1 乳幼児部門と学校教育とのスムーズな接続、早期の相談体制
→アンケートで、約3割の保護者が、もっと早く支援につながりたかったと回答。
教室啓発の強化。
2 就学相談体制の抜本的な改善、特に研修の強化、保護者、本人の立場に立ったシステムへ
3 担当教員の専門性の向上
4 人事面
5 物理的環境面
6 仕事内容の選択と集中(なくてもよい仕事は思い切って廃止。必要な仕事(指導時間の確保、指導内容の充実、保護者との連携強化)に労力と時間を重点配分へ。仕事分野の整理統合
7 教室運営計画を「使える計画」へ。
3、4は、私一人の力ではどうにもならないわけですが。