WISC-Ⅳの検査についての研修をして欲しいという要望を受けて行います。
事前アンケート調査では、既に該当の研修講座を別のところで受けている先生が多いようです。
ならば、実技よりも解釈を中心にした方がよいのでしょうか。
ただ、「解釈の仕方」という時に、3つの懸念を持ちます。
1 行動観察などのアセスメント情報の収集抜きに、数値だけで子どもを理解しようとしていないか。
2 「このグラフだったら、○○の傾向」など、検査結果を紋切り型でとらえようとしていないか。
3 検査で全てがわかると考えていないか。基本的な心理学、統計学などの用語、概念が理解されているか。
検査の経験の浅い先生への研修ということであれば、「標準出現率」、「パーセンタイル順位」「有意差」「合成得点」、「評価点」「標準偏差」などの基礎的な用語の意味の学習から入った方が良いのでしょう。
「解釈の仕方」はマニュアル通りにあるわけでなく、検査自体が持っている性質や、子ども理解の中にあるわけでしょう。
検査をかける以前に行うべきこと、発達についての基礎知識などから始めることを考えると、一日ではとても足りないという思いです。
WISCの研修に入る前に、基礎事項で終わってしまうかもしれません。
でも、新しい先生への研修というのは、そこにこそニーズがあるのでしょう。
アセスメントの基礎知識が不足している中で、検査に手を出すことの危険性の説明、解釈する上で絶対にやってはいけないこと、などの内容を中心にしていこうかと。
少なくとも、「まずは検査」、「総合的解釈なき検査の実施」の風潮を強めないように。
むしろ慎重に考えなければならないというように持って行かなければ。
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