研究主題「ことばを支える『心の育ち』を大切にした支援のあり方を考える」
研究の柱
1
その子をどのように理解していくか。
→子どもの実態把握
2
その子にとっての問題をどのようにおさえ、問題の発生と経過をどうとらえるか。
→子ども理解の仮説
3
その子にとっての必要な育ちとは何か。どのようにかかわり支援するか。
→支援の計画と実際
4
支援の経過をどのように振り返り、関係者と情報共有するか。
→支援の省察と共有
各研究の柱の意図は以下の通りです。
(1)「その子どものどこをどのように観て、理解していくのか」「その子どもを担当者はどんな姿勢で理解していくのか」ということを考えます。「ことば」「聞こえ」という側面だけでなく、多面的な視点で総合的に子どもを観て、支援の方向付けにつなげていきます。
(2)その子どもの困っていることや保護者の心配が「どのように発生したか」の筋道を考えます。実態把握で得た情報を基に、「その子どもにとっての問題」を明らかにし、その子がどのような育ちの中で現在の状態に至ったのかの要因を探り、仮説を立てながら理解を深めていきます。
(3)これまでにとらえた「その子どもにとっての問題」とその子どもの「育ち」、その中の「問題が発生してきた背景」の理解を基に、どう子どもと保護者を支えていくかを考えていきます。また、「今、その子に必要な支援は何か」を常に考えながら支援に当たります。
(4)事例を中心とした研究を進めるために、担当者が指導過程での自分の実践の考えや思いを丁寧に振り返り、省みて(=省察)いきます。個人の記録で、周りの担当者との交流で、教室研修やブロック研修で、大会発表でと、様々な機会を利用して省察・共有し、研究を進めていきたいと考えます。
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さて、「言語障害教育」での実践を「古い」と評価し、「最新の学説」と対置させるような議論が散見されます。
「発音よりも、学習面の支援が重要なのでは?」など。
しかし、それは、「言語障害教育」の研究実践への誤解です。
上記の研究主題を読んでいただければわかるように、「言語障害教育」は、初めから、「ことば、きこえ」という側面だけでなく、その背景を徹底的に見ようとしてきました。
構音練習ばかりやっているというわけではないのです。
道言協の研究主題は、「言語障害」にとどまらず、どの子、どの関係者にも必要な、古くて新しい視点である、と思います。
今度の小樽の臨床研では、後半で、構音障害の基礎講座をお願いされました。
直前まで、パワーポイントを整理しようとしていましたが、手が動きませんでした。
何かもやもや感が。
そして、もやもや感の原因がわかりました。
基礎知識の研修もするけれど、より実践的な研修にしようと。
そしてトータルな子ども理解の力をつけられるような研修にしようと。
せっかく道言協の研究主題が設定されているのですから、これを使います。
ある事例について、教育相談事例研修です。
その子についての、「子ども理解の仮説」、「支援の計画と実際」をワークシートを使って、少人数グループで協議します。
そこに検査、相談の実技をはめ込み、OJTの要素を入れていきます。
どうでしょう?
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