ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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「言語障害教育の50年の財産を外へ知らせるとき」
との道言協会長のご挨拶の通り、
今回のこちらでの研修会では、会員外にも幅広く呼びかけました。
すると、保育園、療育職員はもちろん、不登校支援施設、NPO子育て支援施設など、本当に多職種の方がお集まりくださいました。
遠くは上川、釧路からも。
元道言協事務局長の先生を講師に迎え、午後は私の基礎講座。
検査も大事だが、検査以外の子ども理解も大事。
先生の子ども理解の視点、推察する力、深さはすごいですね。
検査の解釈はあまり得手ではないそうですが、
下手に検査を重ねるより、ずっと、子どもの見方が深い。
ベースとなる発達心理学の知識、言語聴覚障害の知識を
お持ちなのと、経験ですね。
ケース会議で鍛えられると、先生ぐらいの力がつくのかなと。
というか、昔の先生は結構そうやって、子どもを理解しようとしてきた。
検査では、「○○の指標が低い」というのがわかったりするが、
子どもがどう感じているか、子どもの居場所はどこか?
どのような経緯で今に至るのかなど、
もっと深い子ども理解が必要だろうと思っていました。
そこをビシッと指摘してくださったように思います。
語り口はソフトですが、本質の本質に響いたという感じです。
今日も、「WISCの解釈を1時間半で講義してくれませんか」と頼まれました。しかも「言語性、動作性」などと。いつの時代の話でしょう。
断る側も、断られる側も傷ついてしまいますが、丁重にお断りしました。認知心理学や発達心理学、統計学など、様々な知識を動員して、初めて解釈は可能ですよ、とご説明したのですが。
代わりに就学相談の委員会と、言語の研究協議団体との共催で、WISCを含めたアセスメントと相談の進め方の研修を一日日程でやります、と紹介させていただきました。
このほかにも、「特別支援教育について20分で語ってください」という依頼も、日程が合わないという理由でお断りしました。
テーマは「特別支援教育で学力向上!」
なんか違うかなと。
20分で語れるわけがないし、学力テストの平均点をみんなでめざす、という趣旨の「学力向上」と「特別支援教育」とは、全く合わないのです。
研修の中身が、コンビニエンスな方向に行っている気がしてならない。
こうした中、教員の大量退職と若返りにより、先輩方が積み上げてきた財産が継承されない危機感を国も持っているようですね。今後に期待。
私の教室では最近、教育相談を研修の場として、ことばのテスト絵本一つの使い方を含め、一から実技研修をしています。
「テスト絵本」のカバーを外すのは、相談が始まってからではなくて、相談前に外しておいた方が時間の節約になるとか、ページのめくり方まで、細部にわたってです。
掘り下げるべき構音はどの音なのかの判断だとか、メモ用紙に注視せず、子どもの表情を注視せよとか。
教育相談のローカルルール、学術的根拠に基づかない様式も、すべて廃棄しました。
先生方の力がどんどん身についているのを感じています。
やっぱりOJT(実務しながら研修)が一番効果的ですね。
研修で一番身につくのは「教育相談」ですね。
かつて、言語障害教育課程の免許取得のための実習は、「教育相談」が一番ハードルが高く、かつ一番ためになる研修として位置づけられていた、と聞きます。
地道に一歩一歩やっていくしかないですね。
今後もコンビニエンスなノリの研修依頼はお断りします。