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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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WISC?のツボ

より詳しく、正確な学習をするためには、以下の文献が参考になります。

『軽度発達障害の心理アセスメント WISC−3の上手な利用と事例』
上野一彦/編 海津亜希子/編 服部美佳子/編
出版社名 日本文化科学社
発行年月 2005年02月


『WISC−3アセスメント事例集 理論と実際』
藤田和弘/編著 上野一彦/編著 前川久男/編著 石隈利紀/編著 大六一志/編著
出版社名 日本文化科学社
発行年月 2005年04月


また、日本文化科学社 や、日本LD学会 特別支援教育士(LD,ADHD等)養成セミナーでは講習会を開催しています。


*以下は、私が各種研修会や、現場での経験をオリジナルにまとめたものなので、間違いや不正確な表現があるかもしれません。その前提で読んで下さい。

○検査全体に言えること
(1)測ろうとする能力は、能力全体の一部にすぎない。
(2)検査結果は、その時の子どもの体調や集中度、検査者が変わることによっても影響を受ける可能性がある。
(3)検査自体も古くなると時代に合わなくなる。
(4)だからと言って検査の全てを否定すべきでなく、検査の限界をわきまえた上で活用すべき。

○WISC3の特徴(詳しい内容は他のホームページに当たって下さい)
(1)言語性IQ(VIQ)と、動作性IQ(PIQ)との差異(ディスクレパンシー)などが測定できる。因子分析から4つの群指数(言語理解、知覚統合、注意記憶、処理速度)が出される。
(2)ビネーは、すべての被検査者を母集団としているが、WISCは年齢段階ごとに母集団を作っている。ビネーに比べて数量化しやすいのが特徴。
(3)適用年齢は、5歳から16歳までだが、田中ビネーで適用年齢を想定するのも一法。

○分析の仕方
(1)VIQとPIQとの間に13以上の差があるからと言って、「学習障害」、「異常」などと診断してはいけない。あくまでも、個人内差異を明らかにするために検査を行う。
(2)IQは幅があるもの。「この子の全IQは100」というとらえ方は誤り。たとえば「この子の全IQは93〜107の間にある確率が95%」というのが正確。
(3)「言語性―動作性」は、観点のひとつにすぎない。他の研究者が様々な観点を提供している。
(4)下位検査で2つ以上平均を下回るのがあれば、共通する弱い能力があるか調べられる。共通する能力がなく、単独の下位検査のみ落ち込んでいるなら、その課題独自の能力を考えてみる。
(5)他の検査や臨床像と合わせて評価すべき。単独の検査だけで判断してはいけない。たとえばWISCとK-ABCは「標準得点法」で計算されているので、下位検査同士で比較できる。
(6)「数唱」で短期記憶の能力が測れたとしても、長期記憶の能力とは相関がない。(短期記憶が優れているからと言って、長期記憶が優れているとは限らない)
(7)検査から正答数という数値しか取り出さないのは、子どもを理解するのに不十分。どのような誤答をしたかなど、子どもを丁寧に観察して得た情報が重要。
(8)動作性下位検査の得点が、初めのものから徐々に減少している場合、運動協応の問題を考える必要がある。ただし、他の下位検査でそれを覆す結果があれば、ただちに棄却。
(9)「符号」は、点数だけでなく、失点の多さも見る必要あり。→「失点」が多いと、細部への注意力や、被転導性が見えてくる。
(10)「積み木」は失敗した問題の分析が必要。→どのように失敗したかを分析することで見えるものがある。
(11)苦手分野の問題は疲れたり、あきらめる、身体症状に出る子では、その子にとっての弱い部分が見える。
(12)「下位検査評価点」で「1」が出たら、他の検査にした方がよい。→全くできなくても、少しできても「1」がつく。V−Pの差異も無意味。
(13)「絵画配列」は、どの絵同士が近いかや、因果関係などの認知、類推が必要。

○活用の留意点
(1)判定会議に出す資料は、数値だけではなく、その子のイメージがわくような表現で出す。わかりやすく具体的に解釈するのが、コーディネーターの役目。
(2)「この部分が弱いから鍛えよう」というのは、一番効果がない(学校の先生に多いやり方)。得意分野を生かした指導法が大切。にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
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「学齢期の児童生徒に対する教育的観点にたった吃音指導・支援プログラム(試案)」

 このほど、金沢大学教育学部 小林宏明先生の講演会に出席しました。
 この中で、「学齢期の児童生徒に対する教育的観点にたった吃音指導・支援プログラム(試案)」が紹介されました。
 吃音については様々な学説がありますが、小林先生の話は、特定の理論に偏ることがないので、現場感覚に近いと感じています。
 今回発表された「試案」は、吃音についての学説やアセスメント、指導法が体系的によくまとまっています。
 小林先生のホームページがいつのまにか大幅に更新され、「試案」も掲載されていました。
「吃音ポータルサイト」
http://www.ed.kanazawa-u.ac.jp/~kobah/
 情報量が豊富なので、これからすべて印刷して、ファイルにして使えるようにしたいと思います。

 このように「まとめたもの」と出会うと、その通りにやればよいととらえたり、そのプログラムを全部やり終えること自体が目的になったりしまいがちです。しかし小林先生が今回出された「試案」の意図は、それとは明確に違うという点で、納得ができるものでした。
 若干話題が変わりますが、故高橋 渉先生が、「教育はプログラムではない。プロジェクトだ」とおっしゃっていたことを思い出しました。 にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
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