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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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舌の緊張を取る。「舌平ら」「舌お皿」


(図はクリックで拡大)

構音指導をすすめる上で、練習の基礎となるのが
「舌平ら」「舌お皿」の形成です。

あまり必要ない場合もありますが、
特に側音化構音、口蓋化構音の指導では
まず必要になります。


「舌平ら」「舌お皿」の実際の舌は、
どんな形なのだろうとお悩みの方が
いらっしゃるようなので、写真でお示しします。

さて、正しい「舌平ら」はどれでしょう?

Aは舌が盛り上がり、舌縁が口角についていないのでだめです。
Bは、一見平らのようですが、舌縁が緊張して波打っています。
Cはブイ字にしすぎていますし、舌の奥が緊張しています。
開口時に口蓋垂(のどちんこ)が見えるぐらいに、
奥も平らでなければなりません。
Dは歯で噛んで、むりやり平らにしようとしていますね。
このままでは構音指導に入れません。
最悪の場合、呼気が正中(真ん中)から出るのを
歯がブロックし、
呼気が側方から漏れる、側音化構音を悪化させる場合も。

ということで、Eが正解。
ホットケーキのようにふわっとしていて、
舌縁が口角に付いています。
口角に付いていれば、呼気が側方から漏れることはありません。
側方から漏れた場合は、口角と舌縁が離れるので、目で確認できます。
練習時に鼻息鏡は必要ないわけです。

だから、側音化構音の指導は特に
舌を出した方が指導がしやすいのです。


「舌を出すと、歯間音化になる」
ということを恐れすぎて、
口の中に舌をおさめたまま練習し、
いつまでも改善しないという例を見てきました。

8割9割は、舌を出して練習しても、
練習日を重ねるうちに、自然に引っ込んでくるものです。
私の経験上。
引っ込まなければ、単語~短文レベルまで呼気が正中から
しっかり出るようになった後、
スモールステップで引っ込めるようにすればよいだけのことです。

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オセロと視知覚



クマさんを裏返すとウサギさんになるオセロです。
木のおもちゃはぬくもりがあるし、
何よりもキャラクターがかわいくて、子ども達の関心を
引きつけますね。

「同じキャラクターで、異なるキャラクターをはさむ」
「はさむ、とは、自分の石からの延長線上に、相手の石があり、
その線をそのままさらに延長すると自分の石に行き着くことを言う」
「はさむと、同じキャラクターに裏返る」
「斜めのはさみ方は、対角線に沿うように」

「2つはさんだら2つ、3つはさんだら3つ裏返すことができる」
「ひとつはさむように置くと、
他の延長線上にもはさまるものがある場合があるので、見逃さない」

 これらの条件を検索しながら、置いていく必要があります。

初めのうちは、反対の延長線上に置いたり
(つまりはさまないように置いたり)、
斜めの線が対角線からずれていったり、
今自分が置いた石とは別の延長線上の石も
裏返そうとしたりしました。

回数を重ねるうちに、また、仮定されている「延長線」を
指差しで教示しながらゲームすると、エラーは減っていきました。
もちろん、ゲームを楽しむことが最優先であり、
エラーを叱ったりとがめたりはしていません。

オセロは、見えない延長線を「仮定」して、つまり線を引いたことにして、
その仮定の線に石がどのように重なるかを視覚的にイメージしながら、
より多く取る方法を考えなければなりません。

また、「斜め線は対角線上」というのは、単に見えるという問題ではなく、
まさに概念の形成と一緒に知覚できることですね。

つまり「見える」というのは、視空間概念と一緒に発達するのだなあと
改めて実感しました。

「線が交差する」などの文字の学習の際にも、前提となる力ですね。

黒船が来航したとき、エンジンで船が進むという概念が
なかった日本人には、その船自体が見えなかったらしいですね。

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通級はあくまでも下請け

通級指導を担当している子どもの学級担任の先生から、
「指導を見学しに行ってもいいですか?」という質問を
保護者を通じて頂きました。

どうぞ、是非見に来てください!

指導を参観して頂くのは、連携のもっとも本質的な姿だと思っています。
見に来て頂けるのは、うれしいですし、ありがたいことです。
誰よりも子どもたちのためになります。


さて、様々な子ども達が、通級指導教室を利用しています。
通級担当はあくまでも下請け、メインステージは在籍学級です。
教育内容の編成は学級担任、在籍校が主役であり、通級担当はお手伝いにすぎません。

このスタンスを外れると、通級担当が、学級担任、学校に対して、
上から目線で物を言ったり、対応したりということになりかねません。

通級は週に1~数時間、その他の大部分は通常学級で子ども達は過ごします。

通常学級でのニーズは何かをとらえ、子ども達、学級担任、保護者の関係を
良好に保てるよう、黒子の役目を果たすのが通級担当なのだと思っています。


連携について、時間的、物理的、法律的に難しさを感じているのが通級担当です。
その中で、指導を見に来てくださるという、そうした動き、意思に触れただけで
元気を頂ける思いがするのでした。


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本人、保護者の視点にどれだけ立てるか 2

今日の事例検討会では、保護者の生の声を聞きくことができました。

保護者がお子さんの生育歴情報を詳細に報告してくださり、
その内容について参加者がグループで、感想や意見を交流しました。

0~3歳、4~7歳と時期を分けての発表と、グループ交流を
何度か織り交ぜました。

生育歴情報は、支援者の発表を聞くのと、
保護者の直接の発表を聞くのとでは、
これほど違う印象があるのかと思いました。

就学指導についての保護者の気持ちは、
胸に強く残りました。

学校関係者の一人として、
今後のあり方を強く反省させられたのでした。

グループの話し合いのルールは、

・知り得た情報を漏らさない守秘義務
・自分の意見も他人の意見も大切にする自他尊重

でした。

キーワードは、

・出会い
・傾聴
・交流
・気づき

でした。

内容も進め方も、とても勉強になりました。

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相談者の相談相手2

今年も巡回相談員を仰せつかることになりました。
今年の「総会」は、例年よりも早い時期となり、
ケースの受け入れ期間が長くなったのは良かったと思います。

ところが今回は、自分自身が別の研修を受けたい期日と重なってしまいました。

また、これから巡回相談にでかけるということは、
自分の担当の子の指導を休みにしなければならない、
という矛盾をあい変わらず抱えることになります。

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相談者の相談相手

新しい先生への支援ということに力を入れてきた今、
ふと気づきました。

「自分自身の相談相手が少ない」

周囲には私より経験の豊富な先生はなかなかおらず、
困難なケースについて相談しようにも相談できないのです。

そうした中、ベテラン陣にアドバイスを受ける機会がありました。
専門用語いっぱいで、ぞくぞくしてきました。

私の場合、わかりやすいことばよりも、
難解な専門用語をいっぱい並べて頂いて、
意味は自分で調べろ、
というノリの方がだんぜん、研修意欲が高まるのです。
特異な性格ですね。

難解な用語には、様々な意味、つまり、研究の経緯、
文化的な背景などが、ぎっしり詰まっているように感じて、
味わい深いのです。
またその意味を深く理解することで、
受け売りではない、
自分の骨肉として身につく、という気がするのです。

だから、逆に、「わかりやすい本」がたくさん出回っているのを見たり、
ことばの表面だけをなぞらえて、何となくわかったような気になったり、
かっこいいような感じのものと出会うと、危険な臭いを感じてしまいます。

芸術と同じように、
「いいものと出会う」
ことの大切さを改めて認識しました。
ありがとうございます。


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本人、保護者の視点にどれだけ立てるか

障害にしても、不登校にしても、
本人、保護者の心情にどれだけ寄り添えるかなのでしょう。

専門的な知識や技術はもちろん欠かせないのですが、
支援者側の自己満足、自己顕示欲を満足させるためではない、
と常に自戒していたいのです。

当人の心情、立場に立てば、知識がなくても、
自ずから解答が出てくるのでは、と思うこともしばしば。

なんちゃって他者視点でもなく、
作り上げたストーリーにその子を当てはめるのでもなく、
単なる同情、迎合でもなく、
無根拠な予後推定でもなく、
その子や周囲のオリジナリティーを正確に、深く、まっすぐにとらえること。

自分の家族だったら、自分がその立場だったら、
と「感じ取る」ことを大切にしたいと思います。

「見る」のではなく、「観る」こと。

「想像する」のでなく「感じ取る」こと。

「指導方法」の前に「アセスメント」であること。

専門家である前に、地域の仲間であること。

「LD・ADHDの心理的疑似体験」
知識の前に、ここがベースになければならない。
私がさせて頂いている研修も、
見直してみたいと思います。


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なかなか、なり手がいないんですね

偉くならないかという話しを頂くのですが、
ごめんなさい。
現場でコツコツやりたいのです。

現場から離れたら、本当にやりたいこと、
本当に今必要なことができなくなります。

関係者の皆様によろしくお伝えください。

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着座姿勢が崩れやすい子に

椅子からすぐ、ずり落ちる子がいます。 ふざけているだけに見えるのですが、
実は着座姿勢が崩れやすい場合があります。
からだができあがっていないだけかもしれません。
ずり落ちるたびに叱られて、でも本人も本当は
そんなつもりでない、ということがあるかもしれません。

100円ショップで買ってきた、食器棚用のすべりどめです。
一定の効果が認められました。




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歯の治療に見る特別支援教育の理想

子どもの歯の治療、フッ素の塗布に付き添いました。

歯医者さんでは泣くことが多かったのに、
今回は泣きませんでした。
子どもの歯科治療について、地域の評判が良い、
某歯医者さんの接し方がすばらしかったからでしょう。

従来、泣く子を無理矢理診察台に載せ、
泣いても「大丈夫だよ」という励ましで、
何とかがんばらせていましたが、今回は違いました。



診察台に座るところから、スモールステップの行動目標としている。
→「ここにすわってみようか」と促す。
しぶる子どもには、あくまでもやさしい促しだけで、
物理的に引っ張ったりはしない。

しぶるので、私も一緒に座って良いか尋ねると、
「一緒に座っていいですよ」と柔軟な対応。

その後も、子どものスモールステップの行動目標を設定していることが、
雰囲気からよくわかりました。

2 
診察台にDVDが置いてあり、好きなDVDを選んで、
見ながら治療が受けられる。
→緊張緩和に一定の効果。



使う器具一つ一つを見せて説明し、子どもが納得してから治療する。
→次に何をするのかを視覚的に提示することで、
不安感を解消しようとする試みですね。

子どもが拒否しているときは、絶対に無理をしない、強制しない姿勢でした。


4 
治療を嫌がった時は、その理由を検索し、柔軟な対応をしている。
→治療の途中でも、
「疲れた? じゃあ少し休もうか」と言って背もたれをあげる。

ことばの教室でも、練習中に子どもが多動になったり、嫌になってきたときは、
「疲れた?」と必ず聞き、小休憩を入れるようにしていますが、
同じ対応が歯科で見ることができるとは驚きでした。
保険点数に直接影響するでしょうに、
時間に余裕がないと、なかなかできないことでしょう。


5 
保護者の対応に柔軟に合わせる歯科衛生士
→ 最後の仕上げでどうしても拒否した子ども。
万策尽きて、親にしか出せない強化刺激のカードを切って欲しいという雰囲気を感じた私は、
「最後までがんばったら、○○のお祭りに連れて行ってあげる」
と言ってみました、
これは効果がありましたが、歯科衛生士は
その強化刺激の提示に歩調を合わせてくれました。

ただ、「お口を開けて」の指示にわずかに口を開けた反応に対して
すかさずほめることで、強化されたはずなのに、というシーンがありました。
また、「治療拒否」なのか「意思表示への抵抗」なのかの鑑別が、
歯科衛生士さんは見抜けない場面もありました。

しかし、それはその子にずっとつきあっている私だからわかることで、
初対面の方にはわかるはずもありません。

それどころか、初めの問診の段階で、
これまでの別の歯医者さんでの子どもの反応を細かく尋ね、
経過をアセスメントする姿勢はすばらしいものでした。

全体としては、
小児歯科治療の専門家である歯科医師、衛生士と、
その子の専門家である私の良いコラボレーションができました。

スペシャリストと、ジェネラリストの協調ですね。

ずばり特別支援教育の理想を見ました。

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音節分解しりとりすごろく 色なしバージョン

ご要望がありましたので

音節分解しりとりすごろく

の色なしバージョンをアップします。

ダウンロード(pdf)

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「ことばの教室」を設置する方法

片道2時間以上もかけて、「国鉄」を乗り継ぎ、
バスに乗り継ぎ、週わずか1時間の指導を受けるために、
1日学校を休んだ子どもを保護者が連れて教室へ行く・・・・。

保護者が手を取り合って、自分の自治体への教室新設に向けて、
一大運動を展開したのは、必然の流れでした。

1 親の会の結成
2 学習会の積み重ね
3 署名運動、ビラ配り
4 地方議会とのパイプ
5 自治体への陳情

などなど。

こちらの地方にもことばの教室がいくつかありますが、
教室の新設には必ず親の会が関わっていました。

そして、親、行政、職員が「三位一体」となって取り組みました。

道親の会の総会から帰ってきた先生に資料を見せていただきました。
新しい方は、ことばの教室の設置の歴史を知る機会がないわけです。
そこで親の会がいかに関わってきたかを知っていただく一つのアイデアが、
その資料には載っていました。

故きを温ねて新しきを知る

大切ですね。

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「おなかいたい」にはいくつもの意味が

字義通りの意味
「おなかいたい」

言外の意味
「私のそばにいて。離れないで」
「本当は今は痛くないけど、ときどき痛くなるのをわかってほしい」
「本当は幼稚園(学校)に行きたいのに」
「本当は遊びたかったのに」
「本当はご飯が食べたかったのに」
「いつ治るのか、痛いのが終わるのか不安」


「おなかいたい」を大声で泣かれて言われ続け、
療育者側も精神的な負担に。

自分を責める気持ち、人を責める気持ちを抑えて、
子どもために何が必要か、常に粛々と前向きに考える。


「いたいねえ」「必ず治るからね」と声をかけながら、
お腹をやさしくなで続けてあげると、
不思議と訴えなくなり、
いつのまに眠りに落ちているのでした。

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側音化構音 その3

側音化構音かどうかを確認するには、音を聞くだけでなく、
鼻息鏡(びそくきょう)を使います。
下口唇の上に鼻息鏡を載せて、内緒の声で「キー」と言ってもらいます。

鼻息鏡がまっすぐに曇れば(写真の青のような曇り方)、
呼気は正中(まんなか)から出ていますが、
赤い曇り方なら、側音化構音です。

ただ、鼻息鏡の角度や当て方で曇り方が変わることもあるので、
何度かトライした方がいいと思います。



内緒の「きー」がすぐ言えないときは、「きのこ」と言わせてみて、
「きのこ」を今度は内緒の声で言います。
次に「き・の・こ」と内緒の声で区切り、
最後に、「き」だけを取り出します。
それを伸ばせば、内緒の声の「きー」になります。

行動分析の「スモールステップ」ですね。

単純に有声音の「き」と言わせるよりも、
曇り方がはっきり見えて良いと思います。

また、ペンライトでお口の中を照らし、
「き」と言った時の舌先の動きが必見です。
舌先が口蓋にびっちり付いているようであれば
側音化構音です。
舌先が下を向いていても、舌の少し奥が口蓋にくっついているかどうかも大事です。
本来は舌の真ん中は全て空いていて、呼気の通り道でなければなりません。

舌先が左右によじれているかどうかという視点も大事ですが、
口蓋に密着しているかどうかが一番大事だと思うのです。


構音指導に長けている人は、行動分析や認知心理のセンスがある人が
多いという印象があります。
構音指導を極めることは、他の障害への応用につながる、と思うのです。


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側音化構音 その2

側音化構音は、呼気が横から漏れ出るのが特徴です。
グチュグチュという音が伴うことがあります。
(気流雑音)

下の図は、舌が口蓋に接している部分を示しています。
つまり人の頭の上から透明な口蓋を通して舌を見ているところです。

点点がついているところが、接しているところです。
シャ行の発音の際、舌のわき(舌縁)が接していて、
真ん中が空いています。そこに呼気圧を高めて、
舌先から呼気を出しているのが、本来の「シ」です。

ところが下図のように、舌背が口蓋に密着すると、
呼気の通り道が遮られるため、呼気は横から漏れ出ます。
これが側音化構音です。

舌の真ん中が緊張して盛り上がり、口蓋に密着するのが原因です。





だから、側音化構音の指導の最初は、舌の緊張をとることです。
舌の真ん中を平らにして(あるいは少しくぼませて)
呼気が正中から出せる環境を作ることです。

舌の緊張を取ると言っても難しいです。
舌をとがらせたり、力を抜いたり、を交互に行う、
スプーンで舌をなでて力を抜くようにする、などの
練習方法があるでしょう。
肩を思い切り上げながら息を吸い、吐くと同時に肩をおろし、
舌を少し出すという方法もあります。

このほか、「け」「く」「い」が正音の場合は、
そこから引っ張るという方法もあります。
つまり、ないしょの声で「け」と言ったあと、
「いーーー」の有声音を続けます。

これを繰り返し、素早くすると、「き」に近い音が作れる場合があります。
でも、「素早く」の段階で、舌の緊張が誘発されると難しいです。

「く」からひっぱるのも同様です。

条件は「く」「け」「い」が正音であること。
もしかするとこれらの音も歪みの場合は別の方法が必要です。

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言語通級教育士 資格認定協会 設立準備事務局

今日は地域の通級担当教員向けの研修会で
講師をさせていただきました。

構音指導だけで本当は何時間も必要ですが、
かいつまんで説明と演習を行いました。

たくさんの内容をわずかの時間に盛り込むには
やはり限界がありますが、一方で、
なかなか集まりにくい、時間がとれない中で
少しでもたくさんのことを覚えていっていただければ
という思いもあるのでした。

感想アンケートを見ると、日程を増やして欲しいという
要望が結構ありました。

予算の関係などで日程を増やすのは難しいかもしれませんが、
既存の組織の集まりを利用して、年間数回に渡る基礎研修の時間を
設けられないかと思っています。

「言語通級教育士 養成カリキュラム」

特別支援教育士のカリキュラムを参考に作ってみました。
(まだ案の段階なのでモザイクを入れます)

作ってみてわかったのは、言語障害だけでも最低6日分は
必要だということ。
これに発達障害、場面緘黙などを入れるとさらに多くの
日程が必要になります。

通級対象の弾力化はけっこうなのですが、
担当教員の専門性があることが前提だ、と国も言っています。

言語障害への対応だけでも研修の不足が先生方から指摘される中、
まずは言語の研修をしっかり組織化することが当面の課題と
言えます。

ただ、これは一人の力では無理そうです。




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側音化構音

側音化構音(そくおんかこうおん)とは、
独特の歪み(ひずみ)音です。

キがチのように、ギがジのように、シがヒのように、
チがキのように、リがギにように、など、
イ列音(イ段の音)が、文字では表記できないような音になります。

置き換えとは違い、この側音化構音は、自然改善の可能性が低いです。
だから、専門的な指導を受ける必要があります。

実は成人でもこのような発音の方は結構いらっしゃいます。
会話は通じてしまうので、それほど気にならない場合もありますが、
イ段の入ったことば、とりわけ固有名詞など、
聞き手になじみが薄い話題では、
通じにくい場合もあります。

成人になってから治したいと思っても、
指導の場がない、仕事が忙しくてSTのもとへ通えない、などで
悩んでいる方は実は多いです。

たとえば、

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1212939042?fr=rcmd_chie_detail

だから、子どものうちに指導を受けることが必要です。
そのための条件整備がさらに必要と思います。


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通級による指導実施状況調査

文部科学省の「通級による指導実施状況調査」の結果が出たようです。http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/04/attach/1260962.htm


人数は伸びる一方ですね。

・学習障害と肢体不自由は、他の障害と異なり、
他校通級よりも自校通級の方が割合が高い。
→上野一彦先生も言っているように、「自校通級でなければ発展しない」ということでしょうね。
特にLDは。
通常学級で今日はどんな様子だったかという情報がないと、
通級の指導も十分な効果が発揮できないし、
何よりも言語指導で標準的とされる週1~3時間の指導時間では、
LDの場合はとても足りないというのが実際です。
LDの内容にもよるかもしれませんが。

・巡回指導の割合が3%と、低水準のまま推移していますね
→通級が制度化されたときの旧文部省通知では、
巡回による指導について
「当該教員の身分取扱いを明確にすること」と
書かれています。
http://www.ne.jp/asahi/tokyo/ld/ld_1992/278.html

また、巡回指導の行き帰りの時間のロス、
事故補償、そして何よりも教員配置など
様々な困難な課題があることが、
巡回指導の伸びを妨げている要因でしょう。

 「子どもが動くのでなく、先生が動く」
と親の会でも主張されているわけですが、
道は険しいですね。
日本LD学会でもその可能性と限界が述べられていました。

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幼児の音韻分析能力、視覚的短期記憶

家族皆病気で、今年のGWは一歩も外に出られませんでした。

かわいそうなので、体力の回復とともに復活してきたごっこ遊びの他に、
体をあまり動かさなくても家で遊べる遊具を
作ってやりました。

・フレッシュプリキュア神経衰弱



商売柄、家で作る物も仕事色に染まってしまいます。

家にラミネー-ターでもあればいいのですが・・・。
でも、とても喜んで遊んでくれました。

初めはルールの理解と運用で精一杯でしたが、
回数を繰り返すうちに、どこにどの絵があるのか覚え、
その記憶を活用することで有利になることを見いだしました。


音節分解しりとりすごろく



これも楽しんでくれました。
しりとりは語尾音の抽出がひとつの課題になります。
初めは語頭音を抽出することがありました。
(たとえば、「りんご」の次は「ご」のつくことばなのに、
「り」のつくことばを検索しようとする)

でも慣れるとエラーが減りました。

単語が思いつかないときは、ヒントを提示すると、
それ自体になぞなぞの機能を課題に持たせられますね。


・3音節逆唱(非語→単語)

たとえば、「こた」の反対は? 「たこ」

初めは2音節もできないだろうと思っていたら、
3音節も可能でした。
さすがに4音節は難しいようでしたが、
一音節毎にシェマにしてやると、なんとできてしまいました。


これらの遊びは今回は純粋に「遊び」を意図していて、
能力を伸ばすことをあまり考えていませんでした。

でも、日常の指導でも、それぐらいのスタンスでいいのだろうという
気もしました。

もちろん、目標設定は大事なのですが、その結果大切なことを
犠牲にしてはいけない。
もっとも大切なのは「楽しい」「安心感」ですね。
それが次の意欲へとつながります。

泣きながら、怒鳴りながら取り組ませるというのは、
子どもも大人もつらいですし、
その課題ができるようになっても、次の意欲へつながるかどうか・・・。

いつも指導を受ける側の心情を感じ取りながら、指導に当たりたいと思います。

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機能性構音障害は言語障害とは言わない?

子ども本人ががんばっても言えなかった、
言えなくて困っていた、ある音が言えるようになりました。
それは、自然改善する可能性が低い音のタイプで、
専門的な練習でなければ改善しにくい音でした。

お母さんに報告したとき、うれしそうにお母さんに抱きつく子どもの姿を見たとき、
「この仕事をやっていてよかった」と思います。

練習によって改善する機能性構音障害は、
だから障害ではないという考え方もあります。

でもネットの書き込みを見ると、成人してからもその音が出せなくて、
悩んでいる社会人の方が多数いらっしゃいます。
ことばの教室に諸事情で通えなくて、成人してから
そのことに悩む方々です。

構音障害と言語障害。

難しいところです。

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***


構音指導基礎講座の内容

今日は協議会で、主に新しく通級を担当した先生を対象にした基礎講座の
講師をさせていただきました。

内容はほとんどビデオで、

1 本校の校内研修で昨年使用した「ことばの教室紹介ビデオ」
 を改編して上映(約30分)

2 「構音の指導研修DVD改訂第2版」を30分に圧縮した
 ダイジェスト版の上映(30分)

3 実際の構音指導場面のビデオ上映(約30分)

とし、合間には、ミルクせんべいを使った口腔機能訓練の実技、
タイマーを使った爆弾ゲーム(「サ」のつく単語を言う)の実技を
挟みました。

わずか90分だけで、構音指導の研修が全てできるわけではなく、
ほんのさわりだけになりましたが、電話やFAX、メールで
気軽に相談して欲しい、仲間の輪が大切というお話を
最後にさせていただきました。

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新学習指導要領と他校通級

地域の言語障害児教育の研究協議会に参加してきました。

組織調査部会では、新学習指導要領と他校通級が話題に上がりました。
つまり、各学年とも通常学級の授業時間が増えたため、
授業が終わってから通級する、午後の「他校通級」の時間割が
混雑し、組めない事態が起こっています。

やむなく、担当の先生を替えたりして急場をしのいだり、
今後は、一コマの中に複数の児童を入れることも検討しなければ
ならないようです。

また、授業時間を休んででも、通級したいという声も
拾い上げる必要があります。

通級児童生徒が多い教室では、以前からこのような事態に
陥っていますが、今回ますますそうした教室が増えました。

教室の宣伝、募集を取りやめたことばの教室も全国にある、
と学会の発表でも聞いています。

子どもの人数が増えた分、教員数も増えればいいのですが、
その見通しは全くありません。

どこかで通級対象を制限せざるを得なくなります。

あるいは、他校通級をやめて在籍校内での支援に切り替える例も
出てきています。

他校通級は、構音指導など、週の限られた指導時間にフィットする
事例ならよいでしょう。
しかし、学習指導や行動面の指導などに重点を置く場合は、
週の多くの時間を通級指導に当てるなどしなければ
効果が上がりにくいものです。
それは他校通級の指導時間だけではまず不可能です。

「財政難」と「教育的ニーズ」とのかけ算の解をどう出すか。
また新たな課題が増えました。

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言語通級教育士

言語障害通級指導を担当する先生のための特別な免許は
現在「自立活動教諭(言語障害教育)」というのがあります。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/nintei/08041507/002.htm

しかしこの資格を取得しても、担当できるのは「自立活動」だけ、
つまり通級指導の時間だけで、
学級担任をしたり、教科を担当することはできないでしょう。
つまり正職員には事実上なれない資格です。

しかも試験の実施箇所は1カ所のみで、
試験も難しく、毎年実施しているわけでもありません。

通常学級の担任などをやっていた人が、急に通級を担当することになったとしても、
研修がきちんと、かつ手軽に受けられるシステムにはマッチしません。

地方によっては、内地留学などの研修を受けた人でなければ
通級を担当できないようになっていますが、少数派でしょう。

北海道では、財政難のため、1年の派遣による研修の機会も
なくなってしまいました。

公ができないなら、民からやっていく、
「LD教育士(現在の特別支援教育士)」もそうしたスタンスから
始まったのだと思います。

ことばの教室を担当する先生の研修保障のために、
民間資格を作ってみるのもいいのではないでしょうか。

言語聴覚士が名称独占の国家資格になる前は、
各民間団体が独自の資格を作っていました。

http://digitalword.seesaa.net/article/44575318.html

しかし、学校教育、特別支援教育ということにもっと重点を置いた、
教員のための独自の民間資格は、今のところ存在しないでしょう。

初めてことばの教室を担当した先生への支援の工夫が
各地で行われはじめています。
ただそれらの努力は始まったばかりですし、、
教える側のベテランの先生方の負担が増えているのも現実です。

それらの努力を束ね、より効率的な仕組みが作れないものかと考えます。

人も予算もかかることですので、かなりの時間、困難を伴いますが、
将来の夢の一つとして思い描くのもいいのでは。

ネットも普及していますし、活用方法はないものかと。


特別支援教育士のテキストでも、
音声学の基本的な部分にわずかに触れた場所はありますが、
構音指導が実施できるには、遠く及びません。

確かに資格が全てではないし、資格が一人歩きするのは危険です。
ただ、ある程度努力することで、研修の一区切りとしての達成感を味わい、
次のやる気につなげるというのは、担当する先生にとっても
有意義ではないかと思うのです。


タイトルはあくまでも仮の名称ですが、
以下を試験問題にするのも一つかもしれません。

クイズ$アネオリミ 構音編 ver.0.5

・ことばの教室担当教諭採用試験!?クイズアネオリミ バージョン2.4 


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通級担当1年目の先生が3分の1

私が所属する地方の研究協議団体の名簿によると、
今年初めて通級を担当した先生はおよそ3分の1となり、
大幅な人事異動があったことが改めてわかりました。

また3つの部会のうち、基礎講座の受講を希望した先生は
メンバーの半数に達し、基礎的な研修のニーズが
さらに高まっていることもわかりました。

経験13年目で、年数に見合った実績を積んでいない私ですが、
何らかの貢献ができればと思っています。

困っている先生、子ども、保護者が少しでも安心できるために。

基礎を学びたい先生のニーズで一番多いのは、
実際の指導をどのようにやったらいいのか、でした。

今回は実際の指導場面のビデオを多用し、
イメージをつかんでいただくことを目標にします。

ただ、理論的な基礎も若干は触れておかないと、
ビデオを真似すれば良い、ということになりかねないのですが。

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赤ちゃんの運動発達

赤ちゃんの運動発達の順序には法則がありますね。


首がすわる

手を動かす

寝返りができる

おすわりができる

ずりばいを始める

下肢が左右交互に使えるようになるとはいはいをする

足首がしっかりして、立っちができる

指先まで力が入るようになるとあんよし始める

歩いたり、走ったりできる


赤ちゃんの運動は頭から足へ発達するのですね。
改めて、おもしろいなあと思いました。

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