ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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(図はクリックで拡大)
構音指導をすすめる上で、練習の基礎となるのが
「舌平ら」「舌お皿」の形成です。
あまり必要ない場合もありますが、
特に側音化構音、口蓋化構音の指導では
まず必要になります。
「舌平ら」「舌お皿」の実際の舌は、
どんな形なのだろうとお悩みの方が
いらっしゃるようなので、写真でお示しします。
さて、正しい「舌平ら」はどれでしょう?
Aは舌が盛り上がり、舌縁が口角についていないのでだめです。
Bは、一見平らのようですが、舌縁が緊張して波打っています。
Cはブイ字にしすぎていますし、舌の奥が緊張しています。
開口時に口蓋垂(のどちんこ)が見えるぐらいに、
奥も平らでなければなりません。
Dは歯で噛んで、むりやり平らにしようとしていますね。
このままでは構音指導に入れません。
最悪の場合、呼気が正中(真ん中)から出るのを
歯がブロックし、
呼気が側方から漏れる、側音化構音を悪化させる場合も。
ということで、Eが正解。
ホットケーキのようにふわっとしていて、
舌縁が口角に付いています。
口角に付いていれば、呼気が側方から漏れることはありません。
側方から漏れた場合は、口角と舌縁が離れるので、目で確認できます。
練習時に鼻息鏡は必要ないわけです。
だから、側音化構音の指導は特に
舌を出した方が指導がしやすいのです。
「舌を出すと、歯間音化になる」
ということを恐れすぎて、
口の中に舌をおさめたまま練習し、
いつまでも改善しないという例を見てきました。
8割9割は、舌を出して練習しても、
練習日を重ねるうちに、自然に引っ込んでくるものです。
私の経験上。
引っ込まなければ、単語~短文レベルまで呼気が正中から
しっかり出るようになった後、
スモールステップで引っ込めるようにすればよいだけのことです。
今日の事例検討会では、保護者の生の声を聞きくことができました。
保護者がお子さんの生育歴情報を詳細に報告してくださり、
その内容について参加者がグループで、感想や意見を交流しました。
0~3歳、4~7歳と時期を分けての発表と、グループ交流を
何度か織り交ぜました。
生育歴情報は、支援者の発表を聞くのと、
保護者の直接の発表を聞くのとでは、
これほど違う印象があるのかと思いました。
就学指導についての保護者の気持ちは、
胸に強く残りました。
学校関係者の一人として、
今後のあり方を強く反省させられたのでした。
グループの話し合いのルールは、
・知り得た情報を漏らさない守秘義務
・自分の意見も他人の意見も大切にする自他尊重
でした。
キーワードは、
・出会い
・傾聴
・交流
・気づき
でした。
内容も進め方も、とても勉強になりました。
障害にしても、不登校にしても、
本人、保護者の心情にどれだけ寄り添えるかなのでしょう。
専門的な知識や技術はもちろん欠かせないのですが、
支援者側の自己満足、自己顕示欲を満足させるためではない、
と常に自戒していたいのです。
当人の心情、立場に立てば、知識がなくても、
自ずから解答が出てくるのでは、と思うこともしばしば。
なんちゃって他者視点でもなく、
作り上げたストーリーにその子を当てはめるのでもなく、
単なる同情、迎合でもなく、
無根拠な予後推定でもなく、
その子や周囲のオリジナリティーを正確に、深く、まっすぐにとらえること。
自分の家族だったら、自分がその立場だったら、
と「感じ取る」ことを大切にしたいと思います。
「見る」のではなく、「観る」こと。
「想像する」のでなく「感じ取る」こと。
「指導方法」の前に「アセスメント」であること。
専門家である前に、地域の仲間であること。
「LD・ADHDの心理的疑似体験」
知識の前に、ここがベースになければならない。
私がさせて頂いている研修も、
見直してみたいと思います。
子どもの歯の治療、フッ素の塗布に付き添いました。
歯医者さんでは泣くことが多かったのに、
今回は泣きませんでした。
子どもの歯科治療について、地域の評判が良い、
某歯医者さんの接し方がすばらしかったからでしょう。
従来、泣く子を無理矢理診察台に載せ、
泣いても「大丈夫だよ」という励ましで、
何とかがんばらせていましたが、今回は違いました。
1
診察台に座るところから、スモールステップの行動目標としている。
→「ここにすわってみようか」と促す。
しぶる子どもには、あくまでもやさしい促しだけで、
物理的に引っ張ったりはしない。
しぶるので、私も一緒に座って良いか尋ねると、
「一緒に座っていいですよ」と柔軟な対応。
その後も、子どものスモールステップの行動目標を設定していることが、
雰囲気からよくわかりました。
2
診察台にDVDが置いてあり、好きなDVDを選んで、
見ながら治療が受けられる。
→緊張緩和に一定の効果。
3
使う器具一つ一つを見せて説明し、子どもが納得してから治療する。
→次に何をするのかを視覚的に提示することで、
不安感を解消しようとする試みですね。
子どもが拒否しているときは、絶対に無理をしない、強制しない姿勢でした。
4
治療を嫌がった時は、その理由を検索し、柔軟な対応をしている。
→治療の途中でも、
「疲れた? じゃあ少し休もうか」と言って背もたれをあげる。
ことばの教室でも、練習中に子どもが多動になったり、嫌になってきたときは、
「疲れた?」と必ず聞き、小休憩を入れるようにしていますが、
同じ対応が歯科で見ることができるとは驚きでした。
保険点数に直接影響するでしょうに、
時間に余裕がないと、なかなかできないことでしょう。
5
保護者の対応に柔軟に合わせる歯科衛生士
→ 最後の仕上げでどうしても拒否した子ども。
万策尽きて、親にしか出せない強化刺激のカードを切って欲しいという雰囲気を感じた私は、
「最後までがんばったら、○○のお祭りに連れて行ってあげる」
と言ってみました、
これは効果がありましたが、歯科衛生士は
その強化刺激の提示に歩調を合わせてくれました。
ただ、「お口を開けて」の指示にわずかに口を開けた反応に対して
すかさずほめることで、強化されたはずなのに、というシーンがありました。
また、「治療拒否」なのか「意思表示への抵抗」なのかの鑑別が、
歯科衛生士さんは見抜けない場面もありました。
しかし、それはその子にずっとつきあっている私だからわかることで、
初対面の方にはわかるはずもありません。
それどころか、初めの問診の段階で、
これまでの別の歯医者さんでの子どもの反応を細かく尋ね、
経過をアセスメントする姿勢はすばらしいものでした。
全体としては、
小児歯科治療の専門家である歯科医師、衛生士と、
その子の専門家である私の良いコラボレーションができました。
スペシャリストと、ジェネラリストの協調ですね。
字義通りの意味
「おなかいたい」
言外の意味
「私のそばにいて。離れないで」
「本当は今は痛くないけど、ときどき痛くなるのをわかってほしい」
「本当は幼稚園(学校)に行きたいのに」
「本当は遊びたかったのに」
「本当はご飯が食べたかったのに」
「いつ治るのか、痛いのが終わるのか不安」
「おなかいたい」を大声で泣かれて言われ続け、
療育者側も精神的な負担に。
自分を責める気持ち、人を責める気持ちを抑えて、
子どもために何が必要か、常に粛々と前向きに考える。
「いたいねえ」「必ず治るからね」と声をかけながら、
お腹をやさしくなで続けてあげると、
不思議と訴えなくなり、
いつのまに眠りに落ちているのでした。
文部科学省の「通級による指導実施状況調査」の結果が出たようです。http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/04/attach/1260962.htm
人数は伸びる一方ですね。
・学習障害と肢体不自由は、他の障害と異なり、
他校通級よりも自校通級の方が割合が高い。
→上野一彦先生も言っているように、「自校通級でなければ発展しない」ということでしょうね。
特にLDは。
通常学級で今日はどんな様子だったかという情報がないと、
通級の指導も十分な効果が発揮できないし、
何よりも言語指導で標準的とされる週1~3時間の指導時間では、
LDの場合はとても足りないというのが実際です。
LDの内容にもよるかもしれませんが。
・巡回指導の割合が3%と、低水準のまま推移していますね
→通級が制度化されたときの旧文部省通知では、
巡回による指導について
「当該教員の身分取扱いを明確にすること」と
書かれています。
http://www.ne.jp/asahi/tokyo/ld/ld_1992/278.html
また、巡回指導の行き帰りの時間のロス、
事故補償、そして何よりも教員配置など
様々な困難な課題があることが、
巡回指導の伸びを妨げている要因でしょう。
「子どもが動くのでなく、先生が動く」
と親の会でも主張されているわけですが、
道は険しいですね。
日本LD学会でもその可能性と限界が述べられていました。
言語障害通級指導を担当する先生のための特別な免許は
現在「自立活動教諭(言語障害教育)」というのがあります。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/nintei/08041507/002.htm
しかしこの資格を取得しても、担当できるのは「自立活動」だけ、
つまり通級指導の時間だけで、
学級担任をしたり、教科を担当することはできないでしょう。
つまり正職員には事実上なれない資格です。
しかも試験の実施箇所は1カ所のみで、
試験も難しく、毎年実施しているわけでもありません。
通常学級の担任などをやっていた人が、急に通級を担当することになったとしても、
研修がきちんと、かつ手軽に受けられるシステムにはマッチしません。
地方によっては、内地留学などの研修を受けた人でなければ
通級を担当できないようになっていますが、少数派でしょう。
北海道では、財政難のため、1年の派遣による研修の機会も
なくなってしまいました。
公ができないなら、民からやっていく、
「LD教育士(現在の特別支援教育士)」もそうしたスタンスから
始まったのだと思います。
ことばの教室を担当する先生の研修保障のために、
民間資格を作ってみるのもいいのではないでしょうか。
言語聴覚士が名称独占の国家資格になる前は、
各民間団体が独自の資格を作っていました。
http://digitalword.seesaa.net/article/44575318.html
しかし、学校教育、特別支援教育ということにもっと重点を置いた、
教員のための独自の民間資格は、今のところ存在しないでしょう。
初めてことばの教室を担当した先生への支援の工夫が
各地で行われはじめています。
ただそれらの努力は始まったばかりですし、、
教える側のベテランの先生方の負担が増えているのも現実です。
それらの努力を束ね、より効率的な仕組みが作れないものかと考えます。
人も予算もかかることですので、かなりの時間、困難を伴いますが、
将来の夢の一つとして思い描くのもいいのでは。
ネットも普及していますし、活用方法はないものかと。
特別支援教育士のテキストでも、
音声学の基本的な部分にわずかに触れた場所はありますが、
構音指導が実施できるには、遠く及びません。
確かに資格が全てではないし、資格が一人歩きするのは危険です。
ただ、ある程度努力することで、研修の一区切りとしての達成感を味わい、
次のやる気につなげるというのは、担当する先生にとっても
有意義ではないかと思うのです。
タイトルはあくまでも仮の名称ですが、
以下を試験問題にするのも一つかもしれません。
クイズ$アネオリミ 構音編 ver.0.5
・ことばの教室担当教諭採用試験!?クイズアネオリミ バージョン2.4