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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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新著紹介『感覚統合を生かしてたのしく学習』

『感覚統合を生かしてたのしく学習』
-読む力・書く力を育てる
佐藤 和美 著、2010、かもがわ出版


紹介ページ
http://www.kamogawa.co.jp/moku/syoseki/0323/0323.html

できたてほやほやの本です。

前著『たのしくあそんで感覚統合』でもそうでしたが、
これほどまでのアイデアをよく思いつくなあ、と感銘を受けました。
身近なものでの手作りがすばらしく、
しかも一つ一つにしっかりした理論的裏付けがある、
すばらしい著書と思いました。

一ページ一ページ、なるほど、こんなやり方もあったのかと
目から鱗です。

教材紹介の本というのは、概して、子どもの実態を無視して
その通りやってしまう危険性があると常々思っていますが、
この本には、子ども一人一人の実態に合わせて、
という表現が随所に盛り込まれており、
著者の意図が読み手によく伝わってくる、と感じました。

また、「学力の木」は、新人や保護者への説明にも使えるわかりやすい図と思いました。
日々、読み書きの土台となる能力ということをどのように伝えたらよいか
考えていた中でした。

早速、仲間や研修で是非紹介させて頂きたいと思いました。

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K-ABCの解釈 3



粗点0があるときの場合の解釈は厳格に。

1)継次、同時、習得度において、粗点0点の下位検査が2つ以上あるときは、
その尺度の標準得点を算出しない。

2)認知処理過程尺度で、0点が三つ以上あるときは、認知処理過程尺度の
標準得点を算出しない。

3)粗点0点が評価点5点以上もしくは、標準得点71点以上に換算される
下位検査は、その成績を解釈しない。

→WISCもそうですが、粗点が0点の下位検査は、
「現時点では子どものレベルは特定不能である」と
解釈するのがもっとも適切でしょう。

せっかく検査したのだから、と思いたくなりますが、
測れなかった事は、測れなかったと、誠実に受けとめる態度が
必要ですね。これは検査に限らず何についても。

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K-ABCの解釈 2



継次処理の下位検査であっても、
子どもが自分の得意とする同時処理的な方略を用いて
成功することにより、継次処理の下位検査の成績が高くなり、
継次-同時の得点差が小さくなることもある。
よく観察すること。

→継次処理の検査でも、同時処理のやり方で課題を解いていると
思われる子どもが確かにいます。逆もしかり。

数値だけでなく、検査時の行動観察がいかに重要であるか、
ということだと思います。


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K-ABCの解釈 1

WISCの結果の解釈の誤りに気をつける記事を既に書きましたので、
今回から、K-ABCの解釈について、留意点を書いてみます。

なおこの記事は、K-ABCの中級講習会、特別支援教育士養成セミナーの
各資料、そしてこれまでの経験をもとにまとめています。


「継次処理尺度」と「同時処理尺度」の標準得点との間に有意差がある時は、
「認知処理過程尺度」は重要視しない。

→「認知処理過程尺度」の標準得点は、
子どもの知能(認知処理能力)の水準を表します。
しかし、同時処理と継次処理との間に有意差があるときは、
「認知処理過程尺度」としての意味は弱いということです。

これは、WISCで「言語性IQと動作性IQとの間に有意差があるときは、
全IQの解釈は慎重に行う」ということと同じ主旨でしょうね。

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今年もよろしくお願いします

あけましておめでとうございます。
昨年も当ブログにご訪問、ご参加頂き、ありがとうございました。
今年は、何か新しいこともやってみたいなと思っています。
ますますのご支援を頂ければ幸いです。

皆様も健康に留意されて、ますますご活躍頂ければと思います。
すべての方に、希望の光が届きますように。

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教材 ポケモン紙ずもう 10年もの



初回相談時にもよく使ってきた、ポケモンの紙ずもう。
もう10年も現役です。

本当は他に色々部品もあったのですが、
これだけが残っています。

最近、雑誌の附録は、一人で遊ぶものが増えて、
こうした複数の人数で遊べるものが減っているような気が
しないでもないです。

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ソーシャル・スキル・すごろく



何年も前に小学館の『小学1年生』の附録についていたすごろくを
ソーシャルスキルの課題を入れた物に改変したところ、
未だに現役で使えています。

キャラがかわいいのと、チップがもらえる、捨てる、
サイコロの目次第でチップ数が変わるなどおもしろいネタが
入っているので、長生きできているのだと思います。

それぞれのマスには、「日直で、みんなが静かにしてくれない時
どうする?」などの、通常学級でありがちなトラブルを題材にしています。

この課題に答えたからと言って、すぐにソーシャルスキルが
身につくわけではありません。

ただ、その回答の仕方から、日常の生活の一面が
見えてくることもあります。

また、グループ指導で使えば、日常生活のトラブル時に
どのようなスキルがあるのかを知り合うきっかけにはなるのでは。

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間違いだらけのWISC解釈 4

WISCの「算数」は、必ずしも学校の「算数」の勉強と同一視はできません。
WISCの「算数」は、問題をことばで教示することが多く、
単純に数的な能力と一緒にはできないからです。
K-ABCの「算数」は、WISCに比べると視覚的な教示が多いので、
両者を比較することで、明らかになることもあるかもしれません。

「算数」の問題も、子どもの反応がとても大事だと思います。
具体的には書くことは避けますが。

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間違いだらけのWISC解釈 3

今年の就学指導委員会では、例年にない数のWISCの検査依頼が
舞い込んできています。
発達検査についての認知度が上がってきたことは前進とは思います。
検査は標準化されたものでなければ、本当に測ったことにはならないし、
検査の実施もきちんとマニュアルを読んで熟練していなければならない
ということの認識があがってきているのだと思います。

ただ、数値が一人歩きしたり、明らかに誤った解釈をしたり、されたりという
懸念もなきにしもあらず、です。

今回検査を続けてみて、実感していることは、
「言語性-動作性の有意差を額面通りに受けとめて良い事例は本当に少ない」
ということです。

数値的には5%水準で有意差があっても、解釈上、制限に引っかかる例が
本当に多いのです。
全IQに至っては、そのまま受けとめて良い例はほとんどありません。

「動作性優位だから、目から見せた方がわかりやすい」
「言語性優位だから、ことばで聞かせた方がわかりやすい」

などと言いますが、実際の指導では、そうでもないぞということが多いです。
少し考えればわかるように、人間の認知特性が2つのうちのどちらかである、
などとらえること自体が、どうなのということ。
もちろん、典型例はありますが、人間の認知処理は、もっと複雑だし、
もっとデリケートだし、もっと深い、ということだと思います。

群指数も、下位検査間に一定のばらつきがあれば、額面どおりではありません。

そして一番大事なのは、検査時の子どもの反応であり、周辺情報との関連ですね。

ただ、だからWISCは信用できないからやらない、というのではなく、
一定の条件がクリアされ、必要ならやった方が良いということです。
モノ自体の問題ではなく、使い方の問題。
上手に、正確に使えば、役に立つことが少なくありません。

WISCの講習会が近隣でも開かれるようになりましたが、
ニーズに比較して、まだまだ機会も時間も不足しているのが現状。
何か研修をやってみようかなあ。

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教材 ポーの紙ずもう



上の写真は、映画館でもらったポーの紙ずもうです。
簡単にでき、作ったあと遊べるのがいいです。

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もう6、7年ぐらい前でしょうか、
小学館の雑誌の附録でポケモン紙ずもうが付いたことがありました。
うちの教室では、今でも現役です。
ポケモンというだけでも長持ちしますが、紙ずもうも結構ロングセラーです。


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教材 虹色の蛇



虹色のへび
http://item.rakuten.co.jp/woodwarlock/638605

同じ色をつないで、頭と尾をつなげたらゲット。

視知覚、構成能力、ルール(かわりばんこ、勝敗の納得など)

3歳ぐらいからできるようです。
はまる子は結構はまります。
たのしいですよ。

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年末の通級にカレンダー工作はいかが




EPSON Webプリワールド 

エプソンのプリンタがないと印刷できませんが、
年末に来年のカレンダーのペーパークラフトはいかがでしょうか。
目と手の協調運動が苦手な子に、
少しでも製作の喜びを味わって欲しいという目的で、
できあがったら使える、親子ともに喜べる物をと。

実際好評でした。
家に飾ってもらえれば、見るたびに達成感を味わえるし、
通級日にしるしでも書いてもらえれば、カレンダー指導にもなりますね。

トラの頭としっぽがゆらゆらします。
月ごとにカードを入れ替えられ、一年間使用できます。

展開図は直線が多いので、
比較的、はさみを入れやすいです。

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自作教材ダウンロード「会話すごろく」

DSCF0672.JPG









「すきなたべものは?」などの質問に答えながら進むすごろくです。

さあ、サンタのプレゼントを最初にもらえるのはだれかな?

○ ルール
1)サンタがスタート、プレゼントがゴール。
2)サイコロを振って、出た目の数だけ進む。数値が書いてあるところは数字分だけ進める。マイナスの数字は、数字分うしろに戻る。
3)止まったマスの質問に答える。
4)星にとまったら、星カードゲットでも良いし、誰かに質問ができる、としても良い。子どもの実態に合わせて。
5)ゴールは、出た目ぴったりでもよいし、ぴったりでなくても到着でゴールとしても良い。子どもの実態や時間の都合で。
6)「□のつくことば」にとまったら、ひらがなサイコロを振り、出たひらがなのつくことばを指定された数だけ言う。語頭に制限しても良いし、単語のどこについても良い、としても良い。ハイレベルでは「食べ物」等に制限しても良い。単語が思いつかないときはヒントを示す。ひらがなサイコロがない場合は、50文字ひらがな表にコインを落として、止まった文字としても良い。
○ねらい
1)好きな遊び、得意なこと、などの質問に答える過程で、自分自身をとらえる力を育てる。
2)「休み時間にしていること」などの質問への回答を聞くことで、子どもの最近の実態把握に役立てる。
3)会話がなかなか弾まないが、すごろくにすることで、話題のきっかけとしたり、子どもが自己開示しやすくするようにする。
4)サイコロの出た目と数唱、手の動きとの一致があと一歩など、数の操作の練習に。
5)「□のつくことば」によって、語彙力や音韻分析能力の一端を評価する。(
6)小グループ指導の場合は、子どもがお互いのことを知るきっかけになる。また知ることが人間関係にとって大切というソーシャルスキル指導の一つとして。
 
○適用年齢
 低学年でも文字が読める場合ならできると思いますが、読字ができない場合は支援者が読んであげても構わない。
 
○時間
 おおむね、10分~15分
 
○非適用例
1)自己開示の信頼関係が不十分な場合。
2)サイコロと数唱、手の動きとがきわめて一致しにくい場合。
3)すごろくがおもしろくない場合


○留意事項
1)回答は強制しない。ヒントで手助けしても良い。答えられないときは、支援者のことを話してあげて、例示としても良い。子どもによって指導のねらいが違うはずで、ねらい以外のことはあまりうるさく言わない。

81d1d496.jpeg










エクセルです。
ダウンロード(xls)

ご自由に改変してください。改変したら私にもください!


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手弁当で自主研修会を開催

地域のことばの教室の先生方の中で、希望する方を対象に、手弁当でケース会議を開くことにしました。以下、開催要項です。

*********************************

自主研修会 Part2 のご案内

 7月27日(月)と、30日(木)の2日に開いた「自主サークル研」は好評で、「また開いて欲しい」という要望を頂いています。
 また、先日の研修会では、
「これができないからできるようにしようでなく、子どもの困り感に合わせた指導が大切」
「指導は遊び、遊びは指導」
「ソーシャルスキルトレーニングの前に、愛着形成、甘えの発達は」
などと、経験豊富で専門性の高い先生方から、私たちにアドバイスを頂きました。

 「指導方法の前に、子ども理解を」
 「○○障害の指導ではなく、その子の指導」

 この本質を見直すことが喫緊の課題と感じているのと同時に、子どもを様々な情報から多面的に評価し、手作りの指導につなげている実践も拝見することができて元気を頂いています。

  自主研修会第2弾を開催します。お互いに元気になりましょう。

2009.12.8 ya
 

1 対象 アセスメントと指導(主に通級指導)のスキルアップをめざす方(経験年数は問いませんが新しい方歓迎)
 

2 日時 冬季休業日の始まりか、終わり頃(アンケートを集約して決定)
     10:00~15:00 ぐらい
 

3 場所 yaの勤務校の会議室
 

4 内容【案】 ケースレポート検討
  

5 会費 無料
 

6 定員 5名 (定員を超える時は、2回に分けるなども考えます)
 

7 用意する物   
 A4サイズの簡単なケースレポート1枚×6部
 
※レポートには「主訴(当初と現在)、現在の様子(通級時情報、学級担任情報、家庭情報等)、家族構成、生育歴、療育歴教育歴、各検査結果、話し合って欲しいこと」を含めることを推奨。
構音指導の場合は録音があるとなお良いです。

地域宿泊研レポートと同じものでも可ですが、上記の観点で抜けている部分があれば補ってください。事例以外のレポートは不可です。なおレポートは、保護者の同意を得てください)
飲食物(昼食、お茶菓子も含め、各自ご用意ください)
謝礼などのお気遣いは、一切必要ありません。


8 申し込み方法  別紙に記入し、12月18日(金)16:00までにFAX送信ください。

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おとなの発達障害 5

・女性は、更年期、生理前や産後に女性ホルモンの一種エストロゲンの急激な減少に伴ってセロトニンが減少する。その結果、気分が不安定、実行機能と報酬系の回転が悪くなる。
ADHD症状が七歳前から顕著でなくても、思春期以降女性ホルモンのバランスの悪化からADHD症状が出現したり、重度化したりすることもある。

(感想)→女性のADHDの理解と対応のために、こうした知識も必要ですね。特に幼少期から発達のつまずきがある場合、思春期以降に困ったことが生じるかもしれない、そのためにも幼少期からの生育歴をしっかりおさえ、引き継ぐことが重要と思います。


・「自分の言葉が他人を不機嫌にしているのがなぜか、自分でわからない」なら、そう感じたときの実際のやりとりを記録して持ってきてもらう。「こういう言い方は失礼にあたります」などとアドバイスする。

(感想)→直球で教えてあげた方がうまくいくことも確かにありますが、プライドが高い相手だと難しいこともあるでしょうね。ただ、遠回しに言ったり、比喩で言っても誤解されることが多いので、直球が基本かもしれません。ただ言う人と言われる人の信頼関係が大事なのは、障害の有無にかかわらず重要なのではと思います。
また、会話の断片のメモだけではわからないこともあるので、日常の人間関係もアセスメントが必要なのだと思います。
そして、会話がうまくいかないなどと大ざっぱなとらえ方でなく、実際の会話の内容を細かく丁寧にときほぐすということは、とても重要だと思います。

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おとなの発達障害 4

・アスペルガー症候群では、言語的で明示的な「心の理論」は通過するけれども、15ヶ月の幼児が通過するような、他者の信念に基づいた自発的な行動予測が全く行われない。
 

→(感想)「心の理論」を未だに自閉症か否かの判断材料に使っている向きがありますが、あれは言語で説明し、明示的ですから、解ける子は解けてしまいます。でも、本当の困り感は日常にごくありふれている、他者の行動の非明示的な意図の読み取りであって、誤解したり、被害者のように感じてしまうところにあります。
 「読み取り」というより、他者の行動の経緯や背景の情報、経験などを併行的、総合的に動員してそこから推理するという過程が難しいのだと思います。
だから、その方にとって明示的な説明が必要ですが、逆説的な関わりや、行動のムラの多さに現れたりする二次的な困難がある場合、メンタル面をいかに支えるかも課題と思います。周囲の人も含めて。



・発達の凹凸があると、精神的変調が難治となる理由は、
(1)社会的ストレスへの脆弱性→できて当たり前のことができない、できている(わかっている)ふりをしなければならない、聞くと怒られるから聞くに聞けない、など、「ふつう」を常に演じ続けなければならないこと。

(2)心的外傷記憶の現在への侵入

→(感想)障害の有無にかかわらず、こうした状況に陥ることは、多くの人が体験することでしょうけれども、それがとても多くてつらい方がいらっしゃるのも事実と感じています。ありのままのあなたと私でOK、という世の中をどう作っていくか。やっぱり教育、療育ですね。

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ソーシャル・スキル・トレーニングの前に、愛着形成はどうなの?

最近の研修会、事例検討会でのメモの抜粋です。
 



(コミュニケーション編)

・ソーシャル・スキル・トレーニングの前に、愛着形成はどうなの? 
「いやだ」と言えるようにする前に、人に甘えることができているの?  

→(感想)とかくマニュアルに偏りがちですが、子どもの発達を生育歴からトータルに見ることの大切さを想います。



・構音指導には、4~5歳の発達レベルが必要。復唱でワードパーシャル(「りんご」の復唱で「ご」など、語の一部)が出るのは、構音訓練の前の段階。聞き分けが文レベルででき、口腔内の協調運動、構音動作、学習姿勢・指導の意図がわかる、の全てがそろう必要がある。

→「すぐに治してあげなければ」と焦る気持ちはよくわかりますね。復唱がだいたいできる段階で、構音指導開始ですね。



・コミュニケーションは、「共感」と「スキル(意味を伝える)」の両方が合致するもの。

→(感想)共感だけでもなく、スキルだけでもなく、というか、両者は一体のものなのでしょうね。



・「表現、理解」の考察を。「ことば」が、人と関わる手段になっているか。

→(感想)「ことば」は単なる音声言語ではないということ。



・「指差し」に要求、叙述的機能があるか

→(感想)単に指差しているだけか、人の関心を引こうとしているかなど、指差しにも、本当に深い意味があると思います。



(咀嚼・嚥下編)

・咀嚼・嚥下も「認知、運動、機能」の3つを見ることが大事

→(感想)子どもを多視点で、トータルに見るというのは、教育も医療も同じ。発達障害についての指導でも「認知」は重要ですが、咀嚼・嚥下でもやはり重要ですね。



・口蓋に食べ物がくっつく場合は、高口蓋の可能性も疑う

→(感想)口腔内視診で高口蓋の確認は、ことばの教室でも大事ですが、つい検討項目から見落としがちです。


・コップの水を飲むとき、上口唇を伸ばす動きがあるかどうかは大事だが、それに注目しすぎると、余計な力を入れることになるので、訓練から省く。

→(感想)構音指導も嚥下指導も、余計な力を入れないようにする、という点では全く同じですね。全身の状態も評価する点でも同じ。



・舌顎分離運動ができて、哺乳食中期。

→(感想)これも構音指導の際に必要な視点。



・スプーンを口に入れると噛む子に、無理矢理引っ張るのは逆効果。自分で力を緩めたタイミングでスプーンを抜く。

→(感想)緊張と弛緩についても、感覚統合、作業療法の視点も必要ですね。拮抗する力を加えると、緊張が高まるのは当然。構音指導でも、舌のなで方一つで、緊張・弛緩の反応が違ってきます。
 

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きょうだいの支援について

ご質問頂きましたが、質問内容は非公開ということで承りました。
でも、回答も非公開にすると、お相手も読めないので、
こちらに回答させて頂きます。

一般に、きょうだいはいろいろと我慢していることが多く、
比べられることへのつらさもありますね。

また、該当の子への支援が中心になり、きょうだいへの目配りがどうしても少なくなってしまいますから、きょうだいを含めた行事への参加とか、きょうだいも親に愛されているということが伝わるような接し方もあるようですね。

下の子が上の子を超えても、親が上の子の長所をとらえて、長所を大切に接することで、きょうだいも接し方をまねていくのでは、と思いました。点数じゃないよ、というように。

あとは、ご家族の状況を直接拝見しないことには何とも言えません。
家族関係はシステムで、全体をとらえていく必要がありますので。

ほか、きょうだいに関する論文、文献、親の会の取り組みもあるようですので、検索してみてください。

ことばの教室では、きょうだい間の評価と関係調整を図るために、いっしょに通級し、指導に参加して頂く場合があります。楽しい遊びを共有するだけで、きょうだいの表情が週毎に明るくなり、親御さんの肩も少し軽くなったかな、という場合があります。

それと、ご本人のある情報については、是非病院の先生にお話しされると良いのではと思いました。
そのことが本人の自信の低下につながるおそれもありますので。
もちろん、プロであれば、限られた情報から色々推測することが必要ですが、より正確にとらえ、正確な手立てを考えるためには、情報が大切です。

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かけざん九九のフリーソフト

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2年生はかけ算九九の学習に入っています。
ここでつまずきを経験するお子さんは少なくないと思います。
呪文のように唱えて覚えるのは、お子さんによってはとても難しいでしょうね。

単純に唱えるだけでも、聴覚的な認知処理過程に困難があれば、その唱え言葉を聞いたり、覚えたり、復唱したりすることが難しいですし、文字と音がうまく結びつけるのが難しい子は、唱えたことばと数字との対応の困難さに現れたりします。

私の方から学級担任の先生に「こういう指導をしてください」なんて言えませんが、お子さんの特性をお話ししただけで、その特性を活かして工夫して下さった担任の先生もいらして、「すごいなあ。よく思いつくなあ」と驚き、感謝と尊敬の念を持つのです。


週の限られた時間の通級では、教科の指導を直接入れ込むのは難しいですが、少しでも楽しさと自信を感じてもらうために、かけ算九九のフリーソフトを使うことがあります。

以前にもご紹介しましたが、こちらにあります。

    福島県養護教育センターソフトウェアライブラリ


九九をある程度、ある段だけでも覚えかけた子に、覚えた段を。

全く覚えていない子には、まだ適用にはならないでしょうね。

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日本LD学会発表論文集を見てみる 2  ディスレキシア


・ディスレキシア理解に必要な初心者向け基本用語。
「デコーディング、サイトワード、音韻認識、RAN、音素、音韻、その他」
 

→(感想)「読めない」の背景には本当に様々な能力が関与していると感じます。
脳の一部だけで読んでいるのでなく、脳の各部位のネットワークがあって、初めて「読める」ので。
人類の長い歴史の中で、文字の読み書きを始めたのは、ごくごく最近のわずかな期間のことで、人類の脳の進化がそれに追いつかないのは当然のことです。
読めることの方が、人類の脳にとっては奇跡かもしれません。
だからこそ、これらの認知心理学的な基礎概念を指導者が理解することはもちろん、単に読ませるのでなく、様々な背景を丁寧に、かつ科学的に見取った上で、子どもにとってもっとも負担が少なく、かつ最も効果的な指導をいつも考えなければならないと思います。

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日本LD学会発表論文集を見てみる 1 音声知覚発達研究


・近年の乳児の音声知覚発達研究から、無意味単位である音韻性特徴と、有意味単位である語構造の音声特徴の知覚能力は、必ずしも連続的でなく、同時並列的に発達している可能性。
乳児は認知発達レベルや環境との相互作用文脈に応じて、大人の話しことばの様々な物理的特徴に注目し、関連性を抽出している。
 

→(感想)考えて見れば当たり前のことでしょうね。
たとえば「オカーサン」という線上の音の羅列が、他の音の中から繰り返し聞かれている、他の音と区別するなど知覚する、そして五感から入る情報も同様に情報を抽出、整理、連合していく。そして音とほかの感覚情報との結びつきを探索するようすが、赤ちゃんを見ているとわかります。特に目の動きを見ていると。話しかけると、口元をジーッと見つめるし、聞こえる音、見える物、肌や身体感覚で感じるものなどを一生懸命とらえて意味を探索しようとしているのを感じます。
様々な情報の毎日の繰り返しの中から、似たような情報を抽出、整理して、やがて、意味のつながりを獲得していく様子がわかります。話しことばはまだなくても、まだ大ざっぱなとらえだけど、この情報の抽出、連合などの力が、「ことば」になっていくのだと感じます。

だから、「ことば」は、単に絵カードを見せて訓練すれば良いという単純なものではないのですね。
もちろん、絵カードが適用になる状態像も多々ありますが。
 

最近、構造主義の有名な方が亡くなったようですが、構造主義、要素主義の哲学を学んでいくと、言語発達学につながっていくのですね。大学時代に習った、ソシュールとか、レヴィ・ストロースとかが、今の仕事に役立つとは思ってもみませんでした。だいぶ忘れましたが。

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目と手の協応 運筆、線とつながりなどの視知覚に 「アミダくじ」



臨床実習生が考えた教材。
フロスティッグ視知覚教材もいいですが、
手作りで、好きなキャラクターも使えるといいですね。

ルールになれるのに少し時間がかかるかもしれませんが、
ゲームだと子どものノリが違いますね。

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鉛筆を持つための簡単な補助具



もちかたくん」とか、外国の太い鉛筆などありますが、
クリップをはさむだけで、持ちやすくなる場合があります。
あくまでも、「場合があります」

写真は迷路をなぞって運筆の練習です。

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かるた用自作教材



「構音の指導研修DVD」で縁のある方が送ってくださいました。
吸盤がたくさんついています。
たぶん、はえたたきを加工して作ったのだと思います。

あと何本か自分で作れば、かるたなどに使えますね。
物を操作する能力を育てる目的にもいいかもしれません。

送ってくださってありがとうございます!

実は市販品にも似たような道具を使ったゲームがあります。

みつけてピカチュウ しっぽでバンバン
http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d97790722

27種類のピカチュウのカードの中から、
ぴったりの絵を早く取るゲームです。
形を見分ける力なども関与します。

もう売っていないのでしょうかね。
けっこう人気のゲームなのですが。

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おとなの発達障害 3

よこはま発達クリニックの内山登紀夫先生が、
『そだちの科学』NO.13 「おとなの発達障害」の
「成人期の自閉症スペクトラム」で書かれている主旨の一部について
感想を交えて載せてみます。


・発達歴を系統的に聴取することなしに、クライエントの状態だけで
診断を下すのは、端的に言って間違い。

→(感想)
特に成人の臨床の場合、発達障害という観点や、
過去の発達歴を聴取するということがまだまだ
遅れているようですね。
子どもの教育分野でも、診断を下すためでなくても、
子どもをトータルに理解し、支援に結ぶためには、
過去からの育ちを情報収集する必要があります。


・自閉症スペクトラム障害の基本障害は認知障害。
まずは認知特性から支援を考えることが重要。

→(感想)
物事のとらえ方が変わることは、行動も変わるために重要ですね。
行動面だけ見るのではなく、当事者が物事をどう感じているか、
とらえているかを各情報を根拠に想像することは、とても大事だと思います。
LDの心理的疑似体験が言うところの「内側からの理解」にもつながります。

他人の心などわかるはずがないという議論がありますが、
どうとらえているか科学的に想像することで、行動の説明ができたり、
実際に行動の変容につながるならば、その想像は妥当だったと言えます。


・認知の偏りから生じる不利益を最小限にするための工夫が必要
苦手な部分を正常に近づけるためではない。

→(感想)
認知の偏りが及ぼす影響は日常生活の多くの場面なので、
本人も支援者も疲労してしまいますが、
できないことをできるようにトレーニングするということに特化すると、
ますます疲れてしまいますね。
「折り合いをつける」
「良い意味でのあきらめ」
この視点が救いになります。


・統合失調型のパーソナリティー障害と、自閉症スペクトラム障害の特性の両方が見られた場合で、発達期にも三つ組み障害が明らかな場合は、自閉症スペクトラム障害の特性を考慮した支援方略を採用する。
受け身的で非指示的なカウンセリングはうまくいくことが少ない、混乱を招くことが多い。

→(感想)
性格の偏りと、発達障害との関係について最近よく耳にしますが、基本は発達障害の特性への支援なのですね。実感レベルで納得できます。

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