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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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通級担当教員の経験年数

「ことばのことは、ことばの教室の先生が詳しい」
「特別支援学級の先生にはわからない」
などと言われますが、現状はそうでもありません。

経験年数が全てではありませんが、
以下の数値が現状を示しています。

通級指導教室の担当教員の経験年数:3年未満が65%
(国立特別支援教育総合研究所 笹森・廣瀬(2009))

JDDネットでは、通級担当教員の専門性の向上を求めています。

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幼稚園の特別支援教育と就学

 
 

ある幼稚園の授業を見学しました。
体育指導員を迎えてのスポーツの活動でした。

なわとび→柔軟体操→跳び箱→マット運動→ケンケンパ
といったメニューを一時間でこなします。

若い、体格の良い先生の指示は、端的で短く、テンポが良かったです。
一人一人の子ども達の活躍の評価も上手。
もちろん、体育の専門性もバッチリ。
こうやって指導すればいいのか、と関心しながら見ていました。

指導の良さもあり、子ども達は集中し、集団行動はとてもテキパキしていて驚きました。
年長さんも今ぐらいの時期になると、これだけ集団行動がとれるのかと思いました。

一方で、活動になかなか参加できないお子さんもいました。
みんなの拍手の音に耳をふさぎ、耐えきれず離席しようとしていました。
補助の先生は、そのことを認識しながらも、元の位置に子どもを
戻そうとしていました。
みんなと一緒にどこまで参加できるようにしたらよいか、
試行錯誤の様子も感じました。

この時間は、一クラス30名の園児に、学級担任を含め、
3人の先生が配置されていました。
「特別支援補助」の先生は、園内からフル動員。
おそらく実技を伴う活動のためでしょう。
そのうち、支援の必要な子は数名。
一人一人、支援のニーズは違うように感じました。

全体として感じることは、やはり幼稚園では、
子どもの育ちのペースに合わせるという雰囲気が、学校よりも強いこと。

それこそ、年少さんでは親と離れてワンワン泣いたり、
食事や排せつ、着替えなどの日常生活動作の自立がまだまだだったり。
そうした姿を見ていると、自然にも、発達の違いを理解できる
環境にあるように思います。


一方、某幼児療育施設の見学。
ここではプールで水浴びでした。
しかし、ある子は水を怖がって、プールに入るのを拒否。
先生方は、色々な手を使って、プールに入れるための方法を。
しかし万策尽きて、服を着せることになりました。

そのときの先生の声かけ。
「○○くん、こわかったんだね。泣きたかったんだね。
もう大丈夫だよ」
子どもの心を内側から感じ取ってかけたことばでした。
そして、怖くなった背景を保護者に聴き取り、
過去からの経緯を含めて理解されようとしていました。

結局、その子だけ個別のメニューになりましたが、
活き活きと楽しみました。


みんなと一緒に参加できることは、とても大切なことです。
活動制限をまわりの環境ができるだけ減らし、みんなと参加できること。

そして、必要な分量と内容の個別の指導の機会も用意されるということ。

個のニーズに合わせるということは、
様々な選択肢が保障されるということなのだと思います。

その子にとってどうなのか、その子はどう感じているのかを、
「推測」ではなく、「感じ取る」こと。

その子との呼吸の中に、試行錯誤の中に、解答はあるのでしょう。
就学後も、様々な試行錯誤ができる選択肢の保障がなされることを願いながら、参観させて頂きました。

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論文

ある方に頼まれて書いた論文が、修正されて戻ってきました。
既に上にあげられたそうなので、今更言っても仕方がありませんが。


「週1~2回程度の限られた通級指導を効果のあるものにするために、子どもの障害の程度等に対して正確で深い理解が必要である」

ううん・・・。

「障害の程度等に対して」
ではなくて、
「その子全体に対して」
理解したいのです。

スペシャリストとしてだけでなく、ジェネラリストとして、
と本文に書いたつもりだったのですが。

他の気になるところは別として、ここだけはどうも・・・。


でも、その方が一般の方にはわかりやすいかもしれないですね。


最近も、私が行った発達検査が誤解して伝わったと思われることがあり、
トホホ。

でもそれが、人間の認知特性なのですね。

そのことも計算に入れて関わっていく、こちら側の工夫の問題として
整理します。
文字だけのやりとりは、やはり怖いです。

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日本LD学会第19回大会発表論文集 

今年は都合で参加できませんでした。
そこで発表論文集だけでも手に入れて読んでいます。


・花熊 暁先生の「心の理解と発達障害」

→他者理解と自己理解を切り離して考えることはできない。
という主旨が全くその通りと感じました。

これは、子ども達だけでなく、支援者自身にも言えること。
自己を正確に理解できなければ、他者を理解することなどできません。
できているとすれば、それは本などから得た知識を
他人に当てはめているだけなので、紋切り型になってしまいます。

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【教材紹介】漢字の偏(へん)と旁(つくり)マッチングゲーム



まず、偏を一枚箱から取り出し、場に置きます。
その偏と組み合わせられる旁(つくり)カードをたくさんとった人が勝ち。

漢字の部分を構成することで、認知的な特性に合わせた指導とする、
たいへんオーソドックスな指導です。

が、今回は、漢字への意欲の回復を目的にしました。
そのねらいは、ずばり的中。

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純粋特別支援教育批判

難しそうなタイトルにしてしまいましたが、決して難しくありません。
まず、「批判」とは、「非難」とは違います。

「純粋な特別支援教育」というものを抽出する、というような意味です。

(哲学に触れたことのある方は、カントの『純粋理性批判』と同じような主旨と
お考え下さい)

では、「純粋な特別支援教育」とは何か。

それは「純粋ではない特別支援教育」を検討すればいいでしょう。

では、「純粋ではない特別支援教育」とはなんでしょうか。

1 文書や仕組みを作ること自体が目的。
2 中身がなくて、あるいは、足下の実践が空虚で、「つながる」こと自体が目的。
3 個々の実態を無視して、「標準の数値」に近づけようとする。
4 事実をよく調べなかったり、あるいは事実を歪曲したり、誇張する。
5 トンデモ理論に傾倒し、周りを巻き込む。
6 言行が一致しない。(人にそれを求める時に、自分はそれができるか、ということ)
7 理論に蓋然性がない。(矛盾があるということ)
8 理論に蓋然性はあるが、妥当性がない。
(理論に矛盾はないが、その子の実際に当てはまらない)
9 主義主張が先に立って、目の前の子どもの実態を見ない。
10 生徒指導や学習指導などの教育機能と、特別支援教育が全く別個にあるような考え方。

ただ、これらの共通点としては、「一生懸命やろうとしている」ということ。
これらは単に非難されることではなくて、より洗練されていく過程なのだということ。

実は上記は特別支援教育の世界だけにある、ということではなくて、
世の中そのものだったりします。

であれば、世の中、そしてその世の中に生きている私自身を
メタ認知することこそが、「純粋な」特別支援教育につながるのでは。

特別支援教育は、単なる技術論ではなく、
哲学のシフトなのだろうと思います。

自分で自分のことを正確に理解すること、
すべてはここが出発点であると思うのです。

そしてぶれてはならない軸は、「その子にとってどうなのか」
ということ。
それ以上でも、それ以下でもない、と思うのです。


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【教材紹介】 ダジャレ構音練習文

「まだ、練習するの?」
と言っていた子が、ダジャレ構音練習文を使うことで、
「もう終わったの?」、「もっとやりたい!」
と言ってくれるかもしれません。

練習にも笑いが必要です。
ただし、取り扱い注意です。

***

例文
(各ホームページなどから引用していますが、色々な所から引用したため、
場所が特定できていません。掲載に差し障りがある場合は削除しますので、
ご連絡頂ければ幸いです)


/kj,gj/ ききゃきゅきょ、ぎぎゃぎゅぎょ

この やきにくは やきにくい
べんごしが べんき ごしごし
「やきゅう しない?」「やあ、きゅうに いわれても」
きのこが いき のこった
きたろうを よんで きたろう。
かきが ホームランを うった。かきーん。


/ke,ge/ ケゲ 

ぶたが ぶったまげたー
はなげを ぬいたら はあ、なげー


/k/ カクケコ

いくらは いくらかね?
いかは やすいか?
いるかは がっこうに いるか?
はかの ながさを はかる。
トナカイは、おとなかい?
くつしたを はっくつ した。
からすが くちを とんがらす。
いなかに いったら だれも いなかった。
からだが そだつの これからだ 。
くしろに いくから はやくしろ。
カエルが かえる。

***

適用例

・構音指導が、短文レベルであって(単音節、無意味音節、単語は既にクリア)、
通常の短文は既にクリアされている場合。

・単調な練習で飽き始めた時に。


非適用例

・音韻分析力が十分でなく、ダジャレのひねった音を誤って学習してしまいそうな場合。
・ダジャレの意味がわからない場合。あるいは、あまりにも寒くてイライラし始めた場合。
・まだ、単音節、無意味音節、単語のレベルが十分安定していない場合。

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特別支援教育の原点化

前回はネガティブな記事でしたので、今回はポジティブに。

「形骸化」の反対語は何だろうと調べましたがはっきりせず。
「原点化」ということばはありませんが、今回は「対概念」ということで。

低学年参観日がありました。
通級指導がたまたま空いていた私は、各クラスの様子を拝見しました。

通級時の子どもの様子だけでなく、通常学級での様子を知ることはとても重要です。
子ども達の姿は、授業に食いついている姿そのものでした。
それぞれの授業の展開がとてもすばらしかったです。

鮭が大きくなるまでの過程の説明文を「いつ」「どこで」などの
ことばに気をつけながら読解するという授業でした。

ある先生は、子ども達に丁寧に説明しながらの展開をしていました。
ある先生は、発問、指示に数字を入れるなど、具体的、端的なことば遣いでした。
ある先生は、鮭の卵から稚魚がかえる瞬間をビデオ映像で見せていました。

うちの学校の職員室では、子ども達について話題がいつも出ています。
これは、「特別支援教育」という用語が確立するずっと前から、
生徒指導上、大切だと言われてきたことです。

「特別支援教育」とは、今までに無い新しいことをする、ということではなくて、
昔から大切に積み上げられてきた実践を確認すること、
だと思っています。

本でかじったことを目の前の子どもに当てはめるのではなくて、
目の前の子どもの姿そのものの中に解答を見いだす、
ということだと思うのです。

今年の日本LD学会発表論文集が届きました。
それにも、この主旨と似たような論文がありました。

うちの学校では、特別支援教育を真正面から取り上げて、
研修などはしていません。
でもその実践の姿は、「特別支援教育」だなあと感じることがたびたびあります。

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特別支援教育の形骸化

・コーディネーターの指名率
・校内委員会の開催率
・個別の指導計画の作成率

それぞれは、それぞれで大切なことなのでしょう。

しかしそれが数値目標と化し、数字が上がることが目的になったとき、
一番忘れられているのは、目の前の子ども。

形だけがあって、中身がない。
子どもの実態に迫れない。
何とも虚しいことです。

形があって中身ができるのではなくて、
子どもがいて、その実態の深くて正確な理解ができて、
必要な支援が出てきて、それがいつのまにか形になっている。
目立たなくても、コツコツ積み上げている。

それがめざすべき姿だと思うのです。

そのためには、やはり、基礎知識とセンス、そしてスタッフ同士の
日常のちょっとしたコミュニケーションの積み上げが大切だなあと。


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人事と通級担当加配申請時期です

こちらの地域では、10月中旬から下旬にかけて、
来年度の通級担当過員配置の申請をします。

教育委員会から降りてくる様式に、障害別対象人数や、
指導予定時数などを書き込んで提出します。

我々ことばの教室では、その制度面について、
問題点を集約し、解決のための取り組みを進めてきました。

問題点は、たとえば、

1 申請用紙が各学校まで降りてこない。

2 降りてきても、提出締め切りギリギリであり、
 教室内、校内で検討する時間がとれない。

3 特別支援学級扱いのことばの教室から、
 通級指導教室へ移行申請をしても、なかなか実現できない。

4 障害別にどのように数字を入れて良いか判断が難しい。

などなど。

このうち、3については、今年通級担当の増員がこちらの地域でも
実現できたことから、来年度は実現の可能性が出てきました。

1は、各自治体の教育委員会のレベルで止まっているか、
学校に降りても、管理職段階で止まっている可能性があります。

2については、先を見越して、そろそろ各学校でも協議しておくことでしょう。

4については、障害は重複する(たとえば、LDと言語発達遅滞など)ので、
どこで線引きするかはあまり意味がないとも言えます。
実際、行政的には、トータル人数と指導時間数で判断しているようです。

いずれにせよ、人事はもう動いていますから、
親御さんと学校、学校と行政などの話し合い、協議は
早め早めの方が良いでしょう。

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就学時健康診断

普段たずさわっている行事に
今回は親の立場で臨みます。
「配慮事項」に書くべきか、否か。

1 書いても、来年度の学級担任まで届くのだろうか。
2 届いたとしても、逆に強い指導で対応されるのではないか。
 (逆効果)

など、文字だけで伝えることのリスクをまず感じてしまいます。
学級担任が決まったら、直にお話させて頂いた方がいいか、
でも、じゃあ、なぜ事前に書いておかなかったのか、と言われたら・・・。

親としての、正直な気持ち。

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リスのお写真

DSCF1207.jpg














DSCF1210.jpg















・外から持ち込んだエサをあげてはいけない。
(入館料、えさ代込みの指定のエサのみOK。
農薬を使っていない自然なひまわりの種など)

・走ると足で踏みつけることがあるので、絶対に走らない。
・二重ドアは、前のドアを閉め終わってから、次のドアを開ける。
(逃走防止のため)

など、たくさんの注意事項が示され、いざ入館。

人に慣れていました。
あるリスにエサをあげていると、他のリスも次々と。

肩まで登ってくるのもいました。



次に、某市の図書館祭りへ。

DSCF1218.jpg










うちに比べると、予算配当が恵まれているような。
観客も、、もしかすると、うちのまちより多いかも。
人口はうちの何分の一なのですが。


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咀嚼・嚥下と構音障害

・水を飲むとき、わずかの水でも何度もごっくんする。
・水を飲むとき、下口唇を緊張させて、口の中に入れ込むようにして飲む。
・水を飲むとき、舌先を歯より前に突出させないと飲めない。
・口唇を開けても、水を口内に維持できない。
(下を向かせると、水がだらーとこぼれる)


などの症状を呈し、構音障害がある場合、
舌の運動について評価することが必要です。

特に、舌縁(舌のヘリの部分)が、口蓋にしっかりついていることが重要です。

WS000003.jpg












たとえば、このように、タ行、チチャチュチョ、ツなどの発音の時にも、
舌のヘリの部分が一度口蓋にくっついている状態を
作らなければなりません。

水を何度もゴックンしなおす子の中には、
この形をまず作れていない場合があります。

ならば、まず、口の中(正確には、舌と口蓋との間)に
水を保持する練習が必要になります。

側音化構音の指導では、舌お皿(舌平ら)から始めますが、
これは舌縁を口蓋にくっつけ、舌の真ん中だけ開けるという形を
作るためです。

ならば、水の保持の練習は有効と思われました。

実際、この練習法で、舌平らへの誘導、
または、どうもすっきりしないイ列音の安定に
貢献した事例があります。

構音指導のためには、練習法の前に、口腔内や
舌の動き、位置などをしっかりイメージし、
また観察できなければなりません。

逆にイメージができていれば、
教科書にはないような補助具を使った指導への
応用もできるようになります。

そのためには、発音記号の使用が必須です。
指導のメモである指導記録には、
発音記号で記載し、発音記号で検討することが基本です。

週わずかの指導時間で効果を上げるためには、
様々な学術的知識を動員し、
指導のあり方を練って練って、練り直すことが必要です。

もちろん、構音指導は、構音が誤っているからするのではなく、
その子のコミュニケーションを豊かにすることをお手伝いするために
行うものであることを見失ってはなりません。

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育児に対するあなたの気持ちはどれに近いですか?



某市 2歳児健康相談の質問紙より。

親御さんの気持ちを理解し、
大切に受けとめるための方法の一つとして。

そしてこれは、支援者自身も、自分の状況をモニターするのにいいですね。
選択に考え込むと、自分の気持ちに正直な回答にならないような気がします。


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北海道言語障害児教育研究大会 留萌大会




風車の回る日本海側のまち、留萌市に行きました。

○前日集会


研究会への参加態様が厳しくなっている。
勉強しに行くのに、「休暇」をとらされるようになった。
また、教室職員全員で参加できたのが、
「なぜ、全員行く必要があるのか。一人行って、
帰ってきてからみんなに報告すればいいのではないか」
と言われるようになった。

→(感想)
通級担当は、普通教員免許だけでやれてしまうという
今の免許制度の欠陥が最大の問題であり、
現職についてから、初めて学ぶことが多いのが現状。
したがって、通級担当は、現職での研修、
しかも、全国レベルの質の高い研修を受けられなければならない。

休暇を取らせて、一人だけ行けば、というのは、
普通学級の先生方と同じ対応にするため、ということのようだが、
通級担当の養成、免許制度の欠陥という歴史的大前提をもとに、
管理職は判断して欲しい。


子ども理解について

→(感想)
私が発言した、指導方法の前に、子ども理解を、
というフレーズについて、参加者から賛同の反応を頂いた。

子ども理解、障害の理解をとばして、
ハウツーが先に走ると、その指導内容は、
支離滅裂なものとなる。

子どもを理解することの中にのみ、指導方法は存在する、
ということを再確認できた。
実はこのことは、翌日の臨床研修会、記念講演会でも、
特に強調されていた。

それは反対から言えば、
現在の教育、とりわけ、特別支援教育は、
「○○障害だから、この教材、この指導法」だとか、
「○○できる、できない」という方向に行き過ぎている、
と心ある多くの方が感じ始めていることの現れだと思う。

そして親も、子どもが小さいときは、「○○できる、できない」が
とても心配になってしまう。
しかし、子どもが成人するなど、先輩の親からは
「もっと長い目で見る」ことの大切さをお話しして頂ける。
親の会の大切さを改めて認識する。


3 終了後の交流会
某居酒屋でのお刺身、押し寿司など、
うわさ通り、とてもおいしく、安く頂けたた。


○臨床研修会
  中京大学の鯨岡 峻先生の講義。
  演題 「エピソード記述の理解と実践」


 「客観的な記録でなければならない」という思い込みから、
関わった支援者の気持ちを全て排除してしまってはいけない。
 
 客観的な記述は大切だが、自分自身がどう感じたかを
載せることで、子どもとの関係性がありありと想像できる。


→(感想)
全くその通りだと思う。
科学的視点では主観を排除すべきだが、
教育は人と人との関わりという原点まで
排除してしまってはならない。

ただ、やはり、客観的な正確さ、があってこそ、
主観的な心の動きの記述が許されるのであって、
正確さを考えなくて良い、ということではない、
という点を確認できたのは納得だった。

「(主観的な)感じ方が誤っていれば修正すればよい」
とおっしゃっていたが、自分の感じ方を修正できる柔軟性とメタ認知が、
支援者自身に必要となってくるだろう。
常に他のスタッフに尋ねながら進める必要がある。



 能力の前に、心が大切。人との関係ができていない段階で、
能力を育てることばかり強調されるのが、今の特別支援教育。
結果主義、成果主義。費用対効果の効率主義。

 →(感想)
まったくその通りだと思った。
特に最近は、エビデンスベーストとか、説明責任ということもあって、
その指導にどんな根拠があって、どんな数値目標、結果があるのか、
ということが強調されすぎている感じがする。

もちろん、無根拠な指導であってはならない。
しかし、「○○ができる」という点にこだわりすぎて、
もっと土台の部分を顧みない指導は、
予後から見て、危険性が高い。
私自身の臨床への反省も含めて。

漢字が書ける、ということの前に、
抱きしめられたい、という心の叫びは、支援者に届いているか?

某メーリングリストで、

EB=「エビデンスベースト」ではなく、
EB=「エクスペリエンスベースト」

ということばを最近拝見したが、すばらしい考え方だと思う。

毎回出会う子どもの息を感じ取って、
その息に合わせて関わることが、まず第一に大切にされなければならない、
という教育の原点に、まず帰ること。


○記念講演「子どもの生活を豊かにするコミュニケーション」
 北翔大学教授 日本臨床心理士会会長 村瀬 嘉代子先生


外国人の様々な表情の顔の絵を見せて、「うれしい時、人は笑いますね」
という指導。ところが子どもは「そうとは限らない。悲しくても笑うことはある」
と説明した。

絵を見せて、笑った、泣いたという指導よりも、
そうした感情の動く体験、人との関わりを提供することの方がはるかに大事。

→(感想)
まったくその通りと思う。
人の表情が読み取れないから、絵を見せて、という単純な図式での
指導がいかに、形式的、心不在であるかということ。
確かにそうした手法が有効な子もいるだろうが、
今回の事例の子は、複雑な両面性のある感情を指摘できることから、
指導内容はミスマッチである。

似た様な事例の子の話を聞いたことがある。
「こんな時、どんな気持ちになるか、文字に書いてみよう」という
プリント課題。
それよりも、実際に「そういう気持ち」になる、なった場面を
用いた方がはるかにいいのでは、と思うのである。

地下鉄が近くにないのに、地下鉄の乗り方のSSTだとか、
就職まではるかに先の、低学年の子どもに、
「お客様に断られたときの対応」だとか、
「形式」がはびこりすぎていると感じている。



場面を「一人称的(本人)に」「二人称的(支援者)に」
「三人称的(周り)」の3つの視点を同時にとらえながらが大切。

→(感想)
支援の場というだけでなく、日常の人との関わりの中で一番大切で、
もしかすると一番難しいのかもしれない。


***
今回は少しラジカルな内容になりましたが、
関係論と正反対の位置?にある行動分析的な考え方も
私は必要と感じているし、両方の視座が必要だと思っています。


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***


親、教師、行政の三位一体が子どもの幸せに~親の会一泊旅行


(クリックで拡大)

世界有数の面積のあるカルデラ湖のほとりで、親の会主催の
宿泊交流会が行われました。

夕方、この付近でスタンプラリー。
私はネコのかぶり物をして、ボートの上で、
スタンプを持って、親子がやってくるのを待機していました。

その湖面のあまりもの美しさに、
全てを忘れて、一日眺めていたい気持ちにもなりましたが、
一生懸命「ネコ」を探し求めて歩いてこられた親子に、
心を込めてスタンプを押させて頂きました。

夜の部の、親と教職員との懇談会では、
私の隣の席のある親御さんの悩みや思いを聞かせて頂きました。

誰かを責めるということでなく、この地域にもっとこういうのが、と。

子どもを想う親の気持ちに改めて感じ入り、
関係者が手を組んで、実現できたらいいなあと思いました。

「誰も責めない」

ある懇話会の方のことばを思い出していました。

関係者を責め続けていたある親御さんが、
あることをきっかけに、親御さん自身も大きく変容し、
その後は、他の親御さんへの支援はもちろん、
教室の維持発展に絶大な貢献をされたことも
思い出していました。

親御さんと担当者とが仲良く連携している姿に、
子ども達は安心感を持つのでした。

***

携帯の写真なので、画質はそれなりですが、
透明度も高く、とても美しかったです。
早朝4時半に目が覚めて散歩したときの美しさは、
とても文字では表せません。


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***


おもちゃの修理屋さん



私のことです・・・。

野球盤DX。
2度目の修理です。

教室には新たに買うお金はありません。

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***


新たな教職員定数改善計画(案)の策定について

新たな教職員定数改善計画(案)の策定について
                                                       平成22年8月27日

文部科学省HPより
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/08/1297049.htm

***

どうなりますことか。
通級担当を5000人増やすということは、
一都道府県あたり、100人ぐらい。
道内179市町村ですから、
既存の教室と合わせ、各市町村に1~2名?
あなたの町には配置されるでしょうか?

以前も、数年計画で15000名の増員計画に対して、
実際には単年度300名前後の増員配置だったそうなので、
今後の動向に注目しています。

「第○次定数改善計画」という文字は久しぶりに見ました。

結局、国民がどれだけ教育を重要視するかにかかっています。

教育予算は、OECD28カ国で最下位ですから。

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***


WISC-4 発売

だそうです。来年1月。
http://www.nichibun.co.jp/kobetsu/kensa/wisc4_info.html

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***


就学指導委員会

今年も就学指導委員会が始まりました。
今日は、運営のあり方について。
とりわけ年々増えるケースに、相談の時間的、人的限界をどううまく調整するかという話。
結局、少ないスタッフで多人数をわずかの面接時間でこなすという状況は、改善しそうにありません。
が、他市町村の例を参考に、2期に分けるという案が出てきました。

よかったのは、親御さん、子どもさんの視点にたって、彼らにとってよいあり方、という視点が必ず出ていたこと。

ちまたには、就学指導委員会を廃止すべきだという意見もありますが、それによって一番不利益を受けるのはだれなのでしょうか?
こちらでは、親御さん、お子さんと2回面接し、できるだけ希望をかなえられるように進めています。もちろん、お子さんの実態から、こちらの方がいいですよと強くお勧めするケースもありますが、基本的には子ども中心の視点を皆さんお持ちだと感じています。
とても民主的で、丁寧に進められていると思っています。

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テンプル・グランディン

テンプル・グランディン: 世界はあらゆる頭脳を必要としている

http://www.ted.com/talks/lang/jpn/temple_grandin_the_world_needs_all_kinds_of_minds.html

こういう映像もネットで見られるようになって便利ですね。



私はテンプル・グランディンさんに、今から10年以上前に出会いました。
下記のセミナーででした。
セミナーの休憩中、ロビーでは『自閉症の才能開発』が販売されていて、
買った方にはその場で本人のサインを頂けるというイベントがありました。
既にその本は持っていたのですが、サインを頂くためにもう1冊買ったのでした。

ロビーでの人の動きをとても興味深そうに見ているテンプルさんが印象的でした。

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 第81回国治研セミナー『自閉症児の視覚的な世界
~ 自閉症の本人にきくその世界と療育方法~ 』
日   時  1999年8月9日(月)
場   所  日経ホール
主   催  国際治療教育研究所
講   師  テンプル・グランデン(Dr.Temple Grandin)

講演内容の一部

私は5歳の時、大きな動物は全て「犬」だと思っていた。なぜなら周りの犬が全て大きかったから。しかし隣の子が小さなダックスフントを飼い始めた。たくさんの犬を見て、すべてに共通する特徴を見つけることは、自閉症の子には時間がかかる。鼻の形が猫にはないものだと気づくのが大変だった。視覚的に考えられる人は、たくさんのものの中から共通するものを考える。だから、具体的なものから抽象的なものへ向かうことはできるが、抽象的なものから具体的なものへ向かうことができない。「美しい」「醜い」も具体的な視覚で考える。抽象的な数学は絵がないので全く理解ができない。
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たくさんの経験から、共通点、相違点、法則性を見いだすのは、
たいへんだったとのことですが、牛の屠殺場のことなど、
視覚的思考によって、むしろ他の人が気づかないところに気づいた、
というのは、感動的です。

私の場合はテンプルさんと逆の特性がある(と思っているので)、
うらやましい感じもします。

でも世界はあらゆる頭脳を必要としている、というのは本当だなあと。


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【教材紹介】ひらがな読み 魚釣りゲーム



毎度、魚釣りゲーム。

まず、使用する絵カードを一枚ずつ見せて、
呼称できるかを確認しておく。

呼称できた絵カードは、クリップをつけて「海」に放す。
(手先も育てたい時は、クリップも子どもにつけてもらう)


ひらがなの単語のカードを見せて、
読めたらその絵カードを釣る。
早く、たくさん釣った人が勝ち。
(実際には、単語カードでなく、
パワーポイントに大文字で打って、画面上で見せました。
印刷して、切る時間がなかったので。でも十分でした)

初めは2文字の単語、慣れたら3文字と増やしていく。
濁音、半濁音、「っ」や「しゅ」などの特殊音節は、
子どもの実態に応じて入れたり入れなかったり。

ひらがな一文字ずつなら読めるが、単語、つまり、
意味ある文字の羅列として認識できるかの段階の育成に。


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【教材紹介】 ブロック遊び、サッカーボード



きわめてシンプルですが、マネして組み立てる課題。
「戦闘機だ」と言ってやると、楽しそうに組み立てます。
もちろん、できたらごっこ遊びに。

初めは少なく、徐々に多く。
初めは一方の向き、徐々に複数の向きの組合せへ。

目と手の協応、視知覚、視空間認知。
ブロック遊びが楽しいという子に限る。

DSCF1160.JPG










どのレバーとどの選手がつながっているか、
レバーの延長線上にたどる必要があります。
これも、視空間認知が関与しているのでは。
スコアは簡単な算数の計算。多い少ないの比較もできます。

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OJT 「実務の中で仕事を覚える」2

OJT 「実務の中で仕事を覚える」

(この記事の第2弾)



実際に指導を参観し、その様子について協議する、
これが一番の研修、連携だと思っています。

「報告書」ではリアルは伝わらないし、
いくらでも脚色できてしまいます。
つまり、「報告書」だけでは、指導者の主観からどこまでも脱却できません。

指導を見に来て下さって、子どもの反応を含め観察して頂き、
通級指導の妥当性を含め、意見を頂くことが重要だと思っています。

毎年、何人かの学級担任の先生が、実際の指導を
見に来て下さっています。

「指導報告書」には、見に来て下さい、と、先輩は
書いていました。
私もなるべく書けたらと思っています。

指導参観は、関係者との本来の連携にもなるし、
同じ職種の方同士で指導を見せ合えば、
これほど有意義なOJTは他にありません。

その意味で、言語聴覚士臨床実習は、
まさにOJTでした。
子どもの反応は見逃すことがあります。
もう一人のスタッフが見ていてくれていることも多く、
協議で交流することで、子どものことを
さらに正確に理解することができます。

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側音化構音の指導

久しぶりに、構音指導の記事です。

今日、側音化構音の指導について話題になったので、
改めて、本の読み比べです。

以前の記事にも書きましたが、以下の2つの文献を読み比べると勉強になります。

たとえば、


涌井 豊著  1996
『側音化構音の指導研究』学苑社
指導効果をあげるためには、やはり誤り(音)を自覚させることが大切だと思う。(p53)


阿部 雅子著 2003
『構音障害の臨床』金原出版
音の正誤の判定に長い時間をかけるよりも、その時間を正しい音節をつくるために使い、正しい音節ができた時点で、改めて良い音と悪い音を理解させたほうが(よい)(p34)

涌井先生によれば、構音の誤りを自覚させなければ、
練習の動機付けにならないので、
自覚が重要だ、との文脈です。

ただ、自覚をさせる時期が大事なのでしょう。
阿部先生は、上記の通りに書いています。

側音化構音は一般に、低学年の子には聞き分けが難しい場合が多いです。
だから、初めから自覚させるというのは難しい、
むしろ単音節で正音が出せるようになってから、弁別(聞き分け)を
行った方が良い、と私も考えています。

通級の動機付けは、むしろ、子どもの状態像に応じて工夫することなのでしょう。
今は困らなくても、大人になってから困ることが多いのも、この構音障害の特徴
ではありますから。

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涌井 豊著  1996
『側音化構音の指導研究』学苑社
・舌先の偏位(側方へ曲がったり、ねじれたりする)が認められる場合は多く、ほとんどは口唇の偏位も伴っている。この場合には、口唇の偏位を改善した後で舌の脱力・安定を図る段階へ進む。(p61)

/i/の口形は、口角を左右に最も引いた形である(p63)


阿部 雅子著 2003
『構音障害の臨床』金原出版
舌先がどの方向を向いているかよりは、硬口蓋に接して口腔を閉鎖していること自体が問題である(p70)

両口角を横に強く引いている場合もよくみられるが、口角を引くと舌の力が抜けないだけでなく、喉にも力が入るので、この力も抜かなければならない。(p62)

・口唇や下顎の横への動きを抑制したり、引かれている口角や頬部を押さえたりしても根本的な改善にはならない。

・まず舌の不自然な力を抜くこと、つまり舌の脱力が重要である。(p70)


指導を引き継いだ中で、両口角を引いてイ列の発音をしている児童がいました。
まず、その口角の緊張を取る練習から始めざるを得ませんでした。

「口唇の偏位」は、結果であって、原因ではありません。

舌の緊張の副産物が「口唇の偏位」ですから、
片方の口角を引くからと言って、もう片方も引く、
と言う練習方法は、かえって舌の緊張を誘発します。
舌の緊張を取ることが第一選択です。

ちなみに、日本語のイは、それほど口角を引かないですね。
ウも、それほど唇をとがらせないのが、日本語です。

スの指導で、唇をとがらせる指導レポートを見たことがありますが、
口唇を緊張させるのは、舌の緊張を誘発する危険な指導だと思います。

口形、口唇よりも、舌が問題なわけです。

発音の練習というと、口形模倣をイメージしますが、
実は舌が最も重要です。

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