ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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・水を飲むとき、わずかの水でも何度もごっくんする。
・水を飲むとき、下口唇を緊張させて、口の中に入れ込むようにして飲む。
・水を飲むとき、舌先を歯より前に突出させないと飲めない。
・口唇を開けても、水を口内に維持できない。
(下を向かせると、水がだらーとこぼれる)
などの症状を呈し、構音障害がある場合、
舌の運動について評価することが必要です。
特に、舌縁(舌のヘリの部分)が、口蓋にしっかりついていることが重要です。
たとえば、このように、タ行、チチャチュチョ、ツなどの発音の時にも、
舌のヘリの部分が一度口蓋にくっついている状態を
作らなければなりません。
水を何度もゴックンしなおす子の中には、
この形をまず作れていない場合があります。
ならば、まず、口の中(正確には、舌と口蓋との間)に
水を保持する練習が必要になります。
側音化構音の指導では、舌お皿(舌平ら)から始めますが、
これは舌縁を口蓋にくっつけ、舌の真ん中だけ開けるという形を
作るためです。
ならば、水の保持の練習は有効と思われました。
実際、この練習法で、舌平らへの誘導、
または、どうもすっきりしないイ列音の安定に
貢献した事例があります。
構音指導のためには、練習法の前に、口腔内や
舌の動き、位置などをしっかりイメージし、
また観察できなければなりません。
逆にイメージができていれば、
教科書にはないような補助具を使った指導への
応用もできるようになります。
そのためには、発音記号の使用が必須です。
指導のメモである指導記録には、
発音記号で記載し、発音記号で検討することが基本です。
週わずかの指導時間で効果を上げるためには、
様々な学術的知識を動員し、
指導のあり方を練って練って、練り直すことが必要です。
もちろん、構音指導は、構音が誤っているからするのではなく、
その子のコミュニケーションを豊かにすることをお手伝いするために
行うものであることを見失ってはなりません。
テンプル・グランディン: 世界はあらゆる頭脳を必要としている
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/temple_grandin_the_world_needs_all_kinds_of_minds.html
こういう映像もネットで見られるようになって便利ですね。
私はテンプル・グランディンさんに、今から10年以上前に出会いました。
下記のセミナーででした。
セミナーの休憩中、ロビーでは『自閉症の才能開発』が販売されていて、
買った方にはその場で本人のサインを頂けるというイベントがありました。
既にその本は持っていたのですが、サインを頂くためにもう1冊買ったのでした。
ロビーでの人の動きをとても興味深そうに見ているテンプルさんが印象的でした。
***
第81回国治研セミナー『自閉症児の視覚的な世界
~ 自閉症の本人にきくその世界と療育方法~ 』
日 時 1999年8月9日(月)
場 所 日経ホール
主 催 国際治療教育研究所
講 師 テンプル・グランデン(Dr.Temple Grandin)
涌井 豊著 1996
『側音化構音の指導研究』学苑社
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指導効果をあげるためには、やはり誤り(音)を自覚させることが大切だと思う。(p53) |
阿部 雅子著 2003
『構音障害の臨床』金原出版
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音の正誤の判定に長い時間をかけるよりも、その時間を正しい音節をつくるために使い、正しい音節ができた時点で、改めて良い音と悪い音を理解させたほうが(よい)(p34)
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涌井 豊著 1996
『側音化構音の指導研究』学苑社
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・舌先の偏位(側方へ曲がったり、ねじれたりする)が認められる場合は多く、ほとんどは口唇の偏位も伴っている。この場合には、口唇の偏位を改善した後で舌の脱力・安定を図る段階へ進む。(p61)
/i/の口形は、口角を左右に最も引いた形である(p63) |
阿部 雅子著 2003
『構音障害の臨床』金原出版
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舌先がどの方向を向いているかよりは、硬口蓋に接して口腔を閉鎖していること自体が問題である(p70) 両口角を横に強く引いている場合もよくみられるが、口角を引くと舌の力が抜けないだけでなく、喉にも力が入るので、この力も抜かなければならない。(p62) ・口唇や下顎の横への動きを抑制したり、引かれている口角や頬部を押さえたりしても根本的な改善にはならない。
・まず舌の不自然な力を抜くこと、つまり舌の脱力が重要である。(p70) |