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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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通級の指導目標を検討する2

1 「担当者との信頼関係を形成する」

ことばの指導にあたり、通級児童と指導担当との信頼関係は
きわめて重要です。
話し言葉、発音に直接アプローチする指導には、
信頼関係があることが前提です。

ただ、この信頼関係を指導目標にするということは、
それを評価できるのでもなければなりません。

「信頼関係」自体を指導目標に据える際には、
いくつか注意が必要なのでは、と思っています。


まず、「信頼関係」どのように評価したらよいでしょうか?
評価できないことを目標にすることは難しいです。

そもそも、「信頼関係」とは、ここまでできたら達成というように、
線で区切ることはできるのでしょうか?

人と人との「信頼関係」は、
ここで達成したというゴールはないはずで、
常に深めていくものではないでしょうか?

つまり、「信頼関係」を評価するためには、たとえば、

・「指導担当に、休日の過ごし方、友達との遊びの内容について
話すことができる」
・「自分のやりたい遊びを指導担当に遠慮なく主張できる」
・「○○の悩みを指導担当に相談できる」

というように、具体的に設定することだと思うのです。
(もちろん上記の例は、話す能力はあるのに、
指導担当に話すことをためらう。他人には主張できるのに、
指導担当には遠慮して主張できない、といった状態像を前提にします)


次に、指導担当者との信頼関係を形成することは、
子どもの人生にとってどれだけの意味、必然性があるのでしょうか?

わざわざ保護者の送迎で、狭い部屋に入り、
私のようなつまらないおじさんと信頼関係を形成すること自体が、
その子の人生にとってどれだけ意味があるのかということです。

もちろん通級担当の先生との出会いによって、人生が変わった
ということもあるでしょうし、その後も長くおつきあいするということも
あり得るでしょう。

しかし、子どもが大部分の時間を過ごす相手は、
家族であり、学校の仲間、地域の仲間であるはずです。

通級担当は、その子が自分の生活圏で生きるためのお手伝いが役目であって、
通級指導においては、いつもそこのことが念頭になければなりません。
だから、苦手なことが残っていたとしても、その子の自立が見通されるならば、
通級も終了すべきです。
そうでなければ通級への依存が生じ、かえって親子を迷いの中に
閉じ込めてしまうのではないでしょうか。

話が少しずれましたが、子どもが教室の先生と仲良くなること自体は、
指導目標ではないはずです。
もしそれが目標なら、極端に言えば、
「卒業後も、時々教室へ遊びに行って談笑することができる」
などという目標と同じなのではないでしょうか。

主役は先生なのか、子どもなのか。


いずれにせよ、「信頼関係」を目標にしたいと考えた場合、
その願い自体はとても尊いと思います。

ただ、そのことによって何を生み出したいのか、
自分自身の思考を振り返ると、指導目標の具体的な姿が
見えてくるのだろう、と思うのでした。

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吃音についての最新映画、書籍情報


『英国王のスピーチ』公式サイト
http://kingsspeech.gaga.ne.jp/

英国王の吃音をめぐっての実話(少し脚色したという情報もありますが)だそうです。
残念ながら、私の居住地では上映されませんが、見た方、ご感想をコメントに頂けるとうれしいです。

北海道言友会も推奨しているそうです。
http://www.geocities.jp/hokkaido_genyukai/

言友会推奨なら、まちがいないでしょう!
 


『ホクは吃音ドクターです』
 菊池良和/著、2011, 毎日新聞社
 
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1103028058/subno/1

紹介してくれた方の感想です

「吃音を持っている著者が、子ども時代どんなふうに感じ悩んでいたか、医師になって吃音を研究する立場から、最新の吃音の情報も一般の方にもわかりやすく書かれていてとても良かったです。
 吃音のあるお子さん、保護者、担当者皆さんにぜひ読んでほしい本だと思いました。」

早速私も注文しました!

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通級の指導目標を検討する

1 「担当者との信頼関係を形成する」
2 「○分間座って集中することができる」
3 「自分の要求を人に伝えることができる」
4 「○年生の漢字のすべてを読み書きできる」
5 「楽しく遊ぶことができる」

いろいろな相談の場で、気になる目標設定と出会うことがあります。
それぞれは、きっと子どもと担当者との間で作られるものですから、
一概に適否を論じることはできませんが、
指導目標とは何かを検討する時に、
私自身の臨床の振り返りのきっかけにもなっています。

続きは次回。
(といっても、シリーズ化しておいて、続いたことはあまりないのですが)

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構音練習など、飽きずに繰り返し練習をする方法

「むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが
住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、
おばあさんは川で洗濯をしていました。
すると川上の方から、どんぶらこっこ、
どんぶらこっこと、『仮面ライダーオーズのメダル』が
流れてくるではありませんか。
おばあさんは、あのメダルが欲しいと思いました。
しかーし、あのメダルを取るためには、
内緒の声で『シー、シー』と20回と呪文を唱えなくてはいけません。
さあ、どうぞ」

「シ」の構音を獲得するための前段階として、
子音の「ロングエス」の音が出せるように練習します。

ただ、「シー」と言ってごらん、では飽きてしまうので、
特に低学年の子(場合によっては高学年の子も)には、
即興で昔話を作って練習しています。

ちなみに仮面ライダーのメダルの話では、
このあと、ベルトなどのアイテムも流れてきて、
全部とったら、おばあちゃんがオーズに変身するという落ちです。

これで100回は練習できますし、「すべてそろったら終わり」とすることで、
達成感や楽しさも味わえます。

地味でストーリー性のない練習には、ストーリー的要素を入れています。

【注意】
連続して音を出す前に、一音、一音が正しく音が出ているか確認します。
出ていない場合は、一音レベルできちんと出せる段階から始めます。

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第13回言語聴覚士国家試験 お疲れ様でした

昨日(2月19日)はSTの国家試験でした。
実習生どうだったなか?
これまで私のところにいらっしゃった臨床実習生は、
みんな現役合格しているようです。
私のところに来たら、合格率100%ですよ?!

ST国家試験の受験資格の特例措置というのがかつてありました。
言語聴覚士法施行後5年間は、専門学校等を卒業していなくても、
受験時点で5年以上、STの業務を行っていて、
10日間の指定講習会を受講すれば、
受験資格が与えられました。
http://www1.mhlw.go.jp/topics/tyokaku/tp0918-c.html#sitei
これがとても、体力的にきつかったのですが。
当時の校長は研修として認めず、休暇扱いにされました。
他の学校の受講生は研修扱いにしてくれていたので、
なんで? と思っていたのですが。

いずれにせよ、学校教育で「特殊学級」(通級指導教室は「その他」で認められた)を
5年以上担当していれば受験資格があったのです。

受験生当時は、スクーリングの講義をMDに録音して、
勤務終了後、ウォーキングをしながらその録音を繰り返し聞いていました。
超格安の温泉に入った後、休憩室で練習問題を解いたり、
ノート整理をしていました。

今となっては、内容をすっかり忘れてしまいましたが。

受験生の皆さん、吉報が来るといいですね。
そして、STとしてのご活躍を祈っています。

***

「構音指導はSTの資格を持っているからできるでしょう?」
と言われることがあります。

実は全然関係ありません。

スクーリングで受けた構音障害の講義では、構音指導の具体的内容は
全く出てきませんでした。
出てきたのは、すべての発音記号(国際音声字母)を一つずつ
発音して聞かせてくれた先生の講義だけです。

しかも、各受講会場を衛星中継で結んで、プロジェクターで投影する
方式の講義だったため、音声は必ずしもクリアではありませんでした。

発音記号は、本を読めば書いてあります。
資格の有無は関係ないのです。

むしろ自分で、あるいは仲間と、担当になってから、
どれだけ勉強できるかがネックです。
最近は、通級担当の先生が、通級以外の校務に時間をとられ、
(あるいは自ら進んで時間を「とられ」)、本をじっくり読んだり、
親とじっくり話したり、同僚とじっくりケース会議する時間がとれない、
ということをとても危惧していますが。

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***


【教材紹介】ネットを通じてコリントゲーム作製のコラボレーション

bb4e894f.JPG








先日、当ブログで、
をアップしました。

すると、ある発達障害通級指導教室の先生からメールが。
私のブログに触発されて? 早速コリントゲームをお作りになったそうです。
それが上の写真。

以下、ご本人の許可を得てメールを転載します。

***
(以下引用)

追視一つとっても「眺めている」と「視ている」はまったく意味が違うことを確認しました。
具体的には「眺めている」と眼球の運動は引き起こされるものの、運動企画に関連する体性感覚野は賦活化しない。「視る」ことが必要なんだというところです。

指標を追視すること自体も眼球運動の純粋なトレーニングとして必要ですし、よく視て動かすことでプラキシスを高めようと働きかける視点も必要なのでしょうね。計算したり、追いかけたり、答えたりしながら結果的に注視してるという教材は子どもへも適切な負荷となるのでしょう。

この遊びはもともと、注視と輻輳、緑と赤の弁別しての操作をねらって行っていたのですが、ya先生のアイディアのおかげで間に障害物を置いて動きを変化させると、こんなに楽しくなるのかと目からうろこでした。
タイムラグがあったり、予測しにくい動きがあった際にぐっと注視が高まる様子が手に取るように感じられます。
複数の玉を視野に入れるために周辺視野も意識が必要ですし、衝動性の眼球運動で早めに玉の色を視ようともしていました。

なかなかいい遊びですね。

(引用終わり)
***

たいへんアカデミックで説得力がありますね。
シビレました。
ただ眼球を動かすだけでなく、体の動きを伴うことが大事ですね。

最近、怪しげな理論を見る機会が多いので、
本当に本物だ、と久しぶりに感じ入りました。


そこで、夏休みにでもと考えていた私も、すぐ作ってしまいました!

DSCF1666.JPG












動画はこちら。


ポケモンの指人形や、電池まで使って、釘の代わりにしました。
他の材料もあり合わせ。
100円ショップのバランスゲームのグラスが、
ピンにするにはぴったりでした。

私が作ったというより、通ってくる子どもたちと一緒に作りました。
私より、子どもたちの方がアイデアが豊富ですね。

一緒に作ること自体、セロテープを切ったり貼ったり、
どこに貼ろうかという企画力や想像力、
話し合いながらつくるというソーシャルスキルなど、
様々な能力が関与するわけです。
トータルなアプローチが必要な子には特に必要なことだと。


転がり落ちるビー玉をタッパーでキャッチする遊びにしたのですが、
偶然置いてあった鉄製のカンポックリに当たって、「コーン」とおもしろい音が。
ゲラゲラ笑いました。
今度はこのカンポックリにビー玉を当てるのを目標にしたのでした。

・・・

ネットを通じて、思いもしなかった教材のコラボレーション。
子どもたちに還元されるわけですから、本当にありがたいことです。

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【教材紹介】眼球運動を育てるには、パソコンの画面もいいけれど、リアルはもっといいのでは



先日、「木育」に力を入れている団体のイベントに参加しました。
子ども向けに様々な遊びを提供してくれます。
今回はその中でも、スマートボールの作製がすばらしかったです。
なんと無料です。

講師は毎回同じ方なのですが、子どもへの教え方が
回を重ねるごとに上手になっていくのに感動。
教えることを仕事にしている私から見ていても、
個々への配慮がすばらしのです。

作製では、それぞれ思い思いの基盤を作るよう促されました。
色鉛筆でイラストや点数を書いたり、
釘の代わりに木片をボンドで好きなように貼っていきます。

基盤ができあがったら、木のパーツを組み立てて完成です。
ビー玉を発射台から発射し、ポイントを争います。

企画や行事の展開の仕方に、とても熱意を感じました。
どうやって子どもたちに木の大切さを伝えるかというポリシーを
随所に感じたのでした。


そしてこちら。
DSCF1656.jpg











療育施設を利用している家族は、おもちゃを無料で貸してくれる
という場所が、我が町にはあります。

このコリントゲームは大きい基盤で、
ボールも大きいので、ボールはゆっくりとしたスピードで
重厚感をもって転がります。

ボールの追視は、眼球運動を育てることにつながるのでは。
そして、ゆったりした動きというところがポイントだと思うのです。

つまり、

1 すばやく動かす
2 ゆったりと動かす
3 じっと見つめる

の3要素が、眼球運動、いやどの運動でも大事なのではと。

そう考えると、うちの教室にはゆっくりと眼球を動かす
コリントゲームがないなあと気づきました。
あるものはみんな素早く動かす物ばかりです。

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【教材紹介】文字の読みの苦手さには様々な背景とタイプがある。だからマニュアル通りにやればよいわけがない。



というわけで、果物、野菜の名前を20個見つける課題プリントを
作りました。
文字は横に読みます。左から右に。

難しい場合は、イラスト提示や口頭での名称のヒント、
位置のヒントなど、ヒントの出し方によって反応の違いがあるかを見ます。


適用例
1)ひらがな一文字ずつなら読めるが、単語のまとまりとして
 読みにくいタイプの場合。

非適用例
1)果物、野菜の語いが獲得されていない場合。
2)文字の読みが苦手だからということだけで、この教材を採用しようとする場合。
 
マニュアル主義を克服しましょう!
まあ、まずやってみて、子どもの反応を振り返るというやり方もありですが。

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特別支援学校、学級の子どもたちの作品が通級指導の教材に・・・取り組みが誰かのためになる、ためにする

P1000340.JPG特別支援学校、学級の子どもたちの作品の展示会に行ってきました。
この日はチャリティー会で、おもちゃなどが格安で販売されていました。







P1000339.JPG風車。
よく回りました。
ブローイングにいいかもです。
これだけ数があると、楽しいかもしれないですね。

作り方は難しくなさそうです。
何かの本に載っていたはずですが、
忘れてしまいました。
後日、羽根の部分の展開図をアップできればと思っていますが。


P1000338.JPG

アイロンビーズで作った、コマとブンブンごま。
楽しいですね。
ちょっと耐性に難があるかもですが、
デザインがきれいです。
つまようじを回転させるのは、
指先の運動にかなり関わりますね。




DSCF1638.JPG









左はオリーブオイルの石けん。
真ん中が万華鏡。
右がしおり。
通級指導に使うというより、指導室に置いておきたいです。

ほかにもたくさんのすぐれた作品がありました。
実は我が家用にも別にいろいろ買っています。

作った子どもたちが、まさかことばの教室で使われるなんて、
思いもしないかもしれません。

もちろん、まず作ること自体、本人の喜びであることが先ですが。
その上で、
子どもたち、人たちの努力が、ほかの子どもたち、人たちに役立つように
コーディネートするというのは、よりよい世の中を作るために、
必要なことなのだろうと思いました。

障害のある人が、というだけではなく、広く一般的に、
世の中がそのように向かってほしいなと。

一方が一方を助けるということだけでなく、お互いに助け合うということ。

作品を作ってくれた子どもたちはもちろん、
関係する方々に敬意を表したいと思います。

この想いを製作者たちにお伝えしたいとも思うのですが・・・。

2月12日
なんと、今日町中で、風車を作成した学校の学級担任の先生と偶然会いました。
お礼を申し上げ、ことばの教室の役に立つだろうというお話をさせていただきました。
先方の先生の反応から、いろいろなことを感じ取りました。
やはり、コミュニケーションは双方向が大事ですね。

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【教材ネタ収集】地域の子ども行事から、通級指導に使えそうなネタ


P1000350s.jpg










昔ながらの遊びはやっぱりいいですね。

ゲームのコントローラをいじっているだけの生活では
決して得られないものがあるのだと思います。
でも、ゲーム三昧の子どもが多いのも事実。

P1000348s.jpg










ペットボトルの輪投げとボーリング。
運営は子どもたちがやっていました。
受付や誘導、ゲームの進行など、
それだけで、かなりいろいろな力を鍛えることになりますね。

それが生きる力だと思うのですが。

計算ができなくても、文字が書けなくても、
記憶が悪くても、今やパソコンが全部やってくれる時代。

記憶力や計算力も大事ですが、
情報を取捨選択したり、自分の頭で考えたり、
人づきあいを学ぶことの方が、
これからの時代、はるかに大事と思うのでした。

P1000342s.jpg










カレンダーの紙など、丈夫な紙を使ってのかばん作りでした。
結構時間がかかって、読み聞かせの時間に間に合わなかったのですが、
できあがったときのうれしさは小さくなかったようです。

P1000340s.jpg








カレンダーなどのコーティングしてある丈夫な紙の
裏に新聞紙をボンドで貼ります。

P1000344s.jpg








紙を丸めて左右両端を接着し、
底になる部分を写真のように折り曲げて、ボンドで接着。

P1000345s.jpg








取っ手部分は紙を丸めて棒状にし、柔らかい四角い紙に挟むように接着。
洗濯ばさみで固定。

この四角い紙を先ほどのかばんになるコーティング紙に内側から
貼り付ければできあがり。

かなりはっしょったのと、言語表現力の不足で、
わかりにくかったと思います。すみません。


最後は「餅まき」でした。
なのになぜか、落花生まで飛んできて、
退治されるような感じでした。

楽しかったようです。

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***


ケース会議こそ研修の王道。

明日は道研究組織主催のケース会議にお呼ばれしています。事例8本はいずれも私が会ったことがないこどもたち。限られた情報だけで判断し、コメントしなければなりません。責任を感じます。大したことは言えないので、お土産を一杯持っていくことにします。DVDに詰めて。一杯持っていけば一つぐらいヒットするかな?と。でも当てずっぽうではありませんが。
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***


流氷のお写真

今日は、専門家チーム会議だったのですが、
関係者に私のブログがばれてきているのと、
ストレスがたまっている今日この頃なので、
別の内容で気分転換を。

***

何事も経験不足の私ですが、先日、子どもにせがまれて、
私も生まれて初めてワカサギ釣りを体験してきました。

釣果は、なんと1匹!



この魚、一匹で1600円の価値があります。
(つまり大人2人分の入場料。笑)

この日は、ほかの人もあまり釣れていないようでした。

ところが、やさしいおじさんがやってきて、
「今日は釣れないねえ。まあ持って行って天ぷらにしなさい」
と、なんとおじさんの釣った20匹のワカサギをプレゼントしてくれたのでした。

このおじさんは、子ども連れのほかの家族にもサービスしていました。

人の温かい気持ちって、心にじわっと来ますね。

お言葉に甘えて天ぷらにしました。

お味は最高! こんなにおいしいのは食べたことがない!

***

さて、本題です。


DSCF1616.jpg








(クリックで拡大)

ちょうどこの日が接岸日だったようです。
昨年よりも早いです。

「静謐」(せいひつ)
本質
願い
回帰

といった大切なことばを思い起こさせてくれます。

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***


小学校では特殊学級を勧められ、中学校では高校進学できないと言われた、そして今宇宙へ

しばらく記事の投稿ができませんでしたが、やっと少し時間ができました。

先日、とても元気になる講演を聴く機会がありました。

北海道の中小企業の管理職の方で、その方の生育歴は、まさにタイトルの通りとのことです。
みんながラジオ体操をしている時に、一人で砂遊びをしていたり、
ほかの兄弟が一緒に遊んでいるときに、本人は一人で砂場の砂をふるいにかけ続け、
一週間がんばって、海岸の砂と同じ手触りになるようにした、とのこと。

学校の先生には「どうせ無理」と言われ続け、
「それでは食べていけない」とみんなに言われ続けていた・・・。
だから学校は大嫌いだったそうです。

それが今、この会社で作った製品は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)でも採用され、
新たな飛行機の開発は、アメリカの企業と手を組んで進めているとのこと。


彼のすばらしいところは、技術をマニアックに磨いてこられたということだけでなく、
自分の生育歴をおそらくは正確に振り返るとともに、
今、そして将来自分は何をしようとしているのか、何をしなければならないかを
客観的に掘り下げながら人生を送っておられる、ということではないかと思いました。

だからこそ、彼の話には強い説得力を感じました。
たとえば、(以下、私のメモなので、正確ではないかもしれません)


「勉強は、
いい企業に就職するためにするのではない。
社会の問題を解決するためにする」
 

今の日本人は、「どーせ無理」とあきらめてしまう。
自殺者の増加につながっている。
学校の先生も子どもたちに言っている。
子どもたちから夢を奪っておきながら、
「自信を持て」などと矛盾したことを言っている。

大学の講義では、外国人は熱心に参加し、
日本人の学生は携帯をいじっているか、寝ているだけだ。
将来何をしたいかという夢もない。

大学卒の就職の採用が減っているのは、そうしたことが背景にある。

赤ちゃんが初めてつかまり立ちした時、
「危ないから、どうせ無理だからやめなさい」とは言わない。
周りの危険な物をよけておきながらも、「すごいね」とほめて、
応援するはず。
いつから「どーせできない」と言うようになったのか。

みんなから浮かないように、「普通」であることを追い求めている。
みんな「特別」「一人一人違う」存在だ。

将来どうしたいのかというビジョンが全くない。
「してもらう」ことばかり考えて、
自分から何をするということがない。

アメリカには人口比以上に、多様な趣味がある。
海に行けば、得体のしれない物が動いていたりする。

飛行機の開発で手を組むことになったアメリカ人に会ったとき、
「これまでの日本人は趣味を持たない人ばかりだった。
初めて趣味を持つ人と会った」と言われた。

会社では、定期的に社員の趣味の発表会をやっている。
趣味のない日本人が多い。
社員に「普通の人」はいらない。
飛行機やロケットが大好きな人であればいい。

子どもたちのやりたいことを奪ってはいけない。

私はロケットの開発をしているがそれが一番の目的ではない。
やればできるということを日本人に復活させるのが最大の目的。

etc.



講演が終わっての感想。
私は通級指導で、やれ読み書きの指導だ、運動面の指導だ、
コミュニケーションの指導だと言っていますが、
とてもスケールが小さいような気がしてきました。

子どもたちの好きなこと、趣味をもっと生かす。
そしてそれは、単に教科学習を促進する手段というだけではなくて、
趣味に打ち込む、そのこと自体が将来への大きな学びなのではないか、ということ。

「学力向上」とか、「体力向上」とか、順位がどうしたとか、
そうした見方とは、もしかすると違っているのかもしれませんが、
しかし教育の本質、人生の根本を問われたような気がしたのでした。


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【教材】冬休み中のこと質問カード



こちらの学校では、今週火曜日から授業が始まりました。
冬休み中のことを自由会話で聞き取ってもいいのですが、
質問カードにすることで、より意欲的に話してくれます。

上記写真以外にも、「家の手伝いは何をしましたか」
などを入れています。

裏にして並べて、好きなカードを取り、
そこに書かれている質問に答えられた数だけポイントゲットにしました。

ねらいとしては、

1 自分の行動、生活の中から、必要な情報をまとめたり、
抽出したりする力をみる。

2 言語表現力をみる。(文法構成、語い、他者視点、発音など)

3 冬休み中の生活のアセスメント

などがあります。

結構おもしろがって、「もう一回やろう」という子どもが多いです。

そして「秘密」と言って、生活の様子をなかなか話さない子どもも、
これなら喜んで話してくれたりします。


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Windows Vista と Windows 7 のデュアルブート (DVD改訂版のために)

ハードディスクが一杯になったので、
新しいハードディスクに引っ越すことにしました。

『構音の指導研修DVD』の作成にあたっては、
Windows Vista に付属していた「ムービーメーカー」を
使用していましたが、7では省かれてしまいました。

実は今回、「舌平ら」を上手に作る過程のビデオを他の先生から入手し、
プライバシーがクリアされれば、この映像をDVDに挿入したいと
考えています。

つまり、『構音の指導研修DVD 改訂第4版』の構想があります。

そのためには、Vistaの環境も復活させる必要があり、
今回、パーティッションを分けて、Vistaも7も両方使える方式に
しようとしています。

しかし、デュアルブートは比較的うまくいったものの、
これまで使っていたソフトを移行するのに大変苦労しました。
しかし、ある方法を用いることで解決できそうです。

ということで、改訂版DVDはいつできあがるかわかりませんので、
現在の改訂第3版を当分の間はお求め下さい。

これから年度末で忙しくなるので、見通しはどうも、というところですが。

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「○○障害(症状)にはこの指導」というコンビニ的発想をどう克服するか・・・自主研修会 PART4 の2回目

今日も冬休み中の自主研修会ということで、
7名の方が自主的に集まってくれました。
前回と合わせて延べ13名の方に来て頂いたことになり、
既存の研究団体の3分の1から半分程度にまで拡大しました。

悪路の中、2時間以上もかけて自家用車でいらした先生もいましたが、
「この会が役に立っている」との声も頂き、やって良かったと思える瞬間でした。

以下、次回に生かすための反省点

よかった点

1 
参加者の質問に、本質を突くものが増えてきたこと。
たとえば、構音指導のレポート検討では、
発音以外の背景の情報についてたくさん質問が出ていた。
子どもをトータルに理解する視点が
習慣化されてきている。
また、いつからその症状が始まったか、など生まれてからの経緯を
尋ねる質問も増え、子どもの歴史を縦軸にも理解しようとする
雰囲気が高まってきた。

2 
発音指導のレポート検討で、発音記号とパラトグラムの図
(舌と口蓋とが接触する位置を示す図。たとえば、 これ 
を用いて復習したところ、参加者の反応がよかった。
発音記号で状態像をとらえ、発音記号で指導方法を検討することの
大切さが再確認されたように思う。


場面緘黙のある子どもの指導では、場面緘黙のことを
よくわかっている実践が聞けたこと。


ビデオや録音、各種資料を用いての本格的な発表があったこと。


各教室の実践資料の提供があったこと(1回目)


発達検査のデータについて、数値だけでなく、
検査時の行動観察(ローデータ)の提供もあったこと。


事例以外のお悩みや、各教室の実情などについて、
炉辺談話的に交流があったこと


改善点

1 
「○○障害(症状)には、△△の指導」という、1対1対応のとらえ方が残っている。
事例検討は、その子をよく理解し、その子に合う指導を考えることである。
したがって、どの障害種かということや、状態像だけで、
指導方法を考えるというのは、「事例検討」からはもっとも遠いとらえ方であり、
もっとも慎重でなければならない。

2 
情報の多さではなく、少量でも本当に必要な情報が網羅されることが大切である。
特に在籍学級での様子の情報収集がネックである。
最低限、
・学習成績 ・コミュニケーション、社会性
の情報は必要で、それ以外には、
運動面、日常生活
など、一番長い時間付き合う学級担任の先生から情報を頂くことが重要である。

また一般に、生育歴情報は軽視されることがあるが、
情報の一つとしては大切である。
どういう経緯で今の状態があるのかということの検討なしに、
指導方法を組み立てるのはたいへん危険である。
その際、一語文は何歳何ヶ月という情報だけではなく、
愛着形成の過程や、親の子育ての苦労など、
物語の経緯として子どもを理解しようとすることが必要である。



発達検査の解釈の仕方について、数値だけで判断する傾向。
WISCの各下位検査で、評価点に「1」がたくさんつく場合、
IQなどの各数値は信頼性に乏しく、
ましてやその数値だけで何歳代の発達年齢かを推定することはできない。
その際、周辺情報が重要である。
また、検査のバッテリーを組んでいて、その値が合わない場合、
その理由を詳細に検討する必要がある。
その違いが生じる理由については、検査法の違いを検討することも多いが、
検査を行った時期も重要である。
急に伸びる、とか急に変化する子どももいるからである。

周辺情報へのクリティカルな視点は大切だが、
発達検査にもクリティカルな視点が必要である。

今後の手立てとしては、

1 
必要な情報を漏らさないために、レポートの様式を予め決める。
観点については案内の中で提示しているが、様式も決めておくことで、
情報の漏れを防ぐ必要がある。


事例検討の主旨、進め方について予め周知する必要がある。

***

色々書きましたが、でもこれだけ意欲のある先生がたくさんいる
地域で仕事をさせて頂いているのが、大変幸せに思いました。


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伊達直人

中学生がお年玉で買って寄付したと言う話など、感動しました。
今日は、伊達直人ではなく、伊達政宗からの寄付もあったそうで、
しゃれた感覚もいいですね。

ニュース、報道というと、悪い話が主になってしまうので、
どうにかならないものかと思っていたのですが、
今回の報道はまさに、望ましい行動の強化の機能がありますよね。

そして、世の中、本当に捨てたものではない、とか、
いい人は本当はいっぱいいるのだ、と励みにもなります。

恵まれない家庭環境であっても、誰かが支えてくれるということが、
どれだけ励みになることか。

そして、子ども関連の予算や人材が元々満ち足りているのかという観点も。
国民の公平な負担のもとに、もっと教育、福祉に予算を。
もうそろそろ考えてもいいのでは。

そして、学校などへの寄付行為をもっと認めてもよいのでは。
今、学校への寄付を受けることは、世間の誤解を招くとして
禁止されています。
もし寄付があった場合は、いったん教育委員会が預かり、
手続きを経なければなりません。

私が毎年受け入れている臨床実習でも、
養成校から私自身への謝礼はもちろんのこと、
学校への文房具や研修図書などの寄付も禁止されています。

事なかれ主義も結構ですが、
そうした善意まで一方ではつぶされているという事実も。

子ども達のためにという想いは、是非制度上も大切にして欲しいものです。
世の中みんなで子ども達を育てるというのは、
そうした善意を大切にすることも含めて、ですよね。

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【教材紹介】読み書きが苦手な子どもへの〈つまずき〉支援ワーク

竹田 契一先生のブログでも紹介されていますが、
「通常の学級でやさしい学び支援」シリーズの第2巻
『読み書きが苦手な子どもへの〈つまずき〉支援ワーク』が
発売されています。

http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102994896/subno/1


第1巻は、私も活用することがあります。
ただ、よく言われることですが、

「これを教える」

のではなく、

「これで教える」

ことを大切にしたいです。

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内閣府と文部科学省の意見案、意見募集

内閣府と文部科学省の議論とを見ています。


・内閣府
障害者制度改革の推進のための第二次意見(案)(第二次意見(素案2)の修正版)
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_29/

「本人・保護者が望む場合に加えて、最も適切な言語やコミュニケーションを習得するために特別支援学校・学級を選択できるようにすること。」

→以前からちょっとニュアンスが変わったように感じます。
 「加えて」以下が。


気になる点もあるけど、特に、
「障害のある子どもが障害のない子どもと共に教育を受けるという障害者権利条約のインクルーシブ教育システム構築の理念」

→障害のある子、ない子、とまず分けた上で、共に、というのは、本当に正確な表現なのでしょうか?
言わんとすることはわかりますが。
過渡期なのでしょうね・・・。


・文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会
特別支援教育の在り方に関する特別委員会論点整理に関する意見募集の実施についてhttp://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/12/1300850.htm

→現行の特別支援教育は、「インクルーシブ教育」に「漸次的に」進んでいることを認めた上で、さらに進めていく内容。「共同、交流学習」や「認定就学制度」、「保護者の意見聴取の義務づけ」など少しずつ進んでいるわけです。

特別支援学校や特別支援学級も、通級も、インクルーシブの理念からは必ずしも矛盾しないことを指摘しています。
ただ、それらにもっと連続性を持たさなければならない、ということも指摘していて、上野一彦先生も同内容をブログに書いていますね。

特別支援学校の分室を普通学校に設置している例も紹介されていて、道内にも例があるので、いい動きだと思いました。通級指導の「巡回による指導」も。
両者とも一定の条件がなければできませんが、財政も含めて、その条件を満たすよう注文もしています。
親元を離れて、遠くの寄宿舎に住まわせて、という状況をなんとか改善して欲しいです。

ただ、通級の「巡回による指導」は、私の知っているところでは取りやめたそうです。
保護者と疎遠になる、指導内容がフィットしないなど、デメリットの方が大きいので。
むしろ、全ての学校に通級を設置すべきでしょうね。



内閣府も文部科学省も、理想をしっかりもちつつ、事実をしっかり見つめた上での制度改革の動きを期待しています。


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田中ビネー知能検査Ⅴ

今日は、希望する先生と田中ビネー知能検査Vの
実技研修をしました。

全般的な知能水準を測るには、田中ビネー。
認知特性のバランスをみるなら、WISCや、K-ABC、DN-CASなどが妥当です。

検査というと、数値の一人歩きという批判が必ず出てきます。
その指摘は、全くその通りです。
だからこそ、検査の主旨や内容を正確に理解することが大切だと思います。

検査の数値だけでなく、日常の行動観察、情報と付け合わせて検討するのが
前提です。

検査の内容を見ていくと、子どもの力を測る観点の学習になります。
IQよりも、そのことの方が大事だったりします。

そんなことを議論しながらの研修でした。

理想は、全ての学校で検査を含めたアセスメントの力量を身につけ、
自立していくことだと思っているのですが、なかなか。

まず学校にカンファレンスの文化を、ですね。

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漢方とADHD

私は昔、「気功」に強い関心がありました。
熱心に行っていたときは、物事にあまり動じなくなりました。
また、自分の心の動きがよくとらえられるようになり、
それに応じて他人の心の動きや体調も敏感に感じ取れるようになりました。

その頃は、中学校に勤めていましたが、
生徒指導上の問題は、他の職員よりも、まず私が見抜いたりしていたものです。

ウソみたいな話しですが、本当です。

今はそんな余裕もないので、すっかり衰えてしまいましたが。

西洋医学では、薬、薬でだめなら手術をします。
東洋医学では、鍼灸や漢方薬、気功、食養(食事)を行います。

目に見える病気だけではなく、それを生じさせている体質に注目します。
その体質を見立てることを「証」と言います。

目に見える症状だけでなく、その背景を見て、
人間をトータルに理解しようとする視点は、
ことばの教室が長年培ってきた実践に通じるなあと思うのです。


気功も、病気を治すという心構えでは、実はうまく行かないのです。
ある部分を敵視して、切り取ってしまうという発想では、心身は改善しない。
あるがままを感じ取る、という時に、初めて全体が変わってくるという感じです。
それは人間関係も同じだという感覚に至ることができます。

疲れている人、怒りっぽい人は、気が頭の方に上がってきています。
「頭に来る」という言葉は、まさにそれを言い当てています。
しかし、気功の基本ができている人は、気が足下に降りています。
「地に足がつく」まさにその通りです。
これができていると、少しのことで動じない心身の状態になります。

***

今日、ADHDのある子どもに漢方を処方するDr.から、
資料を頂きました。

「甘麦大棗湯」(かんばくたいそうとう)です。

コンサータほど強い効き目はないが、
薬を止めてみてみると、やっぱり効いていたんだと感じる、
穏やかに効くようです。
副作用も報告がなく、もっと漢方を積極的に使うべきだとのこと。
(もちろん、禁忌もあります)

ただ、いずれにせよ、薬は、学校の管理のためではなくて、
その子の自己実現、楽しい学校生活の保障のために、
という視点が必要でしょうね。

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初めてことばの教室を担当する先生へ新たなお奨め文献「言語障害教育における指導の内容・方法・評価に関する研究」

『言語障害教育における指導の内容・方法・評価に関する研究』
(国立特別支援教育総合研究所、2010)
http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_b/b-250.pdf
が発行され、過日、うちの教室にも届きました。

そして、
『きこえとことば研修テキスト』
(全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会)
http://www2.plala.or.jp/nangen/sub4.htm
は、改訂作業を行っている、と聞きます。


この2つの文献が、初めてことばの教室を担当した先生に
まずお奨めできるものになりそうです。

言語障害特別支援学級の新設を予定している学校から、
必要な教材教具等の問い合わせがありました。
物も大事ですが、担当の先生の専門性はもっと大事。

担当になってからの研修保障について、具体的に挙げて、
校内の先生の理解が得られるように、はじめが肝心、
と提案させて頂きました。

我流に流されることは危険、やはりベーシックな知識、見識を
きちんと学習した上で、自分のオリジナルを作っていかなければならない、
ということを痛切に感じています。


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通常学級での外国語活動と通級指導

かつて日本の多くの学校では、食事の際、「三角食べ」
つまり、一つの料理を「ばっかり食べ」しないで
少しずつ順繰り食べるということをしつけられましたが。

外国では、メインディッシュを頂いて、次に、が常識ですよね。

私は給食指導でも、家庭でも、どういう順番に食べるかということは
ほとんど言いません。
国によって常識が違うだけでなく、
栄養学的には、どういう順番で食べようと
あまり関係がないらしいですから。

食事でまず一番大切な目標は「楽しめること」だと思うのです。
好き嫌いの多い子に、食べる順番の指導なんて、ナンセンス、
だと思うのです。

そこれそ、指導の「順番」が違うでしょ、と。


外国語も、まず読み書きの前に、コミュニケーションの楽しさが
大事だと思いますし、今回の学習指導要領の改定でも、
そのことがうたわれています。


今年4月から、小学校でも「外国語活動」が必修となり、
5,6年生は週1時間相当が時間割に組み込まれます。

今、先生方で分担して、授業内容を組み立てているところで、
私は5年生の「クイズ大会 What's this?」を担当しています。

通級指導の経験が長い私にとっては、
通常学級での指導を組み立てるというのは、結構ハードルが高いです。

子どもの状態像を見立てて、よりフィットする教材を開発して、
というよりも、5年生一般の発達レベルに合わせて、取りあえず作ってみる、
という要素の方が強いです。

そして、教材一つにしても、学級の人数分、
またはグループ分作成しなければならない、ということもあります。

そうした学級担任の先生の苦労を知ると言う意味でも、有意義ではありますが、
通級指導のノウハウを動員したり、逆に通級指導にも流用できそうな内容が
含まれていることが改めて分かってきました。


一方、中学校での外国語の学習指導要領では、

***

  • a コミュニケーションを円滑にする
    • ・ 呼び掛ける
    • ・ 相づちをうつ
    • ・ 聞き直す
    • ・ 繰り返す など
  • b 気持ちを伝える
    • ・ 礼を言う
    • ・ 苦情を言う
    • ・ 褒める
    • ・ 謝る など
  • c 情報を伝える
    • ・ 説明する
    • ・ 報告する
    • ・ 発表する
    • ・ 描写する など
  • d 考えや意図を伝える
    • ・ 申し出る
    • ・ 約束する
    • ・ 意見を言う
    • ・ 賛成する
    • ・ 反対する
    • ・ 承諾する
    • ・ 断る など

***

これらは、実はコミュニケーションの苦手な子への
ソーシャルスキル指導と重なる部分が多いと思っています。

たとえば「約束」では、相手に一方的に伝えることが「約束」だと思っていて、
「約束の時間に来なかった」ということが起こりがちな子がいます。

また、人を誉めると相手の気持ちが良い、ということを体験的に学ぶ機会や
実際の誉めことばのボキャブラリーが少なかったりします。

まさに、発達障害のある子にとって、それらは外国語を学ぶのと同じ
感覚なのかもしれません。

そして一番大切なのは、スキルそのものというより、
「コミュニケーションが楽しいという経験の保障」なのでしょう。


参考までに、

小学校学習指導要領
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/

第4章 外国語活動
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/gai.htm

小学校学習指導要領解説
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syokaisetsu/index.htm

中学校学習指導要領
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/index.htm

第9節 外国語
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/gai.htm

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「親のせいでも、子どものせいでもない、心がすれちがっている苦しみ」

年末大掃除をしていたら、ある先生の名言集が出てきました。
この先生は、私が初めてことばの教室を担当したときの同僚で、
私とは一年の付き合いで定年退職されました。
この先生との出会いがなければ、私は通級担当を続けていなかっただろう、
というくらいに、私の教職人生に大きな影響を与えた方です。

親御さんから「仏様」と言われるぐらい、顔から優しさがあふれている先生でした。

何度かこの先生の話題を記事にしてきましたが、
名言集は、今のブログに載せていませんでした。

どうやら過去の掲示板やHP時代に載せたきりのようです。

14年前の内容なのに、今でも通用する、
否、今だからこそもう一度見直さなければならない内容に思えるのです。

親の会で保護者向けに話していた内容を改めてここに掲示します。

(彼のことばを私が独自にまとめたものなので、
彼の主旨と正確に合っているかは保障できませんが)

***

・ことばの前に、心のキャッチボールが大切。

・親のせいでも、子どものせいでもない、心がすれちがっている苦しみ

・にきびの先っぽをどうにかしようと、「自分がいなくなってしまえばいい」ぐらいに思ってしまう。

・ことばの教室に喜んで楽しく通っているのは、ダイヤモンド以上だ。

・親は子どもの幸せをみんな願っている。ただ、あまり一生懸命で、子どもを通り越してしまう。

・心配することはない。黙って笑顔でいればそれでいい。3件向こうから見たらわかる。

・「うるせえ、ばばあ」と言って、ドアをバタンと閉める子は、少し前まで、ほおをすり合わせて、気持ちよく寝ていた。子どもの反抗を「がんばっているね」と受けとめること。

・「適時、適切、適量」いつ、どれくらいのことを、どれだけ与えるか、しつけも、話す中身も。→子どもの反応を見て、通じたかどうかがわかる。こちらが興奮していたら、「親は勝たねばならん」と思ったとき、親は負けている。それでは伝わらない。

・「こんなことがあった」と報告してくれると、担当の先生はうれしい。

・ことばが遅れていることに気づくだけでよい。子どものレベルに合わせられるから。

・週1回の指導で効果を上げたいという先生の気持ちを子どもはわかってしまう。→「こいつと遊んだら楽しいや」と思ってくれるぐらいがちょうどいい。先生は、「子どもとの関係がまだできていないから、もう少し遊ばなければ」と思う。

・同じような症状の子がいたとしても、同じ教材では通用しない。先生にも子どもにもリズムがある。

・親御さんに19年分のお礼を言いたい。

・昨日より一回だけ多く笑ってあげてください。甘えてだめになることは、絶対ありません。それは19年間、親御さんから教えてもらったことです。

・発音が何年かかって治らなくても、よくしゃべることが最も大切。

・ことばを使う、笑う、気持ちが伝わることが最も大切。

・発音がよくならなくても、他が必ず伸びていることに気づくことが大切。

・夏休みの工作。せっかく作った子どもの作品をお母さんがやり直してしまう。「俺は不器用だ」という気持ちを持たせてしまう。その気持ちは一生続いてしまうから、できるだけそのような気持ちを持たせないように。

・理屈が通じない時期が子どもにはある。自分のもらったケーキが大きくても、隣のお兄ちゃんが自分のケーキをおいしそうに食べているのを見ると、自分のケーキが小さく見えてしまう時期がある。

・カッとなって言ってしまっても、その後、どれだけ間を置いて、どう接するかが大切。お互い生身の体なのだから。

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メールを頂いた方へ

本日、早々にメールを頂いた方に、お返事を書いたところ、
戻ってきてしまいました。
何度送っても、アドレス欄を直接打ち込みにしても、
内容を変えてもダメでした。

申し訳ありませんが、送信元のアドレスを手打ちしたものを
メールの中に書いて、もう一度送って頂けないでしょうか。

ことばの教室担当をめざしたいという主旨のメールです。
よろしくお願いします。


1月3日追記

無事連絡が取れました。ありがとうございました。にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
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