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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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【研修資料】基礎知識を問うドリルで土台の積み上げを(言語発達遅滞・自閉症編)

【  】の当てはまる語句を選択肢から選び、記号で答えてください。

■基礎編
 
 言語発達の評価は、たとえば4つの観点で行うと良い。つまり、「りんごは赤くて丸い」など、ことばの意味理解の面である【 ① 】。「りんご」は、”ri・n・go"の3つの音から出来ている、反対から言うと「ゴンリ」など、音に関する【 ② 】。「これ は りんご です」は4つの品詞から出来ていて、格助詞がある、など文法面の【 ③ 】。「りんご」という一つの単語であっても、その場の文脈によって意味が変わる【 ④ 】の4側面である。
 文脈の理解が難しい【 ⑤ 】障害の場合、1対1の自由会話はスムーズにできたとしても、肝心な場面、問題解決場面でトラブルになることが少なくない。したがって、会話がスムーズにできるから、言語発達の遅れはない、と判断するのは危険である。
 また、発話量が多くても、内容に偏りがあったり、聞き手の反応を無視して発話を続ける場合もある。会話は聞き手とのキャッチボールであり、発話量だけで判断するのも危険である。

 

ア)語用論  イ)音韻論  ウ)意味論  エ)統語論  オ)学習  カ)知的

キ)自閉症スペクトラム   ク)情緒
 
  
 これまで、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、高機能自閉症などと呼ばれてきた障害名は、医師が診断に用いる“DSM-V”で【 ⑤ 】障害として一本化される予定である。これは、障害と健常との間は、虹の色のように連続体であるという考え方に基づく。【 ⑤ 】障害における3つの障害は、【 ⑥ 】の障害、【 ⑦ 】の障害、【 ⑧ 】の障害である。
 赤ちゃんが初めて意味のある単語を言えるようになるのは、標準発達で【 ⑨ 】歳ごろ、「トマト たべる」など2つの単語をつなげて言えるようになるのは【 ⑩ 】歳頃である。
 赤ちゃんの「指差し」には、様々な段階があるが、他者に伝える共感的な指差しは、【 ⑪ 】歳~【 ⑪ 】歳半ぐらいに出てくる。【 ⑤ 】障害の場合、この指差しが遅れることがある。また、人のことばを理解しないでただ繰り返す【 ⑫ 】や、人  の腕を物のように引っ張ってきて、使おうとするクレーン現象が見られることもある。 
 【 ⑤ 】障害は、子どもによって様々な状態像、おいたちを示すため、マニュアル通りでなく、個々のケースをきめ細かく全体的に理解することが大切である。

 

ア)1  イ)2  ウ)3  エ)想像力 オ)復唱  カ)模倣  キ)エコラリア  ク)社会性  ケ)クレーン現象   シ)愛着形成  ス)コミュニケーション


 
■ 応用編
 以下の説明が正しければ○、正しくない場合は×を書いてください。
コミュニケーションが苦手な子には、ソーシャル・スキル・トレーニングで「ことわり方」や「友達に声をかける方法」などの指導が第一選択である。
物を置く場所にこだわりの強い自閉症者に対しては、少しずつ多様な置き方に慣れさせる指導により、将来のためこだわりを軽減することが必要である。
 

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【研修資料】基礎知識を問うドリルで土台の積み上げを(構音障害編)

研修には、基礎知識の学習、ケース検討、そしてOJTの機能が必要である、という主旨のことを前回書かせていただきました。
今度行う公的研修は、ケース検討に焦点をしぼっており、特別支援教育士養成セミナーの実習をイメージしています。
ただ、そうした応用的な研修を受けるためには、基礎知識が必要です。
昨年も同様の主旨で行いましたが、難しかったという感想があったため、今回はやさしい内容に改めました。
どれも基礎知識として最低限持っている必要があります。

***

○構音障害

【 】に当てはまる語句を下から選んでください。

■基礎編
構音障害には、ある音が別の音に置き換わる【 ア 】、文字で表記できないような独特の音になる【 イ 】、「はっぱ」→「あっぱ」等、子音が抜け落ちるなどする【 ウ 】、「みかん」→「みんかん」など、よけいな音が加わる「付加」がある。
このうち、【 イ 】には、「キギケゲシチジ」などに見られる側音化構音、サ行、ザ行、タ行、ダ行、ナ行などに見られ、アメ玉をしゃぶっているような独特の音になる【 ウ 】構音などが代表的である。側音化構音や、【 ウ 】構音などの【 イ 】は、自然に改善する可能性が低い。
また、構音障害には、口蓋(お口の中の天井部分)に穴があいているなど、構音器官の問題があることが原因である場合の「器質性構音障害」、原因がはっきりと特定できない【 エ 】性構音障害、舌の運動麻痺など神経の問題などが原因の【 オ 】性構音障害がある。検査の際は、構音器官もよく調べることが必要である。


歪み  置き換え  省略  口蓋化   側音化  低い  高い  全くな
運動障害  機能  器質  



構音検査には、たくさんの子どもを対象に障害の有無を調べる【 カ 】検査と、特定の子どもの構音をより詳しく調べる「掘り下げ検査」とがあり、目的によって使い分ける。このうち、『ことばのテスト絵本』(田口恒夫著、1964、日本科学文化社)や、「ポスト、ラッパ」で始まる72語の構音検査は、【 キ 】検査に該当する。
ある語音がどんな条件下でも一貫して誤る場合、【 ク 】がある、と言い、正音も出始めている状態を【 ケ 】があると言う。誤音の際、正音を聞かせてあげると正音が出せる場合を【 コ 】があるという。どの音から指導を始めるかは、【 コ 】があるかどうかが判断材料のひとつになる。
構音指導は、言語発達年齢がおおむね【 サ 】歳~【 サ 】半以上であることが原則である。

 
選別  掘り下げ  集団  一斉  浮動性   被刺激性  浮動性  3、4,5,6,7、8   舌がひっこみにくい   舌が平らになりやすい

 

 

■ 応用編  以下の説明が正しければ○、正しくない場合は×を書いてください。

1 側音化構音の指導で、左口角を引くときに、そっとなでて脱力を促す。 
2 発話量が少ない子どもは、構音器官の筋力の弱さが原因のため、筋力を育てる指導が第一選択である。 
3 歪みの改善指導で、母音の「イ」を産生するとき、舌出しをして、舌縁が両口角についていることを確認しながら、鼻息鏡をあてるとよい。 

 

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【研修報告】自主研修会PART5 3日

最終日の今日は、6名の参加でした。
会議室はヒンヤリしていて、冷房のある学校はうらやましいなと思ったら、北向きなので天然なのだそうです。一日快適に研修できました。


通級妥当の判断や、その後の指導のために、
1)行動観察や検査の情報
2)学級級担任などの情報
3)生育歴など、就学前までの育ちの経過の情報
これらがそろっている必要があること。
つまり、今現在の情報だけで、手立てを考えることはできないし、できたとしても羅針盤がない思いつきになってしまいます。
就学指導委員会の就学判定時の情報が現場まで届く手立てが必要です。


専門用語を活用した正確なレポートを拝見しました。
レポートは、この姿をめざしたいものです。


発音や吃音の指導に入る前に、ラポートを形成し、ある程度自発語がふえてからでないと難しい。また、予後自然改善の可能性を専門的に検討する必要があります。

4 
「読む、書く」の前に、「聞く、話す」を。
教科の補充指導もいいけれど、自立活動の保障を。

***

これで自主研修会が終わりました。
3日目になるとさすがに疲れが出ましたが、達成感もあります。


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【研修報告】自主研修会PART5 2日目

今日は、車で2時間のところに行ってきました。
私に相談したいとお声のあった方は、そういえばこの地域にお住まいの方でした。
そのことに前日になって気づき、声をかけたところ、お仲間を連れていらっしゃったのでした。
延べ11名のご参加でした。

今日は全てケースレポートの検討でした。

各レポートを検討しながら、
構音では、
選別検査と掘り下げ検査との違いについての説明、
鼻咽腔構音と、開鼻声との違いについて、偶然持参したサンプル音声を用いての説明、
あるケースでは、口腔機能訓練、弁別、ワーキングメモリなどのどれが優先順位なのか、など。
「弁別」は、単に正誤弁別だけでなく、いろいろあることをお話させていただきました。

コミュニケーションでは、
生育歴をもっと掘り下げて情報収集したり、検討すべき話や、
発達検査の解釈の仕方、
検査結果の生かし方についての基本的なポリシー(つまり、値が低いからそれを底上げするということでなく、日常困った部分に、長所をどう活用するかという観点)、

感覚・運動面では、
視機能と視知覚とは全く別のものであること、
運動面のぎこちなさの前に、感覚の育ちが重要であること
発語器官の運動面と、身体全体の運動面とを比較検討すること、
衝動性との関連でも検討すること、などのお話。


そして、構音だけでなく、背景情報から、発達の遅れなどの状況をよく理解することの大切さをお話させていただきました。

すばらしかったのは、あるケースについて、幼児、小学校、中学校の先生が一堂に会したこと。
初めてこの場で詳しい話し合いができたようで、地域の縦の連携に貢献できたことは、思わぬ収穫でした。


明日は今日とは正反対の方向に2時間30分から3時間離れたところに行きます。
地域のブロック研修にお邪魔する形になりました。

***

「施設使用許可願いは、会長印が望ましい」と言われました。
個人名で個人の印鑑ではだめなのですね。
でも、まだ組織ができていないので、「会長」も何も役職はないのです。

組織化について、私の胸の内で一気に火が付きました。

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【研修報告】自主研修会PART5 初日

今日は、自分の学校で自主研修会を開き、9名の方が集まりました。
通級担当以外の先生も何人か見えました。

「管理職に職員派遣依頼は書いてくれないのか」
とか、
「会場使用許可願いはないのか」
と言ったクレームを何人かの管理職の方からいただきました。

ごめんなさい、必要な書類は今後出します。
でも、そんなことは、かつてはほとんど言われたことがありません。

教員は余計な事務仕事をする時間があったら、教材の一つでも作ったり、研修内容そのものに時間があてられるようにすべきだとは思うのですが・・・。
教員の余計な仕事は縮減して、子どもと向き合う時間を、と一方ではスローガンを掲げていますが、一方では費用対効果を証明する文書の整備を求められ・・・。

それはさておき、研修内容はケースレポート検討でした。

事前に配布した記載例を参考にして、皆さん書いてくれました。
記載例にない内容については、参加者から質問が出るなど、多視点で子どもを理解するということが浸透してきているという実感を持ちました。
たとえば、
「家族構成」
その子がどのような家庭環境であるかを理解することは、子ども理解のために重要ですし、支援策を家族と一緒に考えるときにも必要な情報になります。


一つわからなかったのが、
「自己理解を進めると、自己肯定感が下がる」
という意見。

確かに、子どもの苦手なところをとりあげて、「そこが悪いのよ」という価値観のお仕着せをするならあり得るかもしれませんが・・・。

基本的には、
・神経質→細かいところによく気づく
・仲間に入ろうとしない→客観的に人を見つめられる
・おとなしい→思慮深い
・さわがしい→ムードメーカーになりえる

つまり、短所と長所は表裏の関係なわけです。
良いか悪いかという価値付けが自己理解ではないのでは?

これは、支援者側の「障害観」を直接問われるのだと思います。
「治す」
というより
「変容する」
なのでは。

エネルギーを出させなくするのではなくて、そのエネルギーを利用して、社会適応に変容させる、ということだと思うのです。


もう一つ。
恐怖に感じやすい対象を
「少しずつ慣れさせる」
とか、
「論理療法で感じ方を変える」
だとかも、ちょっとわかりませんでした。

「少しずつ慣れさせる」
確かに必要なこともありますが、
大人になっても、「それ」への恐怖を「なくす」ことが必要なことか・・・。

たとえば、運動会のピストルの音を
少しずつ慣れさせる指導が果たして必要か。
成人してから、ピストルの音を人生で何回聞くのでしょう。
まあ、将来、「ドンパチやる職業」に就くなら別ですが・・・。

私は小学生の頃、花火が怖くて仕方ありませんでした。
「ほら、怖くない、怖くない。見てご覧。きれいでしょ」

余計なお世話でした。
怖い物は怖い。見たらもっと怖いのです。

期限を区切って、子どもの内面を変えるという風に考えない方がいいような気がしています。
怖いけど、行動がこう変わったというならわかります。
変わるとしても、少しずつ、子どものペースで変わっていく、慣れていくのであって、
大人の側が、慣れろ、慣れろとやっても、慣れないものは、慣れない、のでは?

想像力が弱い子が、新しい課題に尻込みするなど、説明と見通しを持たせることは有効な指導ですが、本能的に怖い、という内容のものについては・・・。

「論理療法」
も、ある程度知的な高さが必要でしょうし、いくら理屈を並べられても、本能的に怖い物は怖い、のでは。


でも、子ども達のためにいろいろ試行錯誤されている先生方の姿が見えてきて、本当は感動していました。


ケース検討終了後、個人的な相談、というより構音検査のやり方についてのミニ講義をしました。
初めは一人の先生向けだったのですが、他にも参加したいという方がいらして、結局半数の方が最後まで聞いてくださいました。

本当は、1年、2年かけて研修することをわずか30分にまとめて、となりましたが、先生方の研修意欲には頭が下がる思いでした。


参加者の皆さんはどんな思いだったか、フィードバックする仕組みが必要に思いました。

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【コメント】ニセ科学、三段論法まんえんの危機

日本神経科学学会は、脳活動の測定方法の安全性や測定でわかることの限界を知り、検証を受けた論文などを発信するように求めています。
(該当ページは検索してみてください)

怪しげな論文発表に対して、きちんとした科学的批判の目を持てるかどうかは、日常の子ども理解を正確に行えるかどうかにもつながるのではないでしょうか。

子ども達の利益のために、怪しげなものには毅然と対峙しなければなりません。

そうした力をつけるため、問題を作ってみました。

以下の記述は科学的根拠があると言えるか。言えないとすれば、その理由を説明してください。



折り紙が折れないとき、脳の一部が不活性だった
                ↓ 
脳のその一部が不活性な別の子は、縄跳びがとべなかった。
                ↓
したがって、折り紙が折れない子は、縄跳びができない。
                ↓
転じれば、折り紙が折れる子は、縄跳びもできる。
 

発語ができない子は、脳の言語野が活性していない
              ↓
脳の言語野が活性していないある子は、話しかけても意味がわからない。 
              ↓
したがって、発語ができない子は、話しかけても意味がわからない。
              ↓
転じて、発語ができる子は、話しかけても意味がわかる。


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【研修報告】ケース会議で「情報が足りない」と感じることがねらい

今日は、管内の会員が集まっての一日研修会でした。

講演会の講師は、発達外来で心理を担当されている臨床心理士の方で、
通級のお子さんもお世話になっている担当者が少なくありません。

前半は発達障害についての基礎的で、正確で、よくまとまった内容の講義でした。
初めて通級を担当した方には、最低限必要な知識であり、ベテランの方にもこれまでの知識を整理するという点でとても有意義でした。

後半は、ある事例をもとに、グループに分かれて、子どもの状態像の把握や指導の方針を話し合いました。

事例の情報は一見、そろっているかに見えますが、実はとても足りません。

講師の先生は「情報が足りない」と思えることが今回の研修の目的、とおっしゃっていました。

医療でも教育でも、ともすると現象面だけに注目し、クライエントの全体を理解することがおろそかになるため、まったく見当外れな支援策をとってしまうことになります。

アセスメントには、指導しながら子どもを少しずつ理解する方向性と、いろいろな情報を集めて総合的に判断する方向性と、2つの方向性があります。

どちらかが欠けても行けません。
ただ、週の限られた通級時間での支援のためには、いろいろな情報を集めて総合的に判断し、内容のフィット度を高めるということは必須事項です。

講師の先生は、「客観的に判断すること」、「アセスメントを繰り返しやり直すこと」の必要性を強調しておられました。

限られた時間での支援という点では、医療の心理も、学校教育での通級指導も、全く同じであり、通級担当の明日からの支援に直結する内容となりました。

よく考えられた研修内容で、きっと学校教育の諸事情を実はよくわかっておられるのだろうと感じました。

現象面だけではなく、その背景、経緯全体を理解すること。
それは教育の本質であり、医療もしかり、そして通級指導教室が数十年大切にしてきた歩みです。


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【コメント】「専門性」と「共生」は対立概念なのか?

「専門性」というと、豊富な知識で個別指導というイメージをもちがちですが。
違います。それだけではありません。

「専門性」には、他児との交流という視点も当然含まれるわけです。

スペシャリストの視点と、ジェネラリストの視点、両方が大事なのです。

個別の場か、共同の場か、という二者択一ではなくて、その子に合わせた「しなやかな連続性」が必要なのです。

主義主張もわかりますが、目の前の子の気持ちに立って欲しい。
それが私の一貫した願い。


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自主研修会 大好評

今夏の長期休業中の「自主研修会」を呼びかけたところ、述べ20名、3日間に分けての実施の運びとなりました。

始めた頃の2倍の人数です。

研修は、ケース会議を積むだけでは、土台から崩れてしまう
(平たく言うと、我流に流される危険がある)し、
基礎知識の研修だけでは、臨床への般化が難しい。

両方を有機的に融合し、他職種に学んだ研修体制の構築が必要なのだと思っています。

理論と実践と、OJT。

自主研修会は、他地域でも試みられるようで、将来的には連携なども考えられるかもしれません。

個人的な取り組みが障壁になるなら、いっそ組織化しようとも考えています。

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【コメント】「特別支援教育」

「『側にもう一人先生がついていれば、あの子はできる』
は、裏を返すと、
『あの子は、先生が側についていなければできない』
となり、これは集団生活の上でマイナス要因である」

・・・

前後の文脈がわかりませんし、どのような意図でこうした発言に至ったかはわかりませんが。

ならば、

近眼の子にめがねを与えるのは、集団生活にとってマイナスなのでしょうか?

脚の不自由な子に車いすを与えたり、少し広めのスペースを確保するのは、
集団生活にとってマイナスなのでしょうか?

逆上がりのできない子に、足がかけられる補助具を与えることは、集団生活にとってマイナスなのでしょうか?


「学級集団はみんな、がんばれば同じだけできるようになる」
「人は生まれつきみな同じ」
「できないのはしつけが悪いから。本人の努力が足りないから」

という幻想が、未だに正論のようにはびこっていることに、強いショックを受けたのでした。

「この子がいたから、みんながやさしさを学んだ」
こうした声も、別のケースから、今日は聞かれました。


違いすぎる世界観が、今も同居しています。

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【研修報告】 ”LD”="low" もあるけど、だめじゃない

札幌市自閉症・発達障がい支援センターおがる 所長の 加藤 潔先生の講演を聴きました。

明るく前向きな「障害観」が、ユーモアたっぷりに語られていて、講演後のアンケートでは、「勇気づけられた」、「前向きに」といったポジティブな感想がたくさんありました。
(一応、私も主催団体の役員なので、アンケートを見せてもらえたのです)

LDは、「学習障害」ですが、加藤先生によれば、
LD=L("low”もあるけど)、D(だめじゃない)

ADHDは、注意欠陥多動性障害ですが、
ADHD=A(あきっぽいけど)、D(だめじゃない)、H(ハラハラするけど)、D(だめじゃない)

なのだそうです。

「点字は、目が不自由だから使うのではなく、触覚が優れているから使う」という表現にも、ICFモデルの「障害観」の本質が表現されていると思いました。

***

この講演に先だって、私は今年も講座を担当させていただきました。
教材紹介を中心にし、参加型の講座にしました。
アンケートを見ると、「あっという間で楽しかった」、「時間がとてもたりなかった」、「もっと聞きたかった」、「教材はこのように作るのかととても勉強になった」という主旨が多く、ありがたく思いました。

顔見知りの方、懐かしい方も今回は多く参加されていて、「縁」というものの尊さを感じました。

事前事後に、参加者から何ケースか個人的なご相談を頂いたのですが、短い時間なので、「つなぐ」のが精一杯でした。
つなぐ先は、私自身だったりする場合もありえるのですが。

***

先週は、就学指導委員会での研修講座、校内の通級についての研修、そして今回の講座と、3つの準備と発表を同時にしながらの生活でした。あまりに忙しいと、もう笑うしかありません。



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【研修報告】局専門家チーム会議~ツールが目的ではない

 管内の教員や保健師、医師、有識者などの「専門家」が集まる会議が開かれ、今年も巡回相談員の委嘱を受けたyaも出席しました。

 議事では『個別の教育支援計画「そだちの手帳」』の普及について議論されました。

 『そだちの手帳』は、「幼稚園・保育所申し送りシート」、「フェイスシート」などからなる「個別の教育支援計画」、「個別の指導計画」、「支援メモ」、「同意書」などから構成されています。各機関で活用するためのたたき台としての意味合いを持ちます。

 この手帳をどのように普及させるかが議題となりました。

 出席者からは、「使ってみて、使い勝手の良さを検討しては」との意見がある一方、「様式を作ることが目的ではない。作成前に関係者が集まって話し合う過程そのものが重要」、「作ること自体が目的になると、子どもにとって無理な指導目標を立てられたり、作成後に金庫にしまわれたりする。研修体制を整えることと同時に普及を進めなければ危険」などの意見が出されました。

 一方、管内の巡回相談事業については、「相談ケースを増やすことが目的ではない」、「特別支援学校のパートナーティーチャー派遣事業との連携を」、「巡回相談申し込みの時点で、子ども理解の観点を示すことで、学校と保健師などの関係者とがつながり、各自治体の自立につながる」などの意見が出されました。 
 他地域の巡回相談事業を経験したことがある保健師からは、今後の活動に示唆のある情報提供がありました。

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【研修報告】児童精神科医 門 眞一郎氏 講演会

 門先生は「自閉症スペクトラム障害」について、「発達がデコボコしていると言われますが、『ならして平らにしなければならない』というイメージになってしまいます。私は『でこぼこ』ではなく、『発達にメリハリがきいている』と表現しているのです」
と述べました。

 また「障害か、特性か」とよく言われることについて、「特性(メリハリ)は、度が過ぎれば障害レベルに至り得ます。(障害と特性とは)連続体であり、流動的です。支援の質と量によっても変わるでしょう。だから、あれかこれか(障害か個性か)の問題ではないのです」
と話しました。

 後半は、自閉症スペクトラム障害のある人に対する「視覚的構造化」の重要性について話がありました。
 「人とのコミュニケーションは、ことばだけはありません。視覚的な手がかりでコミュニケーションができるなら、それが大切です」
 
 「視覚的構造化は、自閉症の人に対するだけでなく、世間一般に急速に普及しています。
 銀行の受付待合人数の表示や、横断歩道の残り時間の表示、バスの優先席の対象をマークで示す、などです。
 『世間一般では視覚的構造化がされていないのだから、学校ではことばに慣れさせなければ』という先生がいますが、全くの間違いです」
と力を込めていました。
 
 最後に、「自閉症の医学的な診断基準は問題点や不得手なところばかり取り上げています」と述べ、肯定的な記述のされた「アスピーの発見基準」の紹介がありました。
 
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私は管理職はめざしませんよ~

管理職はどうですかと声をかけられますが、指導主事も目指してと言われますが、本人はまったくその気がありません。

過日このブログにもアップした「自主研修会」ですが、なんとある種の会計監査で関係書類を提出するよう求められました。

提出すれば事なきを得るようですが、一生懸命やっているのに、勤務をサボっているのではと思われたようで、決していい気持ちにはなりません。

個人でやっているので、開催要項や名簿はきちんと管理しなければなりませんが、通級担当の新しい先生などの支援は時代の喫緊の課題ですし、国もそのことを認識しているはずです。
なのに、重箱の隅をつつくようなことでは・・・。

というわけで、書類は管理しなければならないことは認識しましたが、職員を管理することには全く関心がありません。

ごめんなさい。

ついでに書けば、今の勤務地は生まれ故郷なのです。今年で8年目になりました。
個人的な思い入れもあって、この地に特別支援教育を根付かせたいというのが、私の人生をかけての願いです。でも人事の決まりは、通級担当にも容赦なく適用されます。
様々な状況から、私の番になる可能性が高まってきました。

そうした杓子定規的な人事も、教育行政をやりたくない理由の一つになってしまうのです。

決して教育行政を批判する意図ではなく、私の肌には合わないという主旨でした。

行政は一律に同じようにしなければならないというお立場はわかります。

でも、チルドレンファースト(子どもが第一)ですよね。

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【セルフヘルプグループ紹介】吃音の当事者でことばの教室の先生のお話がラジオ放送に

HBCラジオ 北海道元気びと
http://www.hbc.jp/radio/genkibito/index.html

ここでラジオ放送の録音を聞けます。

セルフヘルプグループがいかにすばらしい集まりであるかということに
感銘を受けました。

そして、私の地域にも必要だ、
何か私にもできないだろうか、と思いました。

吃音を気にしないのではなく、むしろ向き合うこと、
そしてそのプロセスに寄り添う人が必要だ、
という主旨に感動しました。

北海道言友会 http://www.geocities.jp/hokkaido_genyukai/
 

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【自作教材紹介】「逆唱カルタ」逐次読み、新規単語の習得しにくさ、発音の定着しにくさに

材例
【教材名】逆唱カルタ
【目的】聞いた言葉を頭の中で逆に唱え、該当するカードを取ることで、語音を分析する力(発音や読み書きの土台となる力)を育てる。
【指導目標】
1 一定の音節数(2~5音節)の反対ことばを聞いて、音の順序を入れ替えて単語を
 同定し、その絵カードを取ることができる。
【やり方】
1 一定の音節数のある絵カードをばらまき、指導者が「反対ことば」を言う。
2 子どもはそのことばを頭の中で順序を入れ替え、単語を思いつき、その絵カードを 
 取る。
3 子どもの実態や必要に応じて、早く取らないと先生が取るよ、とスリル満点にする。
【適用できない例】 
1 事前に絵カードを通常の音の順番で呼称してみて、その名前が言えない場合。
【コメント】
子どもの実態に応じて、2音節の絵カードから始め、徐々に音節数の多い絵カードにしていきます。また、音節数を少なめにして子どもに出題させることで、よりいっそうの効果をねらうこともできます。
発音が一音ずつなら正音だが単語になると置き換わるとか、文字が逐次読みである、新しいことばがなかなか覚えられない、などの場合、音韻分析機能の弱さが背景にあるためかもしれません。もちろんそれ以外の要因も考えられるので、子どもの実態を正確に理解した上で、この教材の必要性を検討することが望まれます。


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【言語障害をテーマにした映画の感想】「英国王のスピーチ」見ました。「症状」だけでなく、その子をトータルに理解し、支えるということ

英国王のスピーチ

次期イギリス国王と目されていた主人公。4歳の時から、吃音が悩みでした。

ビー玉を7個口の中に入れて音読する「治療」をする怪しい言語療法から離れ、
団体会長の推薦で、無資格の「言語聴覚士」“ボーグ”のもとを訪れました。

呼吸法や運動療法、音韻への注意、歌いながら、下品なことばを言いながら、
などのあらゆる治療の甲斐もなく、症状は改善しません。

成果を上げない言語聴覚士ボーグに暴言を吐いて別れを告げる主人公。
しかし、望まなかった王位の継承が決まり、いよいよスピーチをする運命に。
再びあのボーグのもとを訪れます。

ボーグは「症状を治す」ということだけでなく、主人公の背景を丸ごと理解しようとしていました。
つまり、障害や病気の存在を隠す王族の体質、王族内の複雑な人間関係、
食事を与えられなかったなどの生育歴などを丹念に尋ねていました。
そして、主人公の人生全体に寄り添おうとする真摯で誠実な態度によって、
生涯にわたる信頼を勝ち得たのだろうと思いました。

主人公の奥さんは、「あなたと結婚したのは素敵な吃音だったから」と
彼をポジティブに励まし続けていました。
身近に理解者があることは、どれだけの励みになるでしょうか。

ことばの教室で吃音のある子ども達を見ている私は、
果たして「治療者」としてではなく、「理解者」として子どもと出会っているだろうかと思いました。

そして、この映画からは「あなたは、支援の意味を本当に理解しているのか。
相談者の人生に丸ごと寄り添う覚悟があるのか」と問われたような気がしました。

王としてスピーチした時、そばに「言語聴覚士」ボーグが寄り添い、
ある程度症状を抑えることができました。
しかしその内容は「ドイツへの宣戦布告」でした。
症状が抑えられたということと、その内容の悲しみとのコントラストが鮮明でした。
彼は王になることを望んでいませんでした。

果たして、単に症状が軽快することだけが、その人の人生にとって、
どれだけの幸せにつながるのだろうか。
人生とは、支援とは、という本質的な部分を問われたような気がして、
涙が止めどなくあふれてしまいました。

ちまたには、「○○療法で××障害が治る」という触れ込みの宣伝が満ちあふれています。
一見、科学的な体裁を整えているように見えて、実はそれは「ニセ科学」であり、
「バイアス(錯覚)」がその正体なわけです。
症状を治すことだけに注目し、それを売り物にする世の中・・・。

ことばの教室では、「症状」だけでなく、その子をトータルに理解し、
支えるということを大切にしてきました。
まさにこの映画も全く同じです。この映画では歴史だけでなく、
吃音や障害観についてよく調べているように思いました。

「障害観」のみならず、「支援」とは何か、人生とは何か、
人との出会いとは何かを考え直すきっかけになるとてもよい映画です。
強く推薦します! 
 
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この記事は、某団体の原稿を先取りして掲載したものです。

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【研修案内】今年もやります。「自主研修会PART5」手弁当で研修

自主研修会PART5 開催要項

2011年6月15日

「自主研修会」設立準備事務局
 

 一昨年から始めた「自主研修会」も5回目を迎えました。手弁当で集まる参加者の親睦を深め、力量を高めるため、お役に立っているという実感があります。夏季休業中のため、ゆったりとした気分で研修できます。是非ご参加ください。


1 主旨 
(1)ことばの教室、通級指導教室の新しい担当の先生を含め、研究協議などを行うことで、地域の言語障害教育、通級指導の教育の質の向上を図る。
(2)通級担当以外の関心のある方とも交流を深め、特別支援教育における地域の連携に寄与する。


2 対象 ことばの教室担当者、及び関心のある方


3 日時 2011年7月26日(火)、27日(水)、8月17日(水)、18日(木)のいずれか。
10:00~15:00(予定)


4 場所 ・yaの勤務校
      ・または3名以上集まれる管内の希望の場所


5 内容 ケースレポート検討(事例レポートの提出は任意。レポートがない場合は、学級通信や教材など、話題として何か一品お持ち下さい)


6 会費 無料


7 定員 最低開催人数3名、最高10名(3名以上集まれば、ya 自ら出張します)


8 用意する物  ○A4サイズの簡単なケースレポート(任意)1枚×人数分 
          ※レポートは別紙様式を参考にし、書ける範囲で書いて下さい。 
           ○食物(昼食、お茶菓子も含め、各自ご用意ください)
          
※ 謝礼などのお気遣いは、一切必要ありません。


9 申し込み方法  別紙に記入し、7月13日(水)までに提出ください。


10 その他  日時、場所の決定後などに改めて開催要項の作成が必要な学校等があれば、お気軽にご相談ください。


11 主催者  ya(某小学校ことばの教室教諭)
         (「自主研修会」(仮称)設立準備事務局)  


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【研修報告】『標準聴力検査の方法』

発達支援センターには、定期的に聾学校の先生がいらっしゃって、
相談をしてくださっています。

今回は相談時間の合間を縫って、「標準聴力検査の方法」と題して
お話を頂けるので小学校の先生もどうぞ、とお誘い頂き、急きょ数名が参加してきました。

内容は極めてベーシックで、聴力障害の基礎知識と、聴力検査機器の使い方の話でした。

聴力検査は、気導と骨導の2種類あり、比較によって、
障害のある耳の部位を把握できます。

気導聴力だけ弱ければ外耳、鼓膜、中耳の問題、つまり伝音性難聴。
骨導の値も低ければ内耳、つまり感音性難聴。
両方であれば、混合性難聴です。
また語音と音の周波数とは関連しています。

LD(学習障害)の「聞く」ことの困難は、聴力障害がないのが、定義上前提です。

だから、聴力検査で異常がない、つまり「きこえ」に問題がなくても、
語音の認知は脳の別の部位の問題です。
パソコンにたとえれば、プリンタには線がつながっているのに、
プリンタを「認識」しないと印刷できない、ということと同じです。

ただ、LDだと思って指導していたら、実は特定の周波数が聞こえていない、
ということに後で気づかされる場合もあります。

低学年までは中耳炎などできこえが弱くなっている場合も疑う必要があります。

聴力障害の除外診断(判断)のためにも、ことばの教室で、
必要に応じて聴力検査を行うのは基本と言えます。

教室に6つの周波数が測れる聴力検査機器はありますか? 
なければ予算要望を!

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この記事は、当言語障害教育団体の記事を先取りして掲載したものです。


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コメントによる教育相談のお返事

コメントでご質問頂きますと、お返事をお相手に直接できません。
それで、この記事の場でお返事します。
この記事で個人が特定されることはないと思いますが、質問の表現を変えてさせて頂いています。
でも主旨はそのままです。


Q1
意識すれば上手に「し」が言えるが、会話や、ちょっと長い文章になると舌を前歯ではさんで発音してしまう。

A1
あともう少しというところでしょうか?
もともと、舌を出して練習していたのでしょうか?
それとも、もともと歯間音化していた事例でしょうか?
歯のかみ合わせはどうか(オープンバイトではないかとか)、
あごの大きさはどうか、
姿勢は、
いつも口がぽかんと開いているか、
などとの関連で検討する必要があります。
側音化構音の指導で、舌出しで練習した場合、
若干舌が出る状態が残ったとしても、
側音化は改善して会話明瞭度が向上しているならば、
終了としているSTもいます。
ただ、もう少し般化を図りたいなら、「ましたゲーム」などで、
注意をそらせても正音が出せるゲームをしてみてはどうでしょうか。



Q2
「が」「げ」が、単独音や単語、パバマ表のときは、ずいぶんきれいに発音できますが、文章に出てくると、歪む場合があります。

A2
「が」が歪むというのはどういう歪みでしょうか?「げ」の歪みとは同質でしょうか?
側音化なのか、口蓋化なのか、舌の動きを見て正確に評価する必要があります。
単音節できれいなように聞こえても,文章になって、他の音との渡りの関係ができると歪むという場合、本当にそうである場合と、実は単音節でも歪んでいる場合もあります。
舌の動きを直接見て評価することが大切です!
もし、評価が正しいなら、A1と同じように、般化のためのゲームがよいと思います。
また、短文レベルの練習をしていないのであれば、2語文、3語文と練習してみては。

Q3
現在、「キ・ギ」が歪む子供で顎がかなり小さく、不正咬合の子がいるのですが、単音まで進んだのに、他の音を付けるとどうしても歪んでしまいます。(特に語尾)
きれいに出るときもあるのですが、安定しません。脱力はでき、呼気も中央から出るようになった事を確認したつもりだったのですが、
どうも舌が広がりきれない感じがあります。
舌を出させると、広がると言うより、前へ出る癖がかなり強いように思われます。
「イ」の指導がきちんとできていなかったと言うことなのでしょうか?


A3
まず、不正咬合が発音に影響している可能性をどのように評価していますか?
それと、単音節ではよいが、他の音をつけると(無意味音節のレベルで?)
歪む場合、音韻分析能力はどうかということをまず疑います。
つまり2音節になると、もうワーキングメモリがいっぱいで、歪みに注意している場合ではないという具合です。
また、同じ2音節でも、特に語尾で歪み、語頭ならまだ良いということであれば、
やはり音韻分析を疑いますが、その点はいかがですか?
つまり、反対言葉(すい→いす、など)やしりとりなどはできますか?
音と文字との対応は大丈夫ですか?

また、呼気が中央から出ていても、舌の緊張がとれていなければ、同じような状況になるかもしれませんね。
そうならば、急がば回れ、初めからやり直しということになります。ちょっとシビアですが。

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【自作教材紹介】「並べ替えて単語!」文字の読みや発音の般化に関わることがある音韻分析能力

 
【教材名】ならべかえて単語!
【指導目標】
1 頭の中で文字を並べ替えて、単語を作り、言うことができる。
 
【やり方】
1 カードを一枚引き、単語を言うことができたら一枚ゲット。
【適用できない例】 
1 ひらがなを一文字ずつ読むことができない場合。
2 できあがる単語の語いが獲得されていない場合。
3 単語の音節数を数えることができない場合。
【コメント】
文字の読みがたどたどしかったり、発音が単音節レベルなら良いが、単語レベル以上になると置き換わるといった事例に。文字の読みのたどたどしさには様々な背景がありますが、この教材では音韻分析能力にターゲットを当てています。文字の形を見分けたり、注視できない場合といった他の要因から来ている場合は、この教材はヒットしません。
また、単語の音節数を数えること(音韻意識)が難しい場合も、この教材はレベルが高すぎます。(たとえば、「いす」は2音節、「たまご」は3音節など)
子どもの力に応じて、単語の音節数の多少を予め選んでおくことも大切です。

「よんきびう」→きんようび は、NHK教育「0655」のぱくりです。

 

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【自作教材紹介】「オリジナル組み合わせカード」抽象概念の発達のお手伝い





教材例
【教材名】オリジナル組み合わせカード
【指導目標】
1 4つの中から違うものを指摘できる。
2 違いの理由を端的に説明できる。
【やり方】
1 オリジナル組み合わせカードを一枚取る。
2 まず絵の名前を一つずつ呼称した後で、違うものを発見し、指さしする。
3 違いの理由を説明する。できたらカードゲット。
【適用できない例】 
一つ一つの絵が何であるかがわからない段階の時。
 
【コメント】
 物には属性、つまり、機能や用途、材質などがあって、物の名前とは別に存在していて、同じ物でも名称と属性とで違った呼び方をすること。それは抽象概念であって、多くの具体物からの共通点、異質点の抽出、捨象であること、ということの了解が難しく、一つ一つ丁寧に教えてあげることで獲得していく子がいます。
人間関係でも、数多くの経験から共通点、異質点を見いだすことが難しいと、過去の経験を次に生かすことが難しくなります。
抽象概念の発達を手助けする教材です。


関連記事
通級用の教材おかず1品 6  組み合わせカード

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【自作教材紹介】「かんたん4択なぞなぞ」文字の読み、言語概念の発達に


【教材名】かんたん4択なぞなぞ
【指導目標】
1 短文をスムーズに読む(聴く)ことができるようになる。
2 短文の意味を正確に理解できるようになる。
 
【やり方】
箱から取り出したカードを読み(読んであげて)、なぞなぞの答えを選ぶ。正答ならゲット。
【適用できない例】 
 ひらがなの読みがまだ困難な場合。字間の狭さのために読みが著しく困難になる場合。(読んであげる場合は可能)
【コメント】
 キッズラブ http://www.kidslab.net/quiz/index.htmlの「クイズであそぼう」のなぞなぞがたいへん役立ちます。
 なぞなぞの内容自体はとても簡単なので、問題の意味が理解できさえすれば、ほとんど答えられるでしょう。逆に言えば、誤答の場合は、短文の理解ができていない可能性があります。
 文字の読みが若干たどたどしかったり、ミスがあったとしても、正答できれば、意味は理解できていた可能性があります。
ただ、たまに少し難しい抽象語の意味を問われるときもあります。
 
 

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【自作教材紹介】「文のまちがいさがし」人の話を聞けない、読めない背景の一つにアプローチする

【指導目標】
1 短文をスムーズに読む(聴く)ことができるようになる。
2 短文の意味を正確に理解できるようになる。
3 短文の内容的な誤りを指摘することで、分析的に思考したり、人の話を注意深く聞く(読む)力が育つ。
【やり方】
箱から取り出したカードを読み(読んであげて)、内容的な誤りの有無や、誤った内容、修正候補について説明できたらカードゲット。(子どもに応じて難易度を変える)
【適用できない例】 
「まどをぞうきんでふく」の「で」の意味がまだわかっていないなど、不注意の問題というより、文法的な理解がまだの場合。
【コメント】
 人の話を注意深く聞けないということの背景には様々あります。言語理解の問題、注意の問題、関係性の理解の問題などなど。
これは、人の話を注意深くために、明らかに誤った内容を指摘するというゲーム的要素を取り入れた教材です。もともとは失語症のHP「岡山県言語聴覚士会」から借用し、子ども用にアレンジしたものです。
http://www.kawasaki-m.ac.jp/mw/commhw/okayamast/cms/
 


引用

岡山県言語聴覚士会


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【自作教材紹介】 ワーキングメモリに負荷がかかっても正音が発音できることをめざすゲーム「ましたゲーム」




【指導目標】
1「シ」音が2語文中でも正音が出せるようになる。
2 助詞を上手に活用することができるようになる。

【やり方】
1 シャッフルした絵カードを裏にして場に積み上げ、一枚を表にして置く。
2 「○○しました」と書かれた文字カード(以下、ましたカード)を箱の中に入れておく。
3 じゃんけんして、順番を決める。
4 ましたカードを一枚取り出す。
5 ましたカードと絵カードを組み合わせて文を作り、発表する。相手は文の内容が通る意味かどうか判定する。
例)
「かがみを」「のみました」→ありえないので×
「かがみを」「わたしました」→文として成り立つので○

6 文が通じた場合は、その絵カードをゲットし、通じない場合は、相手の番になる。
7 9枚先にゲットしたら勝ち。

【適用できない例】
1 文字の読みがとても苦手。
2 文の判断が難しい場合。
3 シ音が単語、2語文復唱レベルまで安定していない場合。

【コメント】
単語レベル、2語文の復習では意識しているので「シ音」が正音だが、意識が少し他に向くと、油断から誤音になる子がいます。このゲームでは、注意が他にそれても正音が出せることを目標にしています。(ワーキングメモリの視点でも)。特に「ました」の「し」は油断しやすいです。いろいろな組み合わせがあるので結構おもしろいです。


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