忍者ブログ
某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
ブログ内検索
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[01/11 board]
[11/21 西村徹]
[02/23 留萌小学校ことばの教室]
[05/10 プー子]
[01/11 にくきゅう]
[11/25 なっか]
[10/26 さつき]
[10/12 赤根 修]
[08/21 赤根 修]
[05/28 miki]
[05/28 miki]
[05/13 赤根 修]
[05/06 赤根 修]
[04/15 miki]
[04/15 赤根 修]
[03/12 かわ]
[03/09 赤根 修]
[03/03 KY@札幌]
[03/01 赤根 修]
[02/28 hakarino]
[02/23 kさん]
[02/23 miki]
[02/12 suge]
[01/15 suge]
[01/15 miki]
バーコード
アクセス解析
[28]  [29]  [30]  [31]  [32]  [33]  [34]  [35]  [36]  [37]  [38

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

障害を受け入れるということの意味

徒競走で一番遅く走っていても、みんなが「がんばれー」「がんばったねー」と拍手しながら応援している・・・。
 
それが特別支援教育なのだと思います。
 
体格も育ちも一人一人違うのに、個人差を無視して、みんなと同じ速さで走りなさいということが、果たして教育なのでしょうか?
 
「子どもの気持ちを理解する」、ということは、どこへ飛んで行ってしまったのですか?
  
映画『英国王のスピーチ』では、吃音のある国王の演説を傍らでリズムをとってあげたり、じっと温かな表情で見守る、言語聴覚士の姿がありました。
 
「よりそう」ということばが、まさにこのシーンのためにあるとさえ思えました。
 
それまでは、「ちゃんとしゃべりなさい」と発破をかけられ続け、精神的に崩れていった国王の生育歴がありました。
 
  
某学力向上プランには、「全員が○○できるようにする」と書いてありました。

これを教師に置き換えて考えると。
 
私は教師です。ピアノはバイエルの85番しか弾けませんが、何か?
私は教師です。人物像を描くと、ゲジゲジみたいになってしまいますが、何か?
私は教師です。書字は下手ですが、何か?

「適材適所」によって、その先生の能力が発揮できればよいのでは。

全ての先生が、全て同じことができなければならないことが大事なのか。
それぞれの先生の長所が生かされる学校が、子ども達にとっていいのか。

子ども達だって、
みんながみんな、同じように「標準的に」できるようにすることが、教育なのでしょうか?
できなければ、その子は「だめ」なのでしょうか?

他人との比較ではなくて、その子自身の伸びをこそを見るべきではないでしょうか。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

 

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


PR

「標準に近づかせるためではない」

言語聴覚士で、子どもの発達支援を考えるSTの会の中川信子先生は、
 
『ことばの遅れの全てがわかる本』講談社 のまえがきで、次のように述べています。
 
「丁寧な配慮や働きかけは、子ども自身が生き生きと、自分らしく生きていくために必要なのであって、標準に近づかせるためではありません」
 
検査などを行うと、標準よりこれだけ落ちているから、この部分を伸ばそうと、思いがちですが。
 
確かにそうしたボトムアップも大事ですが、それが誰のためなのか、本当に子どものQOLや自立のために必要なことなのか、子ども本人の側に立って想像力を発揮することが、支援者に求められているように感じています。
 
あるカウンセラーは、「『教師』ということばはあるが、『育師』ということばはない。教師は教えることに重点が置かれるが、子どもが育つという視点に立つのがカウンセラーだ」という主旨をおっしゃっています。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


【自作教材紹介】コリントゲーム

d3fec4160cc5688e53171b5f09181a18.jpg

だんだん、凝ってきました。
 
c284c65f17b4ced2a5ab83e21be439ab.jpg
 
迷路に凝りました。
 
 aba24d7521ae47c1c441078b434dfefb.jpg

もう徹底的に凝りましょう。
 
ビー玉を2つ、3つにすると、さらにおもしろい。
 
目と手の協応、眼球運動、運動の制止や力加減の調整機能のトレーニングに。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


場面緘黙と不登校

子どもの内側からの理解が必要だと思うのです。

そして、話せるようになること、登校できるようになることが、指導のゴールではないのでは、ということ。

話せるようになる「ことによって」、登校する「ことによって」、何が願われるのか、ということが大事なのでは。
その願いこそが、「話せる」「登校できる」ことよりも、まずは大事なのだと。

その子にとっての安心感、楽しさ、共感が全ての基本だと思うのです。
そして、安心感を前提にした所属感も。

関係者が理解してくださって、とてもありがたいのです。
長い目で見ることの大切さを。
そして、一日一日が、手作りの関わりの積み重ねであり、長所を生かすための関係調整であるということを。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へにほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


児童虐待 NHK 日曜討論

http://www.nhk.or.jp/touron/

途中でこの番組を発見し、しかも携帯ワンセグ録画のため、
時々内容が切れてしまう状態で見ました。
したがって、内容の全体像を把握しているわけではありませんが。

印象に残った発言

・「(社会は)自立と依存のバランスを考えることを怠ってきた」

・「シングルマザー平均年収170万 80%就労は先進国1位」

・「格差と貧困は別。規制緩和以降の多様化により格差が生じた。
しかし、貧困はシステムの不備」
 

・共同体をどう再設計するか


・男女賃金格差 広がっている


・ソーシャルスキルの指導は、
ソサイエティ(社会)自体が安全でないとできない


・「社会のために役立ちたいか」という質問に、
30年前は、「役立ちたい」 45% 
現在    「役立ちたい」 65%
に増えているという明るい話題も。
(母集団と、アンケート手法は聞き取れませんでした)


(感想)
ソーシャルスキルの話題は、社会をよく知らずに
世の中に出る若者が増えている、という議論の中で出てきました。

家庭や学校の安心が保障されていないと、
教科書的な「ソーシャルスキル」を指導する段階ではないですね。

そして保護者支援にあっては、「お父さんの陰が薄い」とか、
「お母さんがもう少し、子育てに関心を持って欲しい」
なんて、そんなことは気軽には言えないです。

実態を知れば知るほど。
むしろそうした親御さんを支えるシステムの問題。

私自身も、そのシステムの一部を担っているという事実。
そこからスタートしない限り、親御さんの不安を受けとめる、
なんてできるはずはないと思うのでした。


私は今、生まれ育った町に勤務しているので、
うん十年前と比較できます。
過去の記憶なので正確だと断定はできないかもしれませんが、
人と人とのつながりは、今よりもっと濃密だったように思います。

地域の行事というと、ほとんどの家族が集まっていました。
そしてやはり、昔から、子どもを強くたたいたり、
見ているだけでかわいそうになる子どもの家族、
という姿も見ていました。

思い出すのですが、そうした親御さんのところには、
他の家族が次々と、その家族のところに訪れて、
食べ物をあげたり、雑談をしていました。

そして地域の大人達は、どこの子はどうだということを
よく炉辺談話で話しているのを聞いていました。

地域で子どもを育てる環境があったし、
危険性のある家庭のことは、
地域で情報共有されていたように思います。

子どもの私にさえ、情報が流れてきていましたから。

児童虐待防止は、そうした、社会と個とか、
個人情報のこととか、労働とは何かとか、
哲学的、本質的な枠組み自体の見直しの中で、
構築されなければならないのかな、と思いました。



北海道のある自治体では「待機児童0」の取り組みにより、
出生率があがったとか。

少子化は、子どもを後回しにしてきた世の中のツケでしょう。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

 

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


クローズアップ現代「“薬漬け”になりたくない~向精神薬をのむ子ども~」

クローズアップ現代「“薬漬け”になりたくない~向精神薬をのむ子ども~」
 
http://www.nhk.or.jp/gendai/
 
 薬だけに頼るのは良くないですし、教育的配慮でまず対応すべきとの主旨には賛同します。何かあるとすぐに「発達障害」とのレッテルを貼って、子どもの行動の背景にある気持ちを理解することが後回しになりがちであるという現状認識にも賛成します。
 しかし、この番組に対しては若干の疑問を感じました。
 
1 児童精神科医が「障害でなく個性としてとらえる」とおっしゃっていましたが、「障害とは理解と支援を必要とする個性」です。障害を個性としてとらえたり、対応できたりするだけの人員、人材が現在の学校に存在しているのか、という点の言及がない。国も、特別支援教育を実現するには、教員の配置がまだ足りないという認識を持っている、と公的に認めています。
 その点では「個性ととらえるゆとりが学校の先生にない」と医師はおっしゃってはいますが、学校の先生にとらえ方のゆとりがないのは、学校の先生自身の問題というよりは、世論が「学力向上」「食育」「読書」「早寝早起き朝ご飯」「情報教育(パソコン)」、「職業教育」、「道徳」、「外国語」、「時間割増」など、学校に求めるものの量と質の肥大化がある、そこから外れる子への個別的な対応がそもそも難しくなっている、という点での指摘が必要でした。
 少子化によって、自分の子どもへの期待の高まりという時代的流れもある。つまり学校の先生の立ち位置は、結局それらの世論によって左に右に動かされている、という背景認識が必要です。
 
2 医師を囲んでの教師の勉強会のシーンがありました。他児へのたたき方がマックスで、「痛い」との他児の訴えが絶えないという報告に対して、医師が「感覚の認知が弱いのでは」と指摘、「ブランコなどの感覚を育てる遊びが良い」とアドバイスしていました。このシーンは、薬だけに頼らずに対応する取り組み、との主旨で放送されたわけですが、ブランコなどの遊びは確かに感覚統合を養う上で有効「かも」しれません。(細かいことを言うと、たたき方の強さの感覚認識を高めるためとして、前庭覚を主に刺激するブランコは妥当なのか、ということはありますが)しかし、それには長期的な取り組みが必要であり、今どうするか、他児にけがをさせるかもしれないという状況に対する答えには、何らなっていないこと。(番組の時間の都合で、そこはカットしただけかもしれませんが、番組を見た人は、感覚統合に過度に期待してしまう「リスク」を感じました)
もっと言えば、薬の副作用を主張して、薬に頼らずに、という主旨に対する内容なのに、感覚統合療法という科学的根拠の実はない?内容をぶつけてくること自体、どっちもどっちではないのか、と思ったこと。(感覚統合の遊びのアドバイスが誤りだと言っているのではありません。薬に頼らずに、という主旨としては弱いのではないかということ)
 
3 番組冒頭で、薬を否定しない、と言ってはいますが、この番組を見て、本当は薬が必要なのに、取りやめる事例が多発しないかを懸念致します。成功事例も紹介すべきでした。
 
 私も、子どもが小さいうちから薬に頼るのはどうかと思いますが、明らかに誤った処方という事例に出会ったことは今のところありません。薬の副作用の報告を受けることはありますが、地域の医師も、薬の種類や量を加減しながら、副作用を減らして効果を高める取り組みをしていることがわかります。
 飲み始めは体に合わないこともあるわけですが、その部分だけをとって薬のリスクばかりを主張するのはいかがなものでしょうか。
 さらには、病院も、学校に対してお手紙を書いてくださり、対応方法を助言して頂くことも少なくありません。薬だけで、教育的対応が変わらなければ、薬の効果も薄くなる、ということもあります。だから、医師は単に薬を乱発しているだけというイメージでいくのは、ちょっと違うのではないかと思いました。
 今回の番組は、ちょっと副作用を誇張していないかと思いました。リスクと利益とを天秤にかけて、ケースバイケースで検討するべきなのであって、片方のリスクばかり主張し、子ども達が楽しく生活したり、自信を高めたりする機会を逆に奪う結果を招くとすれば、それはまた人権問題であると思います。

もちろん、薬の重篤な副作用を引き起こすことも人権問題であることを認めた上でのことです。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
 

特別支援教育 ブログランキングへ


 

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


【文献紹介】発達障害とことばの相談 子どもの育ちを支える言語聴覚士のアプローチ

『発達障害とことばの相談 子どもの育ちを支える言語聴覚士のアプローチ』

中川信子/著、2009、小学館

***(以下、紹介文より)***

子どもの「ことば」の不安が解消される本。ことばの専門家による定期的な相談・指導を受けるようになった親ごさんの多くは「ほっとした」「この子なりの成長を見守っていきたい」とおっしゃるようになり、望ましい親子関係が作られてゆくことが多いのです。(本文より)
 
第1級の言語聴覚士が、発達障害や何かの心配がある子どもの「ことば」を育てる暮らしをていねいに紹介。子どもの「特性」を生かしてよく育てるために大切なこと、が明らかになります。

***(引用終わり)

「なんとか法」を用いて子どもを「治す」といった治療モデル的アプローチが流行している中で、中川先生の本は、子どもをもっと長い目で見ていく大切さを具体的ないくつかの事例をもとに語っています。

必要な支援や配慮は、何のために必要なのかという本質的な問いかけをしてくださっています。

言語聴覚士向けのようなタイトルですが、ことばの教室の先生のほか、親御さんもぜひ。
中川先生の本は、読みやすく、わかりやすいです。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
 

 


特別支援教育 ブログランキングへ



 

 

 

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


ことばの発達の4側面

ことばの発達については、4つの側面から見ていく必要があります。すなわち、

・意味論
・統語論
・音韻論
・語用論

ことばには、ことばそのものの意味理解、文法、発音や音韻認識、言外の意味理解の各側面があります。
「りんご」は、単純に「りんご」という命名的な意味があります。そして、「りんご」は、誰が持ってきたのか、食べて良いのか、などの文脈の意味理解も必要ですし、聞き手に伝わるように「りんご」と発音できたり、「りんご」が語音として聞き分けられること、そして食べたいのかなどの意思表示を文で伝えたり、伝えられたりということが必要になります。

この4つの側面のどれも欠かせません。

 


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
応援の1日1クリックを!


特別支援教育 ブログランキングへ


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


日常生活に近いソーシャル・スキル・トレーニング

臨床実習生は、私の担当の指導の様子を参観し、事後に評価を検討しています。
また、一事例を選んで、4週にわたって、実際に指導を体験してもらいます。

私はある事例の子についての実習生への助言のなかで、
「フルーツバスケット」も考えていると、つぶやいていました。
実習生はそれをよく覚えていて、「フルーツバスケット」の指導計画を提案してきました。

「できるだけ日常の遊びに近い題材を」
「指導のために場を作ると言うより、自然な場の中で生じるドラマの中にSSTの視点を入れること」

日常大切だと思っている視点にも合致します。

子ども同士の関わりの中で、提案、質問、意見、合意、運営、修正、場を抜けるときの声かけなど、
普段の遊びの中に、様々なコミュニケーションスキルの要素が入っています。

そして、何人も集まると、何よりも、楽しい!

事後の担当者同士の振り返りでは、子どもの行動の意図や背景、
今後強化していきたい行動などを話し合いました。


大人が子どもに伝えるSSTも大事だし、子ども同士の中で育つものも大事です。

どちらかに軽重をつける意見がありますが、私は両方を組み合わせることだと思っています。

そして、SSTは通級指導教室でなければできないということではなくて、
地域の児童センターや、近くの公園での遊び、在籍学級での休み時間、学活など、
日常でもできることのはずだ、と確信するのです。

だから、「ことばの教室へ行ったら、SSTがやってもらえるよ」
というとらえ方に対しては、違和感を覚えるのです。

実際にはやれることもありますが、時間割の関係で子どもの組み合わせがうまくいかない、
ということの方がはるかに多いですし、日常と離れた場で指導しても、「日常への般化」が
うまくいくとも限りません。

上記の例は、非常にまれに恵まれたケースです。




にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
応援の1日1クリックを!


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


冬休み中の自主研修会改め「臨床研修会」

冬休み中に開催予定の自主研修会は、今回、○○言協の臨床研修会として試行できることが、先日の理事研修会で正式決定しました。これで、出張扱いか年休かということでもめることがなくなりそうです。
公的な正式な研修会です。3年の下積み実績がここまで評価されるようになったことをありがたく思います。
以下はたたき台案なので、まだ変わる可能性があります。

「○○言協臨床研修会」

これまで「自主研修会」として7シーズン開催し、ケース検討を中心に研修を進めてきましたが、このたび「○○言協臨床研修会」として、公的な研修会として試行できることが、平成24年10月5日○○言協理事研修会で正式決定しました。公文書はすべて、会長印をつけてお届けできます。もちろん非会員の方の参加も大歓迎です。
 前回の感想では、「児童の様子を踏まえて議論、検討するスタイルが明確でとてもよかった」、「(一般論でなく、)『この子にあった指導をどうするか』という観点が示されて、なるほどなと思った」、「レポートや教材などを持参しての研修は課題が明確でとってもよい」など大変好評です。
 長期休業中にゆったりと研修するスタイルです、お気軽にお申し込みください。


1 主旨
  • ことばの教室、通級指導教室の新しい担当者を含め、研究協議などを行うことで、地域の言語障害教育、通級指導の教育の質の向上を図る。
  • 通級担当以外の関心のある方とも交流を深め、特別支援教育における地域の連携に寄与する。
 
2 対 象 ○○言協会員、および特別支援教育に関心のある方
 
3 日 時 平成24年12月~平成25年1月の冬季休業期間中  10:00~15:00
(個人的な相談 9:00~10:00、15:00~16:00に設定します。要予約)
      期日は申込みアンケートを集約して決定し、後日公文書で案内状を発送します。
 
4 場 所 ○○小学校ことばの教室
        
 
5 内 容 ケースレポート検討 ※時間の都合上、一人で複数の発表はご遠慮ください。
      (レポートのない方は、代わりに教材を一品お持ち下さい)
 
6 会 費 無料(○○言協会員も非会員も、今回は無料とします)
 
7 定 員 最低開催人数3名、最高10名
 
8 用意するもの ○A4サイズの簡単なケースレポート1枚×人数分(後で連絡します)
          ※レポートは別紙様式を参考にし、書ける範囲で書いてください。
         ○食べ物(ご自分用の昼食、お菓子など各自ご用意ください)
          水曜日以外であれば、近くのお蕎麦屋さんの「○○そば」が美味です。
 
9 申し込み方法 別紙に記入し、12月7日(金)までFAX送信ください。
 
10 その他 参加者の決定後などに改めて公文書をお送りします。(○○言協会長印をつけます)
 
11 助言者 ya(○○小学校ことばの教室)

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
応援の1日1クリックを!


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


教育相談の進め方

教育相談の進め方について、相談がありました。

当教室での相談の流れです。

***

電話で教育相談の申し込み受理
(主訴を確認)
 ↓
質問紙(主訴や生育歴等の質問紙)と、相談案内状発送
 ↓
学級担任等からの情報収集(保護者同意の上で)
 ↓
事前のアセスメント情報を整理し、検査の選択をする
 ↓
職員事前打ち合わせ(この日までには、質問紙が返送されてくる)
質問紙の回答内容によっては、検査の選択を変える場合もある。
 ↓
相談実施(子どもと保護者に来室頂き、保護者対応と、子ども検査担当に分かれる)
 ↓
相談事後打ち合わせ 措置判断
 ↓
保護者に電話し、支援のプランを含めた措置判断の結果を伝え同意を得る
 ↓
教委と在籍学校に報告し、通級開始または経過観察

***

・検査の種類としては、
 『ことばのテスト絵本』、掘り下げ検査、構音類似運動検査、発語器官機能検査、視診
 構音障害の背景に、語音認知の課題、誤学習が疑われる場合は、聴覚的弁別検査も行います。

 場合によっては、心理検査(WISC、K-ABC、まれに田中ビネーなど)
 吃音の場合は、小林宏明先生の質問紙を用いることもあります。
 社会性については、『S-M社会生活能力検査』
 語いが低いことが疑われる場合は、PVT-R(絵画語い発達検査)
 特別支援学級在籍児童など、発達に遅れがある場合は、遠城寺式乳幼児分析的発達検査法を用いることもあります。
 読み書きの相談の場合は、心理検査のほか、読み書き検査や、フロスティッグ視知覚発達検査など。
 眼球運動や手指の巧緻性など、感覚統合についての簡易な検査をすることもあります。
 LDが疑われる場合、他の可能性を除外するため、生活リズムや体調、情緒面、家族環境、コミュニケーション面などもみていきます。

 情緒的な課題があるお子さんの場合は、心理投影法や自由遊びでの関わりの様子をみます。
 ただし、バウムテストなどの心理投影法は、研修を受けた教員がいないので、あまり用いませんが、絵の内容そのものよりも、描くことを通してコミュニケーションを取る中で、反応を評価していきます。

 いずれにせよ、来室時はまずラポート(信頼関係)を形成するため、自由遊びを行います。点数を用いるゲームなら、計算能力、手先を使った遊びなら、手指の巧緻性や運動面全体もみます。



・相談の流れについて、気をつけていることを挙げます。

1 子どもの第一印象だけで判断しない
 →「この子は会話ができるから、ことばに遅れはありません」
  という相談のやり方を見聞きすることがありますが、とんでもない話です。
  会話にも色々な会話があります。意味論、音韻論、統語論、語用論の観点で見る必要があります。また、「その時の状態」は、非日常であり、それだけで日常も同様だと判断するのは早計です。日常の情報や育ちの過程などを含めた総合的な判断が必要です。見た目の印象だけで判断できるのは、占い師だけでしょう。

2 子どもの問題の解決方法についてや、今後の措置について、保護者から質問があっても、その場では即答しない。
 → あとで、子どもの検査結果と保護者の意見、学級担任等からの情報を元に総合的に判断します。その判断と今後の支援について、後日電話などで保護者と相談します。通級に至った場合は、通級開始後に、ハウツーも含め、今後の支援策を話し合えばよいわけです。一回目の面接場面で回答してしまうと、検査結果や周辺情報との矛盾が明らかになるなど、かえって保護者を混乱させることになります。それは保護者にとってメリットどころか、デメリットでしかありません。その場での回答が必要なときは、一般論では、と前置きし、詳しくは後日、と話します。


3 通級妥当の判断は、子どもの状態だけでなく、保護者や学級担任等の意見、通級の物理的時間的条件、在籍校や地域での支援で代替できる資源はないかなどを総合的に判断する。
 →障害があるから、困っているから、ただちに通級、ではありません。
  支援には、通級以外にも方法があります。それらとの関係性の中で判断すべきです。

 これは通級の終了に関しても同じです。
 何か画一的な通級基準を設けて、それに照らし合わせて判断するというのは、一見公平のように見えて、実は一番差別的な判断であると言わなければなりません。様々な変数を掛け合わせた判断が必要なのです。

 文部科学省は通級基準について「通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする程度の者」としており、おおまかな基準はあります。しかし、あまり具体的にしすぎてしまうと、個々の事情を反映した判断ができなくなってしまうのです。
 かといって、何でも通級というのも、結果的には同じことです。



 にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
応援の1日1クリックを!

 


特別支援教育 ブログランキングへ






にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


記憶の種類

記憶には

短期記憶と長期記憶があり、

長期記憶には、

1 意味記憶(ことばの意味などの知識の記憶)
2 エピソード記憶(昨日遠足で弁当を食べて、などの出来事の記憶)
3 手続き記憶(自転車の乗り方など、俗に言う「体で覚える」記憶)

の3種類があります。

エピソード記憶や手続き記憶が良好だから、意味記憶も良好に違いない、とか、
その逆は必ずしも言えません。

これらをごちゃまぜにした議論があるので、改めて復習です。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


応用行動分析はいいのだけれども

子どもの気持ちを第一に考えたいものです。

子どもの行動の変容を考える前に、なぜそのようになっているのかを検討することが大切です。

某団体のケース会議は、その点が決定的に抜け落ちているように思えました。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


【自作教材】「ました」ゲーム



【教材名】「ました」ゲーム
 
【指導目標】

1「シ」音が2語文中でも正音が出せるようになる。

2 助詞を上手に活用することができるようになる。
 
【やり方】

1 シャッフルした絵カードを裏にして場に積み上げ、一枚を表にして置く。

2 「○○しました」と書かれた文字カード(以下、ましたカード)を箱の中に入れておく。

3 じゃんけんして、順番を決める。

4 ましたカードを一枚取り出す。

5 ましたカードと絵カードを組み合わせて文を作り、発表する。相手は文の内容が通る意味かどうか判定する。

例)「かがみを」「のみました」→ありえないので×
  「かがみを」「わたしました」→文として成り立つので○

6 文が通じた場合は、その絵カードをゲットし、通じない場合は、相手の番になる。

7  9枚先にゲットしたら勝ち。


【適用できない例】

1  文字の読みがとても苦手。
2  文の判断が難しい場合。
3  シ音が単語、2語文復唱レベルまで安定していない場合。
 

【コメント】

単語レベル、2語文の復習では意識しているので「シ音」が正音だが、意識が少し他に向くと、油断から誤音になる子がいます。このゲームでは、注意が他にそれても正音が出せることを目標にしています。特に「ました」の「し」は油断しやすいです。いろいろな組み合わせがあるので結構おもしろいです。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


聴覚障害と音韻認知障害

聴覚的認知が苦手なお子さんの場合、聴力検査を行って、聴力が正常域であるかを確かめることが必要なことがあります。私が通級を担当して以来、通級指導時の聴力検査で初めて聴力に問題があることがわかった子が数名いました。
 
また、聴力(きこえ)と聴覚は、まったく別物です。
 
きこえがよくても、語音の認識能力に苦手さがある場合もあります。それがLDにつながるわけですが、聴力を確かめずにLDと判断してしまうケースがあるのでないかと危惧します。
 
小学校低学年であれば、1年生の聴力検査以降に、中耳炎による聴力障害が見つかることもあるし、高学年でも耳垢がたまってきこえが低下している場合もあります。除外するために、少しでも疑ったら検査した方がよいでしょう。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
 


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


文部科学省 来年度予算案の変更

文部科学省の来年度予算要求の変更部分がHPに載っています。

http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h25/1325576.htm

義務教育費国庫負担金については、積算の根拠を直近のデータをもとに補正したとの記載があるだけなので、特別支援教育関連の大枠に変更はないのだろうなと思いつつ、心配はしています。

個人的には、この予算は要らないのでは、それなら、別のことに、という項目もあり、現場主義でやって欲しいなあというのが正直な気持ち。

「命の大切さ」とは、教えられて覚えるものですかね?
感じるものだと思うのですが。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

 

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


ipad を使った教育的支援

ipadを使った実践発表を聞きました。
もちろん自腹で買って、ランニングコストも支払って、学校の子ども達に使ってもらっているそうです。
学校の備品として買えないか問い合わせ中とのことですが、通信費がネックのようです。

いいなあ「2馬力」の家庭の先生は。
うちは「1馬力」だし、給与も7%カットされて、自分の携帯もガラケーで我慢していますから、とてもipadなんて買えません。
とても魅力的な教材なのですが。

技術の進歩に追いついていない、学校の予算枠というもののカタサを感じてしまいます。

もうしばらくは、Windows95で動くフリーソフトでがんばります。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


WISC-4 実技研修会

先の見通しの苦手な私は、この冬休み中に4日も研修会を開くことになってしまいました。
就学相談も併行しているので、休み中にもかかわらず毎日が12時間の超過勤務状態です。

でも、臨床研修会には、延合計40名以上の方にお集まり頂くことになりました。
それが励みになって、疲れを感じさせません。

今日は、WISC-4 実技研修会を開き、12名の方が集まりました。
なんと、各学校から機材を5台もかき集めることができました。

講師は私と、特別支援教育士のセミナーに参加したことのあるもう一人の先生が務めました。

標準化された検査は、マニュアルに忠実でなければなりません。
教示の声のトーンのあり方も含めて、少し厳しめに指摘をさせて頂きました。
標準化された検査に妥協は許されません。

でも、私も答えられない質問もあり、修行不足を実感しました。

3をしたことがある先生は、4になって、検査量が減ったことに驚かれていました。
私も初めてケースから開けたとき、欠品があるのではないかと思ったほどです。

でも、実施後の計算が大変ですね。3よりも手間がかかります。


以前に3をやったことがある子どもに、次は4をやるべきか、3の方が過去からの変化がわかるのではないか、との質問がありました。

確かに過去からの変化はわかるかもしれないけれど、過去からどう変化したかよりも、最新の検査で、他の子との比較、個人内の比較をした方が、その後の支援のために有益ではないか、というお話をさせて頂きました。

また、ワーキングメモリの低い子に、ワーキングメモリを高める指導はどのようにしたらよいかという質問がありました。
基本的には、弱いところを伸ばすというより、得意な力を使って苦手なところを補うという考え方が妥当ですし、質問事例のお子さんの背景が全然わからず、そもそもワーキングメモリの問題かもあやしかったので、お答えするのが難しかったです。

冒頭、子ども理解のためには、まずは行動観察、そして生育歴情報、そして標準化された検査、の3つがそろって初めて神経心理学的アセスメントになるのだ、という説明をさせて頂いていました。

心理職が国家資格になったら、学校の先生は検査ができなくなるかもしれませんが、どんな検査なのかを知っておくことは、特別支援教育担当の学校の先生にとっても重要です。その大切さは、資格ができようができまいが、同じ事です。

検査の内容が必要以上に知れ渡るのは問題ですが、支援者の立場の方は、知っておくこと、そして知能の新しいモデルの考え方、概念を理解することが、とても大切だと思うのです。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


WISC-IVの臨床的利用と解釈 2 「言語性LDとディスレキシア」

「言語性LD」と「ディスレキシア」とを別々にカテゴライズして、相違点や一致点を論じている部分がとても興味深く感じられました。
そもそも最近は「言語性LD」という用語はあまり用いられていない、「非言語性LD」は、自閉症スペクトラム障害や、感覚統合の分野に整理されてきたので、わざわざLDに「言語性」を冠しなくていいのだ、と誰かがおっしゃっていたので。

でも本著では「言語性LD」を紹介しています。
言語性LDは、音韻デコーディング(文字を音韻に変換すること)が読解よりも優れているし、ディスレキシアはその逆、というように。
つまり、言語性LDの場合、デコーディングの指導だけでなく、読解にも指導のニーズがあるとのこと。

ここで思い出すのが、「多くの子は、低学年時には文字の読みの困難を示すが、徐々に目立たなくなり、高学年になると、それに代わって読解が主な困り感になる」という統計上のお話。

つまり、現場感覚としては、典型例はあるのだろうけれども、実際には複合的に絡んでいて、カテゴライズというより、個別に違っているという印象が強いです。

一方、言語性LDと言語障害の一部との違いは何か、という問いには、どちらでもいい、とお答えする事例が多く、個別の状態像を見て、教育的なサービスの内容や量を検討するしかない、と私は思っています。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


学校で行う一斉型の知能検査、学力検査

本校でも一斉型の知能検査と学力検査を行っています。
アンダーアチーバー(知能に比較して学力が低い)、オーバーアチーバー(その逆)がわかったりします。
本校が採用している検査の場合、保護者、本人向けの結果のレポートも添付されてきます。

学級担任としては、その後の指導に生かすためということもありますが、各検査の意味を正確に理解するということは結構難しいかもしれません。おおまかな偏差値は出ますが、それがどんな意味合いを持つのかは、私が学級担任を持っているときは、全くわかりませんでした。「低いなあ、高いなあ」程度です。でもその程度なら、日常の学習指導の中で、だいたいつかめているのですが。

一斉型の知能検査を眺めていて、感じたこと。

1 標準偏差はいくつなのかがわからないと、数値の意味もわからない。
 →標準偏差が10の場合、33と36とでは、実は意味のある差ではない)

2 出題内容との関連
→国語の学力検査では、長文を読解しないと解けない問題ばかり。
つまり、文字が読めることはもちろん、長文から必要な情報を整理したり、推理したりする力が前提であること。
回答用紙は別紙なので、解いた問題の番号を回答用紙から探すなどの処理速度も、子どもによっては強く関与するなど。
LDのお子さんの場合、ペーパー上の問題を解くことに特化、しかも問題は音声言語で読んでくれないとなると、潜在的な?国語力は測れていないことになる。
確かに問題の中には、問題文をCDで聞かせて答えさせるようになっているものもあるが、回答は筆記である。
大学入試で特別な支援を必要とする生徒への配慮がなされるようになり、学校の知能検査も、さらなるモデルチェンジの必要性はないのか。
まあ、制約された条件下での結果という意味では、それなりの意味はあるのだろうが、必要な支援の手立ては見えにくい。
「読めないなら読んであげる」支援員的な対応が、必要とする全ての児童に行き渡るほど人員はなく、全く足りないから、むしろ条件制約下での検査結果を出す以外にない、それ以上の支援の手立てを検討したいなら、個別の心理検査で、ということにしかならないというのが、もどかしい現実ではある。

3 2との関連で、児童が個別の心理検査を受けている場合は、学校の検査データとの間に著しい乖離がある場合がある。その理由を問題の内容や、統計学との関連で読み解く必要がある。

一斉型の学力検査の結果の解釈について、学級担任の先生が、数値だけを見て一喜一憂することがあるならば、神経心理学的アセスメント(生育歴情報、行動観察、標準化された心理検査を用いて行われる。・・・Yeates & Taylor,2001)に基づいて、わかりやすく説明することが必要と思われたのでした。

付け加えると、学力検査の数値が上がったとか下がったとか、それが学校の指導力の問題だとかのとらえ方は、単純に過ぎると思うのです。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


WISC-IVの臨床的利用と解釈

『WISC-IVの臨床的利用と解釈』日本文化科学社、2012
http://www.nichibun.co.jp/book/detail/?id=1

高くて、難しめの本ですが、買って良かったと思っています。
WISC-4は「インテグレーテッド版」もあるそうですが、日本語版はありません。
「インテグレーテッド版」の下位検査との比較についての論述を読むことで、
WISC-4の下位検査の意味するところの理解がさらに深まりつつあります。

たとえば単語は、単語そのものの意味を知らないのか、
それとも意味は知っているけれども、その知識へのアクセスが難しいのか、
言語的に表現することが難しいのかは、インテグレーテッドとの比較で検討できます。
このことはたとえば、WISC-4の「単語」と、PVT-R(絵画語い発達検査)との比較も
重要であることを日常感じていることと、関連しているでしょう。

そんなマニアックな解釈は、日常の学習指導にどう関連するのかという疑問が出されそうですが。
ずばり関連しています。
自発的に説明する課題にするか、選択課題にするかなど、教材化の段階で、かなりの違いが出てきます。
説明や日常会話などでも、子どもの言語理解の力に合わせた対応が可能になります。

やはり検査は、そのやり方だけでなく、その検査の意味するところを深く理解することが大事です。

どなたかがおっしゃっているように、特別支援教育で大事なことは、「ハウツー」ではなく、「ホワイ」を追究することなのでしょう。つまり、指導の仕方を追究する前に、なぜこの子はこのような状態を示すのか、その理由、背景を深く訪ねること。その中に、答えはある。
私はずっとそのことを言い続けてきましたが、検査の意味を本当に理解している方は、そのこともよく理解されている、と感じています。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ


特別支援教育 ブログランキングへ


 

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


新年にあたり 当事者の立場に立った支援をめざしたい

「障害とは、理解と支援を必要とする個性」
「楽しさ、安心感があってこそ、能力は伸びる」
「遠くの専門家より、近くの子ども理解者」

自らが難病と障害を背負った今、当事者の気持ちに寄りそう特別支援教育の臨床を一層めざしたいと思います。

本年もよろしくお願い致します。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
応援の1日1クリックを!


特別支援教育 ブログランキングへ



にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


新年度こそは、「再び結び合わせる」

途中まで紅白を観ていましたが・・。

ベートーベン作曲 交響曲第九番 「歓喜に寄せて」

右耳の聴覚補充現象がうるさいですが、左では聴こえているし、魂には響いてきます。
やっぱり年末はこれですね。
日本独特の習慣のようですが、いい習慣だと思うのです。

シラーは本当は、「歓喜」(フロイデ)ではなくて、「自由」(フライハイト)と唱いたかったようですが。

「時流がむごくも引き離したものを あなたの魔力は再び結び合わせる」

宗教は英語で、「リリージョン」といいますが、「再び結び合わせる」という意味だそうです。

特別支援教育は、宗教とは違いますが、

むごくも引き裂かれてしまった

子どもと学校との関係を
子どもと家族との関係を
子どもと社会との関係を

再び結び合わせる。

そして様々な困り感から「自由」に向かう手助けすること。

それが特別支援教育なのだろうなあと。

私には魔力も何もないけれど、シラーの詩をもう一度胸に刻み、新年を迎えたいと強く思いました。
そしてベートーベンは、聴衆の割れんばかりの拍手が聞こえなかったそうですが、長い年月を経て、その楽曲は今、私の心に響いてきています。

皆様、どうか来年も、良い年でありますように。

 にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
応援の1日1クリックを!


特別支援教育 ブログランキングへ


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


日本版WPPSI-III標準化調査・協力者新規募集のお知らせ

http://www.nichibun.co.jp/kobetsu/tester/wppsi_iii.html

日本版WPPSIは、刊行されてから40年も経っています。
これを使うことは、参考値としては使えるかもしれませんが、
あくまでも参考としておさえるべきです。

新しいバージョンへの改訂のために、私も協力することにしました。

RTIの登場で、検査法は厳しい批判にさらされた訳ですが、
子どもの苦手さの背景には何があるのかを検討しなければ、
その子にフィットした指導はできないわけです。


 にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
応援の1日1クリックを!

 


特別支援教育 ブログランキングへ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


DSMの功罪

DSMの新しいバージョンが、しかるべき決議機関で承認されたようです。

一番大きいのは、アスペルガー症候群や広汎性発達障害等を包摂して、自閉症スペクトラム障害に一本化したことでしょう。

youtube上では、DSMについてのネガティブキャンペーンが展開されているようですが、そもそも発達障害の定義は「操作的定義」なわけです。
血液検査とかで明確な数値として出るわけではなく、状態像から診断するわけです。

そのことから、科学的根拠に乏しいとか、製薬会社の利益のために作られているのだとか、言われたりしますが。

でも、身近な事例でも、明らかに薬の効果と認められる場合も私は見てきています。

単に落ち着くということだけでなく、認知機能全体が向上し、学習面や、言語理解、表現、運動にも効果を感じることがあります。もちろん、それまではあらゆる教育的配慮を行ってみて、そのあとに、という前提ですが。
そして薬で調子がよくなれば、教育的配慮にも効果が出やすくなります。

もちろん、効かない例も見てきていますし、環境との相互作用という因子を含めて、薬の効果を見なければなりません。

薬についてもかなりのネガティブキャンペーンが出ていますが、ケースバイケースで考えるべきではないかなと。

近眼の子にめがねを与えるように、脳を自分の意思でコントロールできないならば、それを補うことはあり得るのでは。

何でも薬というのもどうかと思いますが、いたずらに否定したり、無条件に肯定したりするものではないでしょう。

診断も、支援のために必要だからつけるのであって、ラベリングのためではないことは確認しておきたいです。

主義主張でなく、現実的に、子どもを中心に、考えていきたいものです。


にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
応援の1日1クリックを!

 


特別支援教育 ブログランキングへ



にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***




忍者ブログ [PR]

graphics by アンの小箱 * designed by Anne

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***