ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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多くのSSTのマニュアル本は、予め活動内容が決められていて、子ども達はそれに添って参加するという内容のように思います。
実は、何をして遊ぶかというところから、話し合い、合意するという、プロトコルの学習も必要ではないかと。
子どもの同士の日常の暮らしでは、「何して遊ぶ?」から始まることも少なくないわけです。
C「○○して遊びたかったのに、△△ちゃんが勝手に決めた」
T「みんなで話し合って、××の遊びになったんでしょ」
C「だって、○○したかったのに」
よくありがちですね。
・自分の意見を自分で把握することができる(そのためには、支援者が気持ちを受け止め、言語化してあげること)
・他人の意見を把握し、自分の意見と比較することができる
→「自分の意見=他人の意見」というように、自他を区別できていないことが実は多い。
・意見が一致する場合、一致しない場合、それぞれで、どう対応したらよいか、具体的にロールプレイで学ぶことができる
→折衷案生成能力、相手の表情認知スキルなどなど。
「私とあなたの遊びを半分ずつやろうか」
「今はこの遊びで、今度はあれにしようか」
自分の意見を述べたら、相手にもきく。
など。
話し合って、合意形成して、楽しかった、で終わる、という経験の積み重ねを意図的に作ってあげること。
意見が一致しないと、けんかになってぐちゃぐちゃになる負の経験を重ねてきたことで、過剰防衛的になっている子をみることがあります。
だから、手順を具体的に示して、成功体験を作れるようにすること。
「自然に学ぶ」ことであっても、子どもによっては、具体的に手順を示すことが必要な場合があること。
知的には遅れがなくても、そうした相互交渉に苦手さを抱えている子がいること。
そうした理解が大事だなあと。
「振り返り」
よかった、悪かった、という大人の価値観を入れすぎると、子ども達にとっては、あまり実感がわかない、という気がしています。
「こうしたら楽しかった」が振り返りのベースではないかなあと。
「楽しかった」が確認しあえればいいのでは。
「規範意識」といいますが、「自分は社会から大事にされている。だから私も社会のために」という経験の積み重ねがあって、できあがっていく意識ではないでしょうか。単に道徳的な善悪の判断ということでなく。
その意味で、幼少期の「大切にされてきた」感は大事だなあと。
就労して、職場で仲良くやっていくためには、こうしたことの積み重ねが大事だろうと。
アンケート調査では、途中で仕事を辞めざるを得なかった1番の理由が、「コミュニケーション」でしたね。決して、技能や学力がトップではない。
そして今、企業が求めているのは、平べったい「学力」ではなくて、発想力とか、コミュニケーション能力ですね。
「今の若者は、漢字が読めないから、機械が動かせなかった」
というドキュメンタリーが放送されたことがありますが。
むしろ、わからなかったら先輩に尋ねる、というコミュニケーション能力の問題でしょうと。
「差異ある時は確認せよ」と機械に書いてあったらしいですが。
たとえ漢字が読めたとしても、その意味は語用論的になぞですね。
だから尋ねないとわからないわけです。
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文字を並べ替えて単語にする教材。
今回は「り」が必ず入っているバージョンです。
並べ替えられた音の羅列を読み、ある誤った単語を思ってしまうと、そこからなかなか、違う読み方ができなくなる子がいます。
たとえば「マスクスリ」→一度「マスク」とか「クスリ」とかだと思ってしまうと、なかなか、違う単語を思いつきにくくなる場合です。(正解は「クリスマス」)
視点の切り替えというか、ワーキングメモリというか、一度固まると修正がききにくいということが自閉症児の行動で見られることがあります。
切り替えの難しさは、音韻認識上でも見られる場合があって、そのことが、構音の定着や音読の流ちょう性を妨げている場合もあるように感じています。(「保続」の亜系?)
そうした子ども達に使えるかも、という教材です。
ダウンロード PDF版
https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/8b128a1bd08740b1abbb61cdd850647d/1362398492
関連記事
【自作教材紹介】「並べ替えて単語!」文字の読みや発音の般化に関わることがある音韻分析能力
http://kotobaroom.blog.shinobi.jp/Entry/620
【自作教材】「並べ替えて単語!」をグループ指導で
http://kotobaroom.blog.shinobi.jp/Entry/780/
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「補助検査」というと、「基本検査」に失敗したときに行うというイメージが強いですが、この文献を読んでいると、もう少し積極的に活用した方が良い場合もあるということを感じています。
前回も書きましたが、WISC-Ⅳの「ワーキングメモリ」は、聴覚・音韻ループしか測れていませんが、アメリカの別バージョンでは、視覚・空間も測れるわけです。
その他、いろいろな検査がそろっているので、比較しやすい。
しかし日本にあるものは、それらのほんの一部です。
だからというわけではないけれど、WISC-Ⅳにせっかく付いている補助検査の意味をもう少し考えた方がいいと思い直しています。
補助検査が必要なのは、たとえば、「処理速度」の下位検査である「符号」と「記号探し」の結果を検討するときに・・・。
「言語理解」にばらつきがあるときに・・・。
などなど。
これ以上はあまり詳しく書けませんが、補助検査の活用について、少し考えが変わりました。
それと、よく「WISC-Ⅳ」を実施した後に、指導にどう生かせばよいかという質問を受けるのですが・・・。
この質問の前提には、「数値がこれこれだったら、こんな指導がある」ということがあるように思います。
でも、指導の手立ては、数値からは見えてこないでしょう。
よく言われることですが、FSIQが全く同じ数字であっても、その子によって、状態像は全然違うわけです。
むしろ、「どうしてそういう数値になったのか」を考える、否、調べることの中に答えはあるだろうと。
そのためには、各下位検査が、何を測っているのかを理論的に理解している必要があるということ。
それは大学院レベルと言われます。
そして、検査時の行動観察の中に、かなりヒントがあります。
行動観察というのは、子どもの発達、心理などをよく知っていて、初めてできることですね。
指導の手立てが別冊であるわけでもないし。(あるとしても、その子にフィットしない。「わかりやすい本」ほど、あやしい。わかったような気になっているだけ)
結論は、検査の意味をきちんと理解すること。
そして,行動観察、日常の情報。
指導の手立てを考えるには、これに尽きるのではないかと。
逆に、よく専門機関から、数値だけしか書いていないお手紙を頂くことがありますが。
ぶっちゃけ、使えません。
WISC-Ⅳでは、関係者、保護者への伝え方について、厳しいルールを設けています。
そこまで理解して、初めて検査を実施する資格が得られるのでは、と思います。
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参考
岡山県言語聴覚士会
http://www.kawasaki-m.ac.jp/mw/commhw/okayamast/cms/
経験的知識(因果関係、一般常識など)
助詞の使い方
短文の意味理解
など、様々な使い方ができますね。
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(↑ クリックで動画開始)
構音練習で。子どもが単音節で正音が産生できたら上がっていきます。
誤音の時は止めます。
おおむね正音が出せるが、あと一歩で定着する場合、正音か誤音かの自己弁別力の向上を図りたい時に使います。
くれぐれも、一度も正音が産生できない段階で用いないで下さい。
なお、カードは「箸」にして、目的先に「ラーメン」とかの絵カードを貼り付けておくと楽しいです。
同様に、
弓矢→動物
ひこぼし→おりひめ
スプーン→メロン
モンスターボール→ポケモンカードの箱から、ポケモンが何が出てくるかな
というのもおもしろいです。
作り方は簡単。
カードの裏に、短く切ったストロー2本を「ハ」の字型に貼り付け、糸を通すだけです。
「書きの困難」には、
・ 書写
・ 綴り
の2つがあり、両方に困難を示す場合もあります。
日本語の場合は、たくさんの文字の形、種類を覚えなければならないので、英語圏にくらべて、「書写」の比重が高いと思いますが。
そして、書くことは、
・計画力
・自分のしたことを振り返る力
・問題解決と、解決のための計画を立てる
ということにも、大きく依存しているとのこと。
読み書きの前に、それらの力が十分育っているのかということをきちんと評価しないと、子どもに加重な負担を与えることになります。
これらのことは、通常学級の授業参観をちょっとやって、1シーンだけを切り取って見てもわかりにくいことですね。
やはり、科学的な評価(神経心理学的アセスメント)が必要なのです。