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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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ICT教育研修会

特別支援教育とICT機器の活用についてなど、タブレットを用いた研修会に参加しました。
iPadは店頭で何度が触ったことがありますが、じっくりと時間をかけて触ったのは初めてでした。
また、既に所有しているアンドロイドのタブレットと比較検討する機会にもなりました。

研修会では、操作性にきわめて優れ、簡単にフラッシュ教材が作れる「ロイロノート」を使った実技も行われました。
このアプリは今月いっぱいのみ、無料で配布されているようです。

私はこのアプリで、簡単な漢字の読みを次々答える教材を作成し、最後には「おみごと」と表示されるようにしたところ、スタッフに「良い作り方ですね」とほめられました。

フラッシュ教材は、
「繰り返し」(同じような問題を繰り返す。例→分数の足し算)
「バリエーション」(同じ図などを提示しても、都度、発問の内容を変えていく。例→1回目は都道府県名を答え、2回目は県庁所在地を答えるなど)
「穴埋め」(例→四文字熟語の穴埋め課題)
の3つの種類から成り立っているとのことでした。

次の研修セッションでは、「ある教材について、どんな校種のどんな学年の子にフィットするかを検討する」という課題が出ました。
iPadに入っているいくつかのアプリを使ってみましたが、必要以上に音がうるさいものや、視覚刺激が複雑なものが多いという印象を持ちました。

また、子どもの学習プロセスに必ずしもフィットしないと感じるものもあり、活用場面を抑制的に検討すべきと思いました。

よって班での検討では、「聴覚過敏など、その子の実態に合わせてアプリを選択したり、使い方を検討することが大事では」と話し合われました。


特別支援教育を銘打った研修会でしたので、「校種」を問うよりも、「子の特性」を問う方が良いのではないかとは思いました。
しかし、学校教育へのICTの導入は、先進国では我が国は遅れをとっており、無報酬でこの分野で普及に尽力されている先生方には、心からの敬意を表します。感想にもそのように書きました。

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wisc-4実技研修会

12名の参加者が、5台の機材を使って実技研修をしました。
今回の研修では、解釈よりも実技を中心にしましたが、知能モデルの概略や、各下位検査が何を測ろうとしているのか、そして保護者への説明の仕方など検査の倫理についてもお話しました。

実技では我流にならないよう、各テーブルを巡回して細かい点にまで声をかけさせて頂きました。まさにOJTの視点です。

感想シートには、
「実技と解釈に分けて日程を組んだのがよかった。解釈の仕方も今度は勉強したい。」
「まだまだ研修を積み上げないと自分ではできないと思った。」
「奥が深いと思った。」
「3からどんな内容に変更になったか関心があったので、大変勉強になった」
「「知能検査」とは、こんなに複雑にいろいろなことに配慮しなければならないものだとは想像していませんでした。」
などと書かれており、この検査が中途半端な研修だけで行なってはならないという倫理をよく理解してくださっていました。

研修会の前後では、個人相談を受けましたが、厳しい研修後だったにもかかわらず、来年度も特別支援教育担当を続けたい、という感想を頂き、目頭が熱くなりました。
専門的な研修をやったら、担当者がやる気をなくし、長いこと担当してくれなくなる、というのは、全く無根拠であることが改めて確認できました。


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WISC−4テクニカルレポート

日本文化科学社のホームページに、WISCー4のテクニカルレポートの新記事が載りました。
標準化された検査では、我流は許されません。
マニュアルに沿って実施、運用し、科学的な信頼性、妥当性のある解釈をしなければなりません。
まだまだ我流がはびこっているこの分野、先を行く方々から学ぶ姿勢を忘れてはならないでしょう。

ということで、あしたはこの検査の実技研修をします。
機材はあるけど、研修を受けていないという例が多いのです。

行政がやらないなら、自分からやります。

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通級週8時間まで、のしばり。交流か、個別か、の二元論ではない

指導報告書を整理していると、週8時間のしばりでは対応し切れない事例を改めて認識します。
国は週8時間を超える個別支援の必要な場合は、特別支援学級で、という制度にしています。
しかし、週によって8時間を前後するこどもの場合はどうしたらいいのでしょう。
諸外国に比べると、通級と特別支援学級との間には制度上の隔たりがあると言えます。
「共同、交流学習」は、在籍を一元化して、必要な子に必要な時間だけ個別支援を提供する「特別支援教室」構想に近づくための過渡的な措置だと思っています。共同、交流学習は、そうした文脈の中で捉えられるものであって、まさに個別的に検討されなければなりません。
週の相当時間、個別支援が必要な子もいるでしょう。
だから、どのくらい交流すべきかとか、どのくらい個別にすべきかとかは、一般論ではなく、個別に模索されるものです。
分離教育でもない、統合教育でもない、弁証論なのが、特別支援教育の進むべき方向性だったはずです。
平成18年に参議院の特別支援教育関連法案が全会一致で可決された時の附帯決議、「特別支援教室」にできるだけ早く移行できるように、との要請はどこへ行っているのでしょうか。
国会だけでなく、現場も声を上げるべきであると。
理念と現実との間でいたばさみになっているのが、現場であり、子どもたちなのですから。


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通級の新しい先生向けの研修会

北海道言語障害児教育研究協議会主催の新しい先生への支援のための研修会でした。
参加者は、ことばの教室等の経験が0年から長くても数年の先生方ばかりで、発音記号の「ロングエス」の内容からの講義になりました。

「構音練習はいつやるか?」
「今じゃないでしょ!」

構音練習の開始条件は、子どもの言語発達年齢が、おおむね4歳半以上に達していること。
構音だけが切り取られて存在するのではなく、人と人との相互のコミュニケーションの延長線上に構音はあること、よって、構音練習の前に、コミュニケーションが育っているという前提条件が必要であること。

子どもの発達、コミュニケーション等を詳細に評価し、「適時」を判断することが大切である、とお話させて頂きました。

その前提で、構音指導を開始するには、構音についての正確で体系的な評価が必要であることなどを、実際の音声サンプルを聴いて記載する実技を通して学びました。

今回の研修企画は、新しい先生向けに、「子どもの見方・とらえ方」、「構音障害」、「難聴」、「吃音」の各講座を設け、それぞれ2~3時間ずつ、合計2日間にわたって開かれました。


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就学指導委員会研修会

今日は就学相談を担当する先生方のための研修会でした。
教育相談の基礎、就学措置判断の法的、制度面、文書作成、手続きの進め方、そして実際にロールプレイを通じて、相談面接の実技を行いました。
特に新しい先生のために、今年は実技を重視しました。

資料をもとに、親御さんやお子さんのヒストリーをどのように受け止めるのか、足りない情報は何か、そして、就学措置の方向性をどのように判断するのか、各班で話し合って頂き、交流しました。

先生方皆さん真剣で、各班の見解を伺っていると、自分が親の立場だったらと、涙が出そうになるぐらい、共感的にとらえてくださっていました。

子どもの幸せを考えるという点では、親御さんも相談員も、まず一致できる点です。
そこがスタートであり、ゴールでもあります。

いろいろと、胸がおしつぶされそうになることもあるけれども、子どもたちの楽しく、笑顔があふれる学校生活が送れるよう、今年も真剣にとりくんでいきたいです。

このあとの日程では、心理検査の実技も行い、知能モデルや発達についての専門的な知識を深める予定です。


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DSM-5と発達障害

上野 一彦先生のブログに、DSMの最新情報について載っています。
http://u-kaz.jugem.jp/


「障害」から「症」への訳の変更が検討されているとか。
訳し方で、イメージがだいぶ違いますね。

訳の変更が、インクルージョン教育への一助となることを願います。

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公的講座 「通級指導」に30名

この公的団体の主催の研修会は、多くても20名程度ですが、今回の「通級指導」の講座は、学校の先生だけが対象で、たいした宣伝もしていないのに、30名という異例の人数が集まりました。もちろん外部講師の招聘という効果もありますが、内容(『「支援」の前に、「子ども理解」を』)をみて魅力を感じた方も多くいたようです。昨年までの指導実習形式を改め、基礎知識の伝承と、ケース会議による子どもを見立てる力の向上を図ったため、進め方は原型ととどめないほどにリフレッシュしたわけです。

かつては、出席者同士が顔見知りになることが研修会の目的の一つでしたが、それをメインにする時代は終わりました。人がつながることも大事なのだけれども、それぞれの場でいかに専門性を高めるかが問われるようになってきています。
午前の講義は諸事情で私が外部講師に代わってピンチヒッターをしましたが、予めパワーポイントを送ってくださっていたので、それをもとにお話しました。特別支援教育士の先生が作られた資料だったため、一目見て私自身が胸落ちしました。先生の意図を正確に読み取って解説できたか不安でしたが、感想をみると、わかりやすかったとの意見が多数あり、ほっとしました。CHCモデルとか、難しい話もしたのですが。

午後のケース会議も、実際的な話で良かった、ことばの教室の先生だけでなく、特別支援学級の先生も多くいて、色々観点で検討できてよかった、子どもを見立てる力をもっと身につけたい、との感想もありました。
今回は、「言語障害」「発達障害」と、障害別の班編制を予定していましたが、講師の都合により、急遽、障害別をはずして班編制を行いました。それがかえって良い効果をもたらしました。


全体としては、シリーズで何日か連続でやって欲しいとのご意見も複数ありました。

単なるお茶会ではなく、本当に力を付けたいという熱意に圧倒されました。

研修ニーズは明らかに変わってきています。


あとは人事ですね。こうした先生方が一年でも長く担当していただければ、私の役目は終わるわけです。
現状、今週は一日おきに講師依頼が。。。

言難ABCでお会いしましょう。
『構音の指導研修DVD』も持って行きます。
その場なら、送料がかかりません。

それにしても参加者名簿を見ると、言難ABCは、札幌近郊の方々は多く参加されるようですが、地方になると、2名ずつという状態ですね。
基礎知識を体系的に学ぶ場が、距離に関係なく等しく保障される必要性を感じます。
それぞれの場で言難ABCを立ち上げていかなければなりません。
また、旅費保障ももっと手厚くする必要があるでしょう。


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私達の現状

私達の現状

1 専門性の欠如

・音声言語の表出を発達の指標としている点は良いが、音声表出に重きを置きすぎるあまり、非言語的コミュニケーションのチャンスを見逃している。

・診断名を発達の評価の材料のひとつにしているのは良いが、個別的ニーズではなく、診断名で子どもを分類し、指導仮説を立ててしまう傾向がある。
 
・「みんなが同じ」という指導は社会性の育成の価値基準になるが、個別的ニーズを見落とす傾向もある。

・「努力すれば誰でも必ずできる」という意気込みは良いが、個々による得手不得手、達成レベル以上の期待を持ち、過剰な負担を与えてしまうことがある。
 
・学級担任が必要以上に自分を責めたり、劣等感を抱いてしまう。

・発達障害、行動障害は、重度の児童虐待は別として、中枢神経系の先天異常が基本であるにもかかわらず、親の療育態度のみに障害の原因を還元してしまう傾向がある。(稚拙な因果類推)

・善悪の二元論だけで発達臨床を片づけてしまい、子どもの背景や、情緒を多角的視点で捉える力が弱い。

・具体的な対応法、技術の引き出しが少ない。

・「どこまでが障害で、どこからがわがままか」などと、障害と健常を機械的に分け、子どもをトータルではなく二元論で分類しようとする傾向がある。

・障害に対する基礎知識、臨床診断能力の欠如

2 教師の条件的問題
   ・時間的、物理的多忙
   ・専門性の向上のための研修機会の不足
   ・免許制度、指導者養成体制の不備
   ・地域に児童精神科医がいない。
   ・多職種で、多角的に子どもの臨床をとらえるシステムがない。


***

以上は、2001年(今から12年前)に、有志で研究会を立ち上げようとした時のレジュメの一部です。

結局は転勤で、このプロジェクトはなくなってしまったのですが。

こうして読み返すと、今とあまり変わっていないかなあ。
発達を診てくれる医師は、この時以来、いらっしゃるようにはなりましたが。

未だに障害名で子どもを見ようとする傾向、善悪や二元論で子どもを見る傾向は続いています。
子どもの言動を評価するとき、まず善悪という二元論を横に置いておいて(緊急事態や、即時強化も必要なので、その場でのそれなりの対応は必要ですが)、その行動がなぜ生じたのかを検討することこそ、特別支援教育の本質に迫ることになるわけです。



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命のはかなさ、尊さ

また、教え子の訃報に接しました。なんで私より早く逝ってしまうのかなあ。
しかも新卒時代の子どもばかり。
これからという時なのに。

何かしてあげられることは、なかったのか。
いや、ないのでしょう。
この子にとっての私は、数十年のなかのほんのわずかな期間。

ただ、学校という枠組みを超えて、一度は会っておくべきでした。当時は集団の中のひとりという認識しかできなかった。

話があったのにね。
でもこんなに早くとは。

教育ってなんだろう、人生とはなんだろうという、決して答えの出ない解答を探そうとしている自分がいます。

唯一、死を体験できないのは、自分自身だけですね。自分が死んだと過去形では認識できない。
死ぬのは他人ばかり。

過去ばかり見ずに、これからの子どもたちを見ていこう。深い後悔と、博愛の精神をもって。


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「どうしてことばの教室に通っているの?」「どうして○○学級なの?」

こうした質問は、周りの子から、本人から、そして先生方から寄せられることがあります。
特に先生方から「周りの子に、どうやって説明したらいいですか?」
と尋ねられます。

そうした場合、
「今まではどう説明してきましたか?」
「今までは、どのようにその子に対応してきましたか?」

とお尋ねします。


「聞かれたことはないけれど、今後聞かれた場合に」
という回答も多いです。


そして
「医師の診断を受けていないのに、説明をどうやったらいいですか」
と。

幼稚園の先生は、この点、説明がとてもうまいです。
「○○くんは、まだわからないから、△△をしているのですよ」
そして、その子への対応は、他児とは違っていても、違和感は特にありません。

「まだわらかないから」には、「わざとではない」というニュアンスが入っていて素敵です。

小学校の対応の上手な先生は、
「(みんなは)、○○ページをノートに写しなさい。○○くんは、まず教科書を出してみよう。はい、よく出せたね」
と、みんなとは違う、スモールステップの個別の教育目標をただちに設定して、達成したらほめるということをされていました。

それは他の子にとっても、教科書を開くことは望ましい行動なのだ、ということを間接的に強化していることにもなります。

毎日の接し方が「説明」の姿であって、「この子はADHDだから」ということばの説明は、かえっておかしな方向に行ってしまうのでは、と思います。

「ことばが上手じゃないから、ことばの教室に通っています」
というのは、ネガティブな説明で、望ましくない説明でしょう。

日常会話の中で、発音の誤りがあっても、さりげなく正音を返してあげる関わりを先生が見せてあげることが、その子への対応へのモデル提示になるわけです。

「だんだん上手に言えるように、練習しているんだよ。発音を間違えていても、聞き取ってあげましょう」

非言語的な説明、モデルとしての説明がまずあることが重要だなあと。
医学的な診断は、説明を補強することには、必ずしもつながらないのだと。

普段から、「みんな違ってみんないい」ができていないと、いきなりタブレットを与えることで、他児がうらやましがって、人間関係が悪化するということもあるようです。

「土台」ができていなくて、いきなり手段に行くことで、本人にとってかえって負担になるのであれば、「非合理的配慮」なのです。


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どこまでが「合理的配慮」で、どこからが「非合理的配慮」か

「合理的配慮」とは、文部科学省HPによれば、


「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。

   障害者の権利に関する条約(H19署名、未批准)


「過度の負担」は、学校の先生にとっても、周りにとっても、そして本人にとっても、ということ。

今日、NPO法人エッジの方は、「学校の先生が、夜遅くまでその子のために教材準備をするのは過度の負担であって、合理的配慮ではない。たとえば、簡単にコピペで対応できたり、100円ショップで買える程度でなければいけない」とおっしゃっていました。

ただ、学校の先生は既に持ち帰り仕事が常態化し、心身を病んでいる先生も本当に多くなりました。(ワタシもですが)

今の状態だけでも十分「非合理的」なわけです。

「合理的」か「非合理的」かの判断は誰がどのような基準でするのでしょうか。

口では簡単に言えますが、第3者委員会を作れば足りる、というほど単純ではないでしょう。

「過度の負担」は「合理的配慮」ではないですよ、と宣言したこと自体は評価できますが。


以下には、合理的配慮の例が載っています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1297377.htm

また、「合理的配慮」の提供として考えられる事項としては、

(ア)教員、支援員等の確保
(イ)施設・設備の整備
(ウ)個別の教育支援計画や個別の指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の配慮

を挙げています。

ただ、特別支援教育を担当する前に、十分な研修を積んで現場に臨める体制を作ることは、先生方にとっても、本人にとっても、「合理的配慮」につながるのだろうと思います。

基礎知識や実技の研修を受けることで、現場ではもっと、先生も本人も楽にできるだろうに、と思えることが、少なからずあります。

つまり「合理的配慮」は、教員養成課程の仕組みに対しても求められている、と考えるべきではないでしょうか。


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みんながダイナミックすぎて怖かった

周りの子はみんな、他の子とダイナミックに会話したり、関わったり、難しい言葉を使ってコミュニケーションしていました。
それがとても怖かったです。
幼稚園の夜の行事で、グラウンド(園庭)で盆踊りをしている中に入るのがとても怖かったです。

幼稚園か、小学校低学年の頃は、みんながどうしてこんなにたくさんのことばを知っているのだろう、自分だけは、何か習っていないこと、行ったことがないところがあるのではないか、と思っていました。

年に一度の大型花火大会では、怖くて一人で泣いていました。
周りの大人は「こわくないしょ。きれいでしょ」と言うのですが、恐怖心は強まるばかりでした。

歯からわずかの出血があっただけで、死の恐怖を味わいました。


自分の子どもの頃をあのとき、思い出しておくべきでした。
ごめんね。無理させて。



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特異的言語発達遅滞と学習障害



 言語発達遅滞について講義をとの依頼を受けて、お話ししました。
「言語発達遅滞」は、自閉症スペクトラム障害のように、他の障害の定義の広がりがあって、その境界線が難しい。
特に「学習障害」との区分けも。

「学習障害は、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する」のうち、特定の能力に著しい遅れがあることです。学習障害と言語発達遅滞とには、重なる部分があります。それはなんでしよう」
という問題を出しました。

既に前提がヒントになっているので、ほとんどの方は正解しました。
「聞く、話す」ですね。

読み書きの前に、「聞く、話す」ができているのか。
このことは、このブログでも何度も取り上げました。

では、聞く、話すは、どう評価したらいいのか。
見逃されやすい力なのです。

音韻論
意味論
統語論
語用論

の4つの観点で見ていきましょうとお話しするはずが、時間がなく・・・。
1時間では本当に短いですね。

言語発達遅滞の定義に入っていくと、迷いの森に入りそうだったので、アセスメントの仕方に比重を置いた説明とさせて頂きました。

新しく担当した先生は、集団を見て動かす能力はすばらしいですが、通常学級しか経験のない先生が、いきなり個別指導の場を担当することになるわけです。
個々に詳しく見ていく、という観点に慣れて頂くことが重要です。



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学習障害 IQと学力間のディスクレパンシーモデル

アセスメントのレベルというのは3階層があって、「階層1」では、早期介入のためのスクリーニングが行われ、「階層2」では、その効果についての検証と、必要に応じたカリキュラムの修正、そして「階層3」では、長期的な診断と指導が行われるわけです。

「通級による指導」とか、「特別支援学級」の「特別な場」は、個別指導なわけですから、「階層1」のように、教えてみて、子どもの反応を見るというような段階ではなくて、検査や情報収集などの詳しいアセスメントが必要なレベルなわけですね。

ところが、検査はいいのだけれども、「全般的な知能水準に遅れはないが」というLDの定義に当てはまらなくても、学力に困難を来している子は大勢いるわけです。

LDについて、より良い判断基準なりが模索されています。

やっぱり、LDは

Learning Disorders
Learning Disabilities

というだけではなく、

Learning Difficulties (学習困難)

Learing  Differences (学び方が違う)

など、様々なタイプ、考え方を包含していくということが求められるわけですね。

予算などの条件整備ということと、かけ算で検討しなければならないので、どこで区切る(カットオフ)するかということも考えなければなりませんが。

ただ一つはっきりしているのは、遅れているからただちに特別な場、ということではないということ。

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自主研修会 日程決定  基礎知識と実際的な指導技術 本物の力をつけよう

言語聴覚士情報支援サイトST-navi
http://stnavigation.web.fc2.com/

情報量が充実している良質なホームページを紹介頂きました。
特にST国家試験が参考になります。
以下の問題は、学校の先生方にも知っておいてほしいことですね。

***

第71問 アスペルガー障害の中学生の支援で適切なのはどれか。
a.構造化をなくす。
b.社会的ルールを視覚的に教える。
c.保護者に障害者手帳について情報的提供する。
d.周囲の人の気持ちを考えるように言いきかす。
e.相手の表情をよく見ながら話すように促す。

1. a、b
 2. a、e
 3. b、c
 4. c、d
 5. d、e

***

もちろん一般論だから、対応方法は個々によって違うけれど、ベーシックな知識がおちゃらけ状態なら、いくら「会議」をやっても無意味ですね。

職員会議だとか、なんとか委員会もいいのだけれども、メンバーにこうした基礎知識がないまま話し合っても、羅針盤のない船と同じで、座礁するだけです。それぞれが好き勝手に、「あっちだ」、「こっちだ」、「俺のカンだ」なんて。
別にあなたのカンが聞きたいわけではないです、子どもの側に立って感じ取ってよ、と思ってしまいます。

子どもの側に立つためには、それだけ、基礎知識と子どもの理解が必要だということ。
薄っぺらい教材紹介をやっても、基礎知識や、子ども理解ができていないと、場当たり的な、下手をすると有害な指導を際限なく続けることになります。

具体的な教材紹介よりも、おおよその支援の方向性を話し合った方が、その子への一貫した支援へとつながるのです。


ということで、今年の自主研修会は、理論学習とOJTを組み合わせた、本当に力になる研修を企画しました。

8月7日(水)WISC-Ⅳ実技
8月9日(金)講座 教育相談と指導・ケース会議
8月13日(火)講座 構音検査実技・ケース会議
8月19日(月)就学指導と各種検査実技(地教委就学指導委員会と共催)

特に8月19日は、既存団体のメンバーの半数が参加します。
それだけニーズがあるということ。

それ以外の日は、レポート数が少ないため、お悩み相談+関連する基礎知識の講義のような感じになるでしょう。

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幼稚園でのユニバーサルデザイン



「危ないから、ブランコのそばに行かないでね」と注意されても、事故は起きます。
実際・・・。
でも、先生が悪いのではないのですよ。
何年も前の話ですが、謝られても、かえって恐縮してしまいます。

ところが今日、行事で幼稚園に行ってみたら、ブランコ付近に矢印が。
そしてもっと驚いたことに、どの子も、その線に沿って歩行しているではありませんか。
その行動は、無意識レベルに達していました。
もちろん、線上を歩く練習を実際に行った上で、でしょうけれども。

なるほどですね。

小さい子どもは、横断歩道の白いところだけを踏んで、渡りたがったりしますね。
習性かもしれませんね。

壁一面にシールを貼りまくるのも、「空間を埋めたい」という欲求があるからだそうで。
そういえば、自分も小さいとき、そうだったなあ。

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「他の教室ではどうしていますか?」は死語



この金魚さんは、私がことばの教室を担当した時には既にいて・・・。
聞くところによると、そのずっと前から生きていたらしく。
20年は超えているでしょう。
20年、ことばの教室に通ってくる親子の姿を見つめ続けてきた金魚さん。

めまぐるしく交代する、ことばの教室の担当の人事。
一番長く「担当」しているのは、皮肉にもこの金魚さんなのでした。

かつては「他の教室ではどのようにしていますか」が、決まり文句でした。
研修の場では。
しかしそれは、各教室に経験の長い先生が居た時の話。

経験年数がどこの教室でも短くなった今となっては、この質問自体が愚問でしかありません。


今回の自主研修会にしても、公的研修会にしても、発表レポート数が極端に減りました。
一方、経験の長い先生の話、となるとたくさんの方が参加されるようになってきました。
研修のニーズは急激に変わってきています。

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図画の評価

バウムテストH-T-P風景構成法そして図工で描いた行事の絵などなど。図画を見て、発達段階や心理的な状況をある程度評価できることがあります。凝った解釈になると、右側が未来を示すとか、木の根っこが長いとどうだとか、頭足人だとボディーイメージができていないとか・・・。確かにその通りかもしれませんし、ある程度統計学的な根拠もあるのでしょう。そして、もう一つの視点を私は最近特に大切にしています。絵の全体的な印象、雰囲気を感じ取る、ということ。視点を変えると、同じ絵でも、全く違ったものに見えてくることがあります。部分に注目しているとわからなかったのが、全体を見たときに、「ああ、このキャラクターは描いている子ども自身なんだ」と気づき、絵の印象が180度変わることがありました。その瞬間、その絵のタイトルの本当の意味、子どもの置かれている状況が、日常感じていることを如実に示している、と感じることがあるのです。私は絵の才能はないですし、人物画は基本ゲジゲジです。一応、ボディーイメージに困難を感じることはありませんが。だから、芸術関係はだめだめなのです。でもだから、余計に感じたのかもしれません。トータルな総合的見立てと、細部への丁寧な視点。科学的な客観的視点と、主観的に「観じる」視点。見立てが変われば、支援の方向性も変わります。図画だけでなく、両方を大切にしていきたいと改めて思いました。

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軽度難聴の理解と支援

大人「おじいちゃんの名前はなんて言うの?」
子ども「たくや」
大人「たくやさんとは、何をして遊ぶの?」
子ども「ゲームとか」

一見、会話が通じているように思えます。
しかし実は、子どもは「おじいちゃん」ではなく、「おにいちゃん」と聞き間違えていました。
会話が通じているように見えて、実は2人は全く別人のことを話題にしていたのです。

このようなことが、軽度難聴では起こりやすいです。
一見、聞こえているように思えるのですが、一部が聞き取れずに、不正確な理解につながることがあります。

周囲の雑音や、音源からの距離があればあるほど(つまりS/N比)、聞こえは悪くなります。

発達障害と同じように、軽度難聴もわかりにくいです。

知識があるのとないのとでは、対応が大きく変わってきます。

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センスのよい支援者との出会い

有名ではなくても、下積みをコツコツされている支援者と出会うことがあります。
センス、基本的知識、トータルな判断、子どもへの接し方の温かさ・・・。

そういう支援者と出会うと、励まされ、学ばされる思いです。
そして、これが本物だと感じるのです。
まだまだ、捨てたものではないなあと。

経験年数が少なくても、謙虚に学ぼうとする支援者との出会いも、励みになります。

このブログコメントに投稿してくださる方からも感じます。

元々、私は学会にこっそり出かけて、アカデミックな知識を得て、現場の子どもたちに還元することを愛する人でした。

資格は取るためではなくて、勉強したかっただけで、その先に資格があっただけのこと。


今では、あちこちから講演依頼が来るようになりました。
そんな忙しい日々を送っていると、下積みの日々の楽しさ、時にはつらさを忘れてしまいそうです。

もう一度そんな時代に戻りたいけれども、周りがそれを許さない状況になっています。



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音声サンプルを用いた研修

久しぶりに、音声サンプルを聴いて構音を評価する研修がありました。小学校のことばの教室の人事は流動化しており、最後の頼みの綱は、幼児の先生方です。幼児の先生方が用意した音声サンプルは、研修に最適でした。検査の進め方についての説明も、極めて正確なものであり、新しい先生への研修支援が模索されている中、一番必要な「技術の伝承」でした。
まさに実技をしながら研修するOJTでした。OJTによって、自分の真の実力が明らかになる思いでした。だからこそ、地に足のついた研修になります。
支援者はある種のこだわりに囚われていると、自分のこと、子どもたちのことが見えなくなります。

立場へ固執し、自己修正力が発揮できない。
文書作成に固執し、活字に酔って、できているつもりになってしまう。
自己憐憫、自己満足に陥って、子どもたちの心の叫びが聞こえなくなる。

これらは、支援者が勇気をもって立ち向かわなければならないのでしょう。

OJTは、研修企画の中にもっと導入しなければなりません。

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学校教育にこそ、療育、保育の視点が必要である

今日お会いした先生とも話しましたが。
保育、幼稚園教育、療育では、その子の発達に合わせた支援という視点があるのに、どうして学校に上がった途端に。と思うわけです。

学校は学習指導要領によって、指導内容が決められています。
保育の目標よりも、はるかに具体的で、達成できる、できないが明確になりやすい。

確かに学習指導要領には、
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(7) 障害のある児童などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。特に,特別支援学級又は通級による指導については,教師間の連携に努め,効果的な指導を行うこと。
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と書いてあるので、障害のある児童に合わせた指導内容を組み立てられるわけですが、一方では、学力を身につけさせなければ、と子どもの実態以上に負荷をかけざるを得ないというプレッシャーもあるわけです。

どこまでが障害でどこからが。どこまでが無理で、どこから許されるのか、といったことも。
障害があるから、と安易にレッテルばりするわけにもいかないし。
「特に,特別支援学級又は通級による指導については,」と書いてしまっているので、通常学級での特別支援教育という色が薄まっているように思うのは私だけでしょうか。

通常学級の先生方の本音が、このあたりにあるように感じています。

下手をすると、通級や特別支援学級の場までもが、通常学級の学習の到達目標に達しなければと、子どもの実態以上に負担をかけている例もあるのでは。
前提がそもそも、おかしいなあと。

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反抗挑戦性障害、行為障害

学級崩壊で毎時間、空いている先生が援軍に回る。
毎日火災報知器が鳴り、そのたびに急行する。
放課後は何十本ものたばこの吸い殻を集めて回る・・・。

初任の頃の中学校でした。

今回の研修会では、そうした学校からの質問もあり。
ADHDは対応を誤ると、反抗挑性障害、行為障害に移行するという話の文脈の中で。
叱られ体験が多くなりやすい障害ですから。

既存の価値観や体制を壊したい衝動性にかられるようになるのは、私もよくわかります。
私もそうした時期がありましたから。

ただその心の背景には、膝小僧を抱えて震えている自分の姿があるのでした。
そして、年齢に不釣り合いな、甘えたいという欲求も。

幼子のように、本当は遊んでほしかったのです。
でも思春期に入って、人目があるからそれもできない葛藤です。

成績が悪くても、学校で一人でもわかってくれる人がいること。
そして、問題行動を「字義通り」に解釈するのでなく。

先輩は「反抗を反抗ととらえてはいけない。愛情欲求ととらえよ」
と教えてくれました。
先輩は、あれた学校、学級を建て直しました。


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自閉症は、心を閉ざす病気という意味ではありません

特別支援教育がスタートして5年・・・。
まだここかあと・・・。

でもそこからがスタートならば、それに合わせるのが支援者の務めですね。

今日は女性管理職の総会時講演ということでお邪魔してきましたが、皆さん、自閉症の意味はご存知だったようでほっとしました。

この頃あの子は自閉症になった、ということはありません。
自閉症は先天性の障害です。
学校の先生は、幼児期の情報を仕入れてください。その中に支援のヒントがたくさんあります。

という話を皆さん深く頷いてきいてくださいました。

特別支援教育と、どの子も同じ対応をしなければ、の二律背反をどうしたらいいのか、という主旨のご質問をいくつもいただきました。
両者は相反するものではないということを具体例を挙げてお答えしましたが・・・。

言うは易しですね。



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