ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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午前 第68問
正しい組み合せはどれか。
1. フロスティッグ視知覚発達検査 ーー 目と手の協応運動
2. 絵画語い発達検査 ーー 言語伝達力
3. WPPSI知能診断検査 ーー 継次処理能力
4. DN-CAS評価認知システム ーー 言語性IQ
5. 遠城寺式乳幼児分析的発達検査法 ーー 認知能力
ヒント
これは、言語聴覚士でなくても、通級担当としては押さえておきたい基礎知識です。
絵画語い発達検査(PVT-R)は、語い力を見るテストです。指さしで回答しますから、「伝達」というより、語い量を測ります。
WPPSIは言語性、動作性。ウェクスラーの知能モデルがベース。WISC、WAISもウェクスラー。
継次処理、同時処理を見るのは、K-ABC。ルリアモデル。
DN-CASは、同時処理、継次処理、注意、プランニングを。ルリアモデルからバージョンアップしたPASS理論がベース。
遠城寺式は、認知能力というより、移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解の6領域を見ます。
ちなみに、PVT-R、WISCー4、KABC-2、DN-CASのそれぞれの「評価点」は、同じ標準得点法で計算されているので、お互いに比較できます。
小学校入学前児。聞き返しがあり発音が不明瞭である。優先順位の低い検査はどれか。
ディスレキシア(発達性読み書き障害)の検査で優先順位が低いのはどれか。
1. 音韻削除課題
2. WISC-Ⅲ知能診断検査
3. 単語の逆唱課題
4. 語流暢性検査(WAN)
5. 心の理論検査
「心の理論」は、サリー・アン課題などで有名な、自閉性についての理論。
一時はやりましたが、高機能群では課題が解けてしまうことから、心の理論課題ができない=自閉症とは言えない、というのが現在です。
もともと、心の理論課題CDのマニュアルにもそう書かれています。
いずれにせよ、ディスレキシアの判断には用いられません。
「○○の体系化冊子」などと言って、教科書のように各教室に常備すべきだ、などと決められてしまったことがありますが、LDの検査の欄に「バウムテスト」が入っていて、幻滅してしまいました。
学習障害の問題と、心理的な問題とがごちゃ混ぜ。
基礎知識のレベルです。
3歳児健康診査の項目で適切でないのはどれか。
ヒント 「心理教育プロフィール」は自閉性尺度のようですね。CARSもそうです。 c.のRANは、不規則に並んだ文字や絵などを素早く読テストで、読み障害のテストとしては有名。 d.の単語逆唱課題は、「はさみ→みさは」のように音の配列を並べ替える課題。こうした音韻分析の力が文字の読みに影響していることが多いです。 e. reading-testは、文字通り。 すると正解は自明です。 |
ヒント 知的障害のある子に限らず、ことばで表現することにこだわる指導がどうしても見られますが。 「ことば」というものをもっと広くとらえなくてはいけませんね。 また、知的障害だから個別指導ばかりが良いとは言えない。様々な経験の中には、集団でのかかわりも含まれるものです。 |
ヒント 発達性ディスレキシアのある子への指導で、学年相応の漢字を練習することが間違いとまでは言えないかもしれませんが、子どもの実態に合わせることから出発するのでなく、まず学年相当の内容ありきという判断であれば、不適切と言えます。 |
ヒント 学校の先生や保護者の立場で考えれば、すぐにわかる問題かと。 プライバシーや、職務上知り得た情報の扱いの問題。 |
ヒント まず、[tabaɴ]と発音したなら、省略や歪みではないです。歪みなら△とか、歪みの記号になるはずです。 カバン→バンカなどのように音節の配列が誤っているわけでもない。 「カ」が「タ」になったのであって、どちらも破裂音です。 弾く音や、摩擦音になっているのではないので、構音方法が誤っているわけでもないです。 |
ヒント 視知覚に苦手さがあっても、構音には関係ないですね。読み書きができなくても同様。 その子が、視知覚や読み書きにも困難がある場合があるかもしれませんが、まずは主訴の状態がなぜ発生しているのか、その要因を特定することが重要。 聴力による問題なら、サ行、カ行に限らないし、「鼻から抜けるような声」などのことが多いでしょうが、主訴というのは概して、子どもの状態を正確に表現していないことが多いわけです。そこを正確に評価するのが、ことばの教室担当の仕事です。 |
ヒント 吃音のイロハがわかっていれば解ける問題かと。 最後までだまって聞いてあげる、タイムプレッシャーを与えない、が基本。 吃音と構音障害が合併している場合で、相互に影響していると判断される場合には、構音練習をすることもありです。ただし、慎重な判断と、適切な指導が必要でしょうが。 |
ヒント ヒントは不要ですね。非言語的、情動的、相互的なコミュニケーションはとても大事。 |
ヒント CROS補聴器というのは、一側性難聴に適用される補聴器のことなのですね。しりませんでした。片側性の場合は、教育的には難聴の判断ができないのですが、本人にとっては、音源定位なども含めて、実は結構聞き取りにくいものです。 だから、座席の位置を工夫するなどの対応が必要になります。 でも専用の補聴器まで必要になるか・・・、購入には自己負担になるでしょうね。現実的、教育的とは言い難いのでは。 |
ヒント 最近は、人工内耳の性能もよくなって、地域の学校で学ぶ子が増えてきました。難聴・言語担当としては、人工内耳の基礎知識は持っていなければなりません。一度、どんなものか、図や実物で確かめておけば、解ける問題です。 bのように電池を替えるたびに手術が必要だとしたら、こんなに不便な機械はないですね。 箱形なんて、人工内耳でなくても、見たことないですね。 昔は地域のおじいちゃんが箱形を持っていて、耳につなげていたのを覚えていますが。 |
ヒント WISC-4を見たことのある人ならすぐにわかります。 3にはあったけど、4ではなくなったのは、検査の信頼性に問題があるからです。 だから、3で検査を行うときは、3の弱点をしっかり理解した上での活用が望まれます。 |
ヒント 聞いた言葉を文字に書けても、目の前の物の名前を想起して書けるかどうかは別問題。 3、4は論外。5は、内容や入力方法によって書けない、書けるがあるかもしれないので、氏名住所が書ければ問題ない、ということにはなりません。 「会話できれば、言語発達に問題はない」というのと同じ誤りですね。 |
ヒント S-S法を私は、試案の検査しか実物を見たことがありませんが、検査の主旨がわかっていれば、S-S法に文字の読み書き課題が含まれないことから、すぐに正解がわかりました。 |
ヒント わからない単語を使って、しかも2語文連鎖の指導というのは、ハードルが高すぎますね。 指導のねらいは焦点化しなければなりません。語いの指導なのか、統語の指導なのか。 |
ヒント 前言語期というのは、有意味語(一語文)が出てくる前の段階ですから、色名の理解はレベルが高すぎです。成人音声の模倣をさせるのも無意味。 |
ヒント これは、ことばの教室の先生には、比較的やさしい問題かと思います。バイトブロックや外鼻孔の閉鎖の意味がわからなくても。 |