ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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新しい先生への研修について、今回は問題集に取り組むという手法をとってみました。
「問題の意味がわからない」
「歪みと置き換えの違いって何ですか?」
という、質問が出ることは想定済みでした。
だからこそ、問題の解をグループで考えるワークにしました。
参加者は1年目から、10年経験している先生もおられたので、私が一方的に教えるよりも、参加者同士で練り上げた方が身になると、考えたのです。
問題集は、できるだけ現場で実際に起こるケースを想定して作りました。
***
ことばの双方向のやりとりに困難のある小1。もっとも適切な通級指導はどれか。
1.語いの拡大のため、子どもの興味がなくても、絵カードを次々呼称させる。
2.聞く力が弱ければ、子どもの関心がなくても「きくきくドリル」で指導する。
3.ごっこ遊び、見立て遊びの苦手な子に、文章読解のドリルを行う。
4.音声言語の表現が苦手なので、ジェスチャーや指さしでの表現は禁止する。
5.遊びの中で、子どもの関心、文脈にそったことばがけをする。
***
1は、よくありがちな指導です。
しかし、絵の名前が呼称できるということと、その絵の意味を理解したかということとは別なわけです。
「ミシン」と言えても、実際にミシンがどんな働きをするのか、何ができあがるのかなどのつながりも含めて理解して、はじめて「語彙」を獲得したことになるのではないでしょうか。
2 「きくきくドリル」はよく用いられているようですが、「双方向のコミュニケーション」にニーズのある子に、はたして第一選択になるでしょうか? しかも子どもに「関心がない」わけです。
「聞く力」を育てるというだけでは、「双方向のコミュニケーション」の育成には必ずしも結びつきません。
3 ごっこ遊び、見立て遊びができない子に、登場人物の気持ちの読みとりは難しいでしょう。週の限られた時間の通級で、何を優先順位におくかということです。
4 むしろ、非言語のコミュニケーションを保障することが、言語の発達につながります。
5 子どもが注目していること、興味の有ることに合わせて関わる。双方向のコミュニケーションはそのことによって、生き生きと育つはずです。
某研修会で使用しました。
「楽しく研修できた」
「どきどきした」
などの感想が寄せられ、予想以上に好評で、
やってよかったと思いました。
予め作った20面体に数字を書いておき、転がして出た数字の番号の方を
回答者にしました。
その回答者がまた20面体を転がして、次の回答者を決めるようにしました。
問題は下のPDFファイルですが、研修会場では、実際のあのクイズ番組の画像と音声を使用しました。
いつも他の研修会では「ライフライン」を使えないようにしていたのですが、
今回は初めてことばの教室を担当した先生や、他の障害の特別支援学級の先生方も多数見えていたので、使用できるようにしました。
「オーディエンス」では、参加者に挙手をしてもらい、「フィフティーフィフティー」では、選択肢を半分にしました。
クイズの正解を示すたびに、その問題に関連する指導場面の録画を上映して、
視覚的にも学びやすくしました。
昼からの研修だったのに、誰一人居眠りされず、笑い声が出続けました。
みなさん、予想以上に積極的にクイズを楽しまれました。
「明日からまたがんばるぞという気になりました」
というアンケートを複数頂いたのがうれしかったです。
今年冬の研修会のヒットから数えて、「連勝」となりました。
クイズをやってみた方は、コメント欄に回答を書いてみてください。
会場でも言いましたが、
「間違ってもいいんです。
正解することよりも、間違えて覚えることが目的ですから」
というか、不適切問題もあるかもしれません。
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「クイズ$アネオリミ 構音指導 初級編」
(早押し並べ替えクイズ)
構音の一般的な発達の順序に並べ替えなさい
A パ行
B カ行
C サ行
D シャ行
(早押し並べ替えクイズ)
構音の一般的な指導順に並べなさい。
A 文レベル
B 単語レベル
C 単音レベル
D 無意味音節レベル
1 /ka/の構音指導の際、最も関係が薄いのはどれ?
A 軟口蓋
B 硬口蓋
C 奥舌
D 鼻咽腔閉鎖機能
3 「たまご」→「たまど」の誤り方はどれ。
A 置換
B 歪み
C 省略
D 付加
4 一貫した機能性構音障害で、自然改善の可能性がもっとも低いのはどれ。
A サ行→シャ行
B イ列音の歪み
C クツ→クトゥ
D ラ行→ダ行
5 正音を聞かせると正しく発音できるという意味のことばはどれ?
A 被刺激性あり
B 浮動性あり
C 一貫性あり
D 掘り下げ効果あり
6 「カタツムリ」→「カカツムリ」「トケイ」→「コケイ」の置き換えのある7歳児に対して、必ず掘り下げ検査すべき音はどれ。
A タ行
B カ行
C ツ
D マ行
7 音韻認知の発達を調べるのに、単独ではもっとも評価しがたいのはどれ。
A 視写(写し書きする)
B 聴写(聞いたことばを書く)
C 復唱(まねして言う)
D 呼称(絵を見て名前を言う)
8「風船はふくらませられるが、鼻から抜けるような声」との主訴に対して、最も確実な検査方法はどれ。
A 鼻息鏡で呼気の方向を確かめる
B 鼻息鏡を鼻にあてて発音する
C 風船をふくらませる
D ろうそくの火を吹き消す
9 『ことばのテスト絵本』に含まれない検査はどれ
A 単語の呼称(命名)
B 絵を見てことばで表現
C ささやき声の聞き取り
D しりとり
10 単語の中に練習音が入っているかどうかの音韻認識を高めるための練習はどれ。
A 語内位置弁別
B 正誤弁別
C 抽出
D 比較
11 誤った構音が多い場合、練習音の選択で正しいのはどれ。
A あいうえお順の音
B 発話明瞭度の向上に最も効果的な音
C 被刺激性がない音
D 構音発達過程の後期に出現する音
12 /i/の側音化構音の適切な指導はどれ。
A 舌だしで、ぼやっとした「イー」を出す。
B 歯磨きをしながら「い」を発音。
C 奥舌を少し挙げる。
D 左右の口角をバランスよく横に引く。
13 サシスセソが一貫してタチツテトに置換している機能性構音障害の指導で、一般的にもっとも妥当な指導順序はどれ。
A サ→セ→ソ→シ→ス
B サ→セ→シ→ス→ソ
C ス→サ→ソ→セ→シ
D ス→サ→シ→セ→ソ
14 カ行→タ行、ラ行→ダ行、サ行→シャ行の置き換えが一貫している機能性構音障害、小学1年生への指導で、まず手がける音はどれ。
A カ行
B ラ行
C サ行
D ダ行
15 すぐ離席したり、わざとのいたずらが多く、「サ行→シャ行」に浮動で置換している7歳児の指導で、最も妥当なのはどれ。
A 過去の問題行動を含めて反省させる
B 非指示的なカウンセリングをする
C 一定時間着席できたら、報償を与える
D 無理にでも発音練習を行う
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ア)学習障害 イ)混合 ウ)うつ エ)妄想 オ)多動優勢 カ)不注意優勢 キ)覚醒水準 ク)複数 ケ)1つ以上
コ)3 サ)4 シ)5 ス)6 セ)7 ソ)8 タ)行為
チ)適切 ツ)不適切 テ)しかる ト)ほめる ナ)学習 ニ)知的
ヌ)反抗挑戦性 ネ)スモールステップ ノ)自閉性 ハ)消去 ヒ)受容
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説 明
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①
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多動の原因の一つに視機能の問題がある場合がある。
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②
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多動、衝動性は、認知能力に問題があるから生じるということはあまりない。
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③
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座っていられる時間を長くする指導が、多動のある子への第一選択である。
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④
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会話の焦点がずれていくのは、主に注意集中困難が原因であり、集中を持続させるトレーニングが第一選択である。
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ア)書く イ)話す ウ)読む エ)聞く オ)見る カ)1 キ)2 ク)3 ケ)4 コ)6 サ)知的 シ)自由 ス)自閉性 セ)視覚 ソ)聴覚 タ)バウムテスト チ)Y-G検査 ツ)WISC テ)食べ物 ト)生育歴 ナ)予防接種 ニ)血液型
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説 明
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①
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WISC-Ⅲで、言語性IQ 70 動作性IQ 130 で、全IQが100なので、全般的な知能に遅れはない。
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②
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会話は流ちょうにできていて、物の名前も正確に覚えているのに、文字の読みが苦手な場合は、ほとんどは視機能の問題である。
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③
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聴写(聞いたことばを文字に書く)の際、小さな「っ」や「―」をほぼ全部落としてしまう場合、音の長短に関わる感覚の発達が遅れていることも考えられる。
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④
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K-ABCでは、「習得度尺度」があれば、だいたいの認知能力は把握できる。
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⑤
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『森田式読み書き検査(音読、視写、聴写)』で、行を飛ばして読んだり書いたりする場合、眼球運動や注意の問題の可能性も疑う。
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⑥
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WISC-Ⅲで「注意記憶」が平均であれば、注意の問題はないと言える。
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⑦
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通級でのLD指導では、何学年か下のレベルの学習を用意するのが原則である。
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⑧
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授業中、先生の話をよく聞いていないのは、「注意集中」の問題が大きいためであり、通級では注意集中を高める指導が妥当である。
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ア)難発 イ)伸発 ウ)連発 エ)動作法 オ)随伴動作 カ)舞踏病 キ)遺伝的 ク)機能的 ケ)右脳の過干渉 コ)左脳の過干渉 サ)左利きの矯正 シ)話しすぎ ス)診断起因説 セ)大脳生理学 ソ)大脳半球優位説 タ)十分ありえる チ)ない
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説 明
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①
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随伴動作は、徐々に異なる目立たない行動に置き換えるという指導も選択肢としてある。
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②
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吃音の原因の一つに視機能の問題があるため、視機能の改善指導が有効な場合が多い。
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③
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吃音の指導の例として、「そっと話し始める」とか、わざと音を軽く繰り返すといった練習が有効な場合がある。
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ア)語用論 イ)音韻論 ウ)意味論 エ)統語論 オ)学習 カ)知的 キ)自閉症スペクトラム ク)情緒
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ア)1 イ)2 ウ)3 エ)想像力 オ)復唱 カ)模倣 キ)エコラリア ク)社会性 ケ)クレーン現象 シ)愛着形成 ス)コミュニケーション |
研修には、基礎知識の学習、ケース検討、そしてOJTの機能が必要である、という主旨のことを前回書かせていただきました。
今度行う公的研修は、ケース検討に焦点をしぼっており、特別支援教育士養成セミナーの実習をイメージしています。
ただ、そうした応用的な研修を受けるためには、基礎知識が必要です。
昨年も同様の主旨で行いましたが、難しかったという感想があったため、今回はやさしい内容に改めました。
どれも基礎知識として最低限持っている必要があります。
***
○構音障害
【 】に当てはまる語句を下から選んでください。
■基礎編
構音障害には、ある音が別の音に置き換わる【 ア 】、文字で表記できないような独特の音になる【 イ 】、「はっぱ」→「あっぱ」等、子音が抜け落ちるなどする【 ウ 】、「みかん」→「みんかん」など、よけいな音が加わる「付加」がある。
このうち、【 イ 】には、「キギケゲシチジ」などに見られる側音化構音、サ行、ザ行、タ行、ダ行、ナ行などに見られ、アメ玉をしゃぶっているような独特の音になる【 ウ 】構音などが代表的である。側音化構音や、【 ウ 】構音などの【 イ 】は、自然に改善する可能性が低い。
また、構音障害には、口蓋(お口の中の天井部分)に穴があいているなど、構音器官の問題があることが原因である場合の「器質性構音障害」、原因がはっきりと特定できない【 エ 】性構音障害、舌の運動麻痺など神経の問題などが原因の【 オ 】性構音障害がある。検査の際は、構音器官もよく調べることが必要である。
歪み 置き換え 省略 口蓋化 側音化 低い 高い 全くな
運動障害 機能 器質
構音検査には、たくさんの子どもを対象に障害の有無を調べる【 カ 】検査と、特定の子どもの構音をより詳しく調べる「掘り下げ検査」とがあり、目的によって使い分ける。このうち、『ことばのテスト絵本』(田口恒夫著、1964、日本科学文化社)や、「ポスト、ラッパ」で始まる72語の構音検査は、【 キ 】検査に該当する。
ある語音がどんな条件下でも一貫して誤る場合、【 ク 】がある、と言い、正音も出始めている状態を【 ケ 】があると言う。誤音の際、正音を聞かせてあげると正音が出せる場合を【 コ 】があるという。どの音から指導を始めるかは、【 コ 】があるかどうかが判断材料のひとつになる。
構音指導は、言語発達年齢がおおむね【 サ 】歳~【 サ 】半以上であることが原則である。
選別 掘り下げ 集団 一斉 浮動性 被刺激性 浮動性 3、4,5,6,7、8 舌がひっこみにくい 舌が平らになりやすい
■ 応用編 以下の説明が正しければ○、正しくない場合は×を書いてください。
1 側音化構音の指導で、左口角を引くときに、そっとなでて脱力を促す。
2 発話量が少ない子どもは、構音器官の筋力の弱さが原因のため、筋力を育てる指導が第一選択である。
3 歪みの改善指導で、母音の「イ」を産生するとき、舌出しをして、舌縁が両口角についていることを確認しながら、鼻息鏡をあてるとよい。
言語障害通級指導を担当する先生のための特別な免許は
現在「自立活動教諭(言語障害教育)」というのがあります。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/nintei/08041507/002.htm
しかしこの資格を取得しても、担当できるのは「自立活動」だけ、
つまり通級指導の時間だけで、
学級担任をしたり、教科を担当することはできないでしょう。
つまり正職員には事実上なれない資格です。
しかも試験の実施箇所は1カ所のみで、
試験も難しく、毎年実施しているわけでもありません。
通常学級の担任などをやっていた人が、急に通級を担当することになったとしても、
研修がきちんと、かつ手軽に受けられるシステムにはマッチしません。
地方によっては、内地留学などの研修を受けた人でなければ
通級を担当できないようになっていますが、少数派でしょう。
北海道では、財政難のため、1年の派遣による研修の機会も
なくなってしまいました。
公ができないなら、民からやっていく、
「LD教育士(現在の特別支援教育士)」もそうしたスタンスから
始まったのだと思います。
ことばの教室を担当する先生の研修保障のために、
民間資格を作ってみるのもいいのではないでしょうか。
言語聴覚士が名称独占の国家資格になる前は、
各民間団体が独自の資格を作っていました。
http://digitalword.seesaa.net/article/44575318.html
しかし、学校教育、特別支援教育ということにもっと重点を置いた、
教員のための独自の民間資格は、今のところ存在しないでしょう。
初めてことばの教室を担当した先生への支援の工夫が
各地で行われはじめています。
ただそれらの努力は始まったばかりですし、、
教える側のベテランの先生方の負担が増えているのも現実です。
それらの努力を束ね、より効率的な仕組みが作れないものかと考えます。
人も予算もかかることですので、かなりの時間、困難を伴いますが、
将来の夢の一つとして思い描くのもいいのでは。
ネットも普及していますし、活用方法はないものかと。
特別支援教育士のテキストでも、
音声学の基本的な部分にわずかに触れた場所はありますが、
構音指導が実施できるには、遠く及びません。
確かに資格が全てではないし、資格が一人歩きするのは危険です。
ただ、ある程度努力することで、研修の一区切りとしての達成感を味わい、
次のやる気につなげるというのは、担当する先生にとっても
有意義ではないかと思うのです。
タイトルはあくまでも仮の名称ですが、
以下を試験問題にするのも一つかもしれません。
クイズ$アネオリミ 構音編 ver.0.5
・ことばの教室担当教諭採用試験!?クイズアネオリミ バージョン2.4