ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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今日は7名の参加。特別支援学級担当の先生も集まってくれました。
・問題行動へのアプローチには、行動分析的な視点も大事ですが、そのような行動に至った背景、認知発達の土台、心理を理解するということも大事です。両方の視点が大事ですね。認知も行動も大事です。社会ルールの獲得のためには、その前提として、遊びや身近な日常生活の中でルールの意味や意義を理解していき、それが社会という大きな枠組みの理解につながるわけです。その土台を抜きにして、世の中に出たら通用しない、というアプローチはなかなか染みないかもしれません。
・感情の起伏が激しいお子さんの場合、1)感情のコントロールが難しい、2)出来事や人に対して、誤解や一場面を切り取った理解などから被害的な解釈となりやすい。と言った観点も必要ですし、実は睡眠障害、摂食障害がないかどうかを見た上で、うつ病などの精神疾患という観点でも気をつけてみる必要が学校の先生にもあるように思います。食欲が減退し、眠れず、午前調子が悪くて午後から良くなるという日内変動があるのは、うつ病の典型例ですが、それ以外に、その形に当てはまらない「非定型うつ病」もあります。食欲は普通だけど、非常に他罰的だったり、ことばが鋭かったりするが、好きなことをしていると調子がよい、というように。子どもなので、発達とともに克服していく場合もありますから、すぐにお薬とはならない場合も多いかと思われますが、ケースバイケースでしょうし、それらの判断も含めて、医療の支援が必要な場合があるように思います。
・通常学級か、特別支援学級かの就学の判断は、子どもの心情の内側からの理解にその答えがあるのでしょう。線を引いて、ここからが特別支援学級ということでなく。もちろん国が定めている「線」は存在しています(学校教育法施行令、施行規則、就学指導資料、就学指導資料(補遺)など)が、ケースバイケースです。予想される事態の客観的な評価も大事ですが、子どもがどう感じるかが一番大事ですね。
・通級時のコミュニケーションの指導をどのように通常学級での生活に般化するかは、他児の協力、その協力の知恵を学級全体で共有する、ということともタイアップさせながら進めることが大切なのでしょうね。
・吃音の指導では、かつては環境調整をすることが主で、症状へ直接アプローチするのはよくないとされていましたが、「通ったのに、吃音の話がなにもないまま終わってしまった」という当事者の声があるように、実は症状について話し合ったり、場合によっては「楽にどもる」練習が必要な場合もあります。どのような指導をどのように組むかは、子ども理解の中に答えはあるので、そのための手段を先にしてはいけないのでしょうね。それはどの障害種でも同じです。
※ケース会議でよく、「他の教室ではどのように指導していますか?」という質問が出ますが、ケース会議では話題となっている子に絞らないと、子ども理解が抜けて、手段先行の発想に陥ることになるのでしょう。
※レポートの様式は、予め指定した様式で書いてきてくれた方は、必要な観点が漏れなく入っていますが、オリジナルだとやはり情報が抜けてしまいます。研究の歴史や最新の研究に基づく多角的な観点でまとめることで、まとめること自体が子ども理解につながる、ということです。 たとえば、学級担任からの情報といっても、そこにはいくつかの必要な観点が存在します。漠然と情報収集すればよいわけではありません。
6名の参加でした。小学校の先生のほか、幼児ことばの教室のSTの参加も頂きました。
1 以前に比べると、学級担任の先生からの情報収集がなされるようになってきたのは、参加者の前向きな姿勢の現れと思います。さらに「支援を必要としている」とか「友達とはうまくいっている(いっていない)」という情報があった場合は、もう少し掘り下げた情報があると良いのでしょう。
「支援を必要としている」というのは、どんなことに対して、だれが、どのようにという情報が不可欠ですし、友達とは、特に休み時間に何をどのように遊んでいるのか、一見仲良く遊んでいるように見えて、ということもあります。
指導に生かすためには、あるいは通級妥当の判断をするためには、より具体的な情報が必要でしょう。
学級担任からは、どのような情報を収集したら良いかという質問を頂きました。また、通級担当からは医療機関にどのような情報を提供したら良いかという質問も頂きました。実はこの2つとも、答えは同じなのかなと思っています。
つまり、学習面、コミュニケーション面、行動面、情緒面、運動面、基本的生活習慣、得意なこと、苦手なこと、現在の校内支援体制など。
そして、医療的診断や、教育的判断のためには、生育歴情報や相談歴、療育歴、各種検査情報も必要になります。生育歴をたどらずに、今の状態像だけで「自閉症」「LD」などと判断するのは極めて危険です。レッテル貼りの最たるものですね。
2 教育相談の進め方も話題になりました。検査は、どのようなものを使ったらよいかなど。標準化されていても、いなくても、検査結果は、日常の学級担任等の情報と付け合わせて解釈しなければならず、その検査だけで判断してはいけない、ということを改めて確認できたように思います。標準化していないならなおさらです。
どうも、保護者面接や検査時の様子だけで判断してしまう風潮がまだ残っているように思います。当教室では、教育相談までの情報収集を大切にしています。一回会っただけではわからないことがたくさんあります。情報は指導に直結出来るような内容でなければなりません。
そして、検査結果の数値自体の読み方も正確さが必要です。PVT-Rの評価点は、6と5とでは変わりはありません。上がった下がったの関係ではない。統計的に差があるわけではないです。1標準偏差は3ですから、WISC―3の評価点の見方と同じですね。
3 「会話のずれ」というのは、どのように生じているのか、文法的にか、意味的にか、音韻的にか、語用論的にか、ソーシャルスキル的にか、情緒的にか、人間関係的にか、などなどを理解するために、具体的な会話の内容の情報があると良い。
4 他の障害を合わせ有する言語障害のあるお子さんへの支援をどうしたらよいか、非常に難しい問題です。簡単に答えは出ませんね。やはりその子の生活全体を理解した上で、困り感を受け止めた上で、優先順位を決めるしかないのでしょう。
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この冬休みも、3回にわたって自主研修会を開くことになりました。
そのうち2回はいつものケース会議で、あとの1回は、ある事例を元に、
問題の仮説の設定から、指導仮説、教材作成までの一連の流れを実習するスタイルにしました。
「指導方法、教材を紹介して欲しい」という要望を受けてのことですが、
「子ども理解なくして、指導なし」という理念のもと、あくまでも子ども理解をベースにして、
子ども理解に基づく教材作成のあり方を学ぶことこそ重要と考えたのでした。
ところで、昨今の会計検査院の指摘により、管理職も勤務対応を厳しくしており、
今回の自主研修会の案内についても、「個人で開催する研修会への参加を研修扱いにできない」
とした学校や、勤務対応について他の学校はどうなっているか、
問い合わせの電話も頂きました。
ちょっと教育行政、やり過ぎですよ、と言いたくなります。
長期休業中の校外研修は、法律が認めているところですし、教育公務員は、絶えず
研究と修養に努めなければならないという法律の理念に逆行しているのでは、と思います。
通級担当の専門性を保障する教員免許制度を国がまだ整備していない現状の中で、
現場の先生が手弁当で学んで、少しでも専門性を高め、子どもたちのために、
とがんばっているのに、これに対してブレーキをかける方策をとっているわけです。
なんとも言えませんね。
ただ、時代の流れに合わせることも必要なのだろうなと。
いよいよ組織を立ち上げるか、既存の組織内に位置づけるか、選択を迫られています。
頭数はそろっています。
発起人の募集、会則の策定、行政との設立交渉など、色々考えています。
自主研修会PART5 開催要項
2011年6月15日
「自主研修会」設立準備事務局
一昨年から始めた「自主研修会」も5回目を迎えました。手弁当で集まる参加者の親睦を深め、力量を高めるため、お役に立っているという実感があります。夏季休業中のため、ゆったりとした気分で研修できます。是非ご参加ください。
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1 主旨
(1)ことばの教室、通級指導教室の新しい担当の先生を含め、研究協議などを行うことで、地域の言語障害教育、通級指導の教育の質の向上を図る。
(2)通級担当以外の関心のある方とも交流を深め、特別支援教育における地域の連携に寄与する。
2 対象 ことばの教室担当者、及び関心のある方
3 日時 2011年7月26日(火)、27日(水)、8月17日(水)、18日(木)のいずれか。
10:00~15:00(予定)
4 場所 ・yaの勤務校
・または3名以上集まれる管内の希望の場所
5 内容 ケースレポート検討(事例レポートの提出は任意。レポートがない場合は、学級通信や教材など、話題として何か一品お持ち下さい)
6 会費 無料
7 定員 最低開催人数3名、最高10名(3名以上集まれば、ya 自ら出張します)
8 用意する物 ○A4サイズの簡単なケースレポート(任意)1枚×人数分
※レポートは別紙様式を参考にし、書ける範囲で書いて下さい。
○食物(昼食、お茶菓子も含め、各自ご用意ください)
※ 謝礼などのお気遣いは、一切必要ありません。
9 申し込み方法 別紙に記入し、7月13日(水)までに提出ください。
10 その他 日時、場所の決定後などに改めて開催要項の作成が必要な学校等があれば、お気軽にご相談ください。
11 主催者 ya(某小学校ことばの教室教諭)
(「自主研修会」(仮称)設立準備事務局)
ことばの教室担当の先生方を主な対象とした講座「言語障害教育Ⅰ」が開かれ、講師を含め19名の参加がありました。
講師は、私を含め3名でした。
講座「読み書きの評価と指導」では、「短期記憶」や「ワーキングメモリ」、「文脈の理解」、「選択的注意」など、読み書き困難の背景にある能力について、疑似体験を交えながら説明、一人一人の違いを丁寧に見取ることの大切さを強調していました。
講座「構音障害の評価と指導」では、構音障害やの構音の仕組みを細かく説明し、ロングエスに代わる新しい発音記号など、最近の動向についても触れました。
午後は事例交流が3班に分かれて開かれ、「学級担任からの情報収集」の大切さなどが話題にあがりました。
今回の講座の応用編として位置づけている講座「言語障害教育Ⅱ」が、8月24日(水)に開かれます。講師は同じ3名です。ある事例について、子ども理解、問題の仮説、指導仮説、個別の指導計画や自主教材作成までを各班で話し合いながら進める実習版です。関心のある方、都合のつく方の多数の参加をセンター、及び講師陣は期待しています。
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この記事は、当言語障害教育団体の記事を先取りして掲載したものです。
通級指導教室に必要であるが、なかなかできない研修形態があります。
「OJT」
つまり「実務の中で仕事を覚える」
です。
通級担当教員の研修形態は一般に、ケースレポートをまとめて発表するのが主です。
ただ、ペーパーのレポートは、指導者のバイアスが往々にして入ってしまい、
子どもの実像に迫りにくい場合があります。
そこで指導場面のビデオ映像を併用したりするのですが。
もっともOJTに近い研修形態は、
「実際の指導の様子を見せ合う」
ことではないでしょうか。
担当一人の教室では難しいし、複数教室でも同じ時間に
全員が指導に入っていることが多いので難しい面はありますが、
定期的にでも行うことが
「生きた研修」
「本当に足下からの研修」
になるのだと思います。
関係者にも、文字で伝えるのもいいですが
実際に指導を見てもらうことが本筋と思います。
マジックミラーはそのためについているのですから。
でも、うちの教室のマジックミラーは小さくて見にくいのです・・・。
(写真ぐらいの大きさだと、かなり見やすいのですが)
地域のことばの教室の先生方の中で、希望する方を対象に、手弁当でケース会議を開くことにしました。以下、開催要項です。
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自主研修会 Part2 のご案内
7月27日(月)と、30日(木)の2日に開いた「自主サークル研」は好評で、「また開いて欲しい」という要望を頂いています。
また、先日の研修会では、
「これができないからできるようにしようでなく、子どもの困り感に合わせた指導が大切」
「指導は遊び、遊びは指導」
「ソーシャルスキルトレーニングの前に、愛着形成、甘えの発達は」
などと、経験豊富で専門性の高い先生方から、私たちにアドバイスを頂きました。
「指導方法の前に、子ども理解を」
「○○障害の指導ではなく、その子の指導」
この本質を見直すことが喫緊の課題と感じているのと同時に、子どもを様々な情報から多面的に評価し、手作りの指導につなげている実践も拝見することができて元気を頂いています。
自主研修会第2弾を開催します。お互いに元気になりましょう。
2009.12.8 ya
1 対象 アセスメントと指導(主に通級指導)のスキルアップをめざす方(経験年数は問いませんが新しい方歓迎)
2 日時 冬季休業日の始まりか、終わり頃(アンケートを集約して決定)
10:00~15:00 ぐらい
3 場所 yaの勤務校の会議室
4 内容【案】 ケースレポート検討
5 会費 無料
6 定員 5名 (定員を超える時は、2回に分けるなども考えます)
7 用意する物
A4サイズの簡単なケースレポート1枚×6部
※レポートには「主訴(当初と現在)、現在の様子(通級時情報、学級担任情報、家庭情報等)、家族構成、生育歴、療育歴教育歴、各検査結果、話し合って欲しいこと」を含めることを推奨。
構音指導の場合は録音があるとなお良いです。
地域宿泊研レポートと同じものでも可ですが、上記の観点で抜けている部分があれば補ってください。事例以外のレポートは不可です。なおレポートは、保護者の同意を得てください)
飲食物(昼食、お茶菓子も含め、各自ご用意ください)
謝礼などのお気遣いは、一切必要ありません。
8 申し込み方法 別紙に記入し、12月18日(金)16:00までにFAX送信ください。
今日は、某教室にお邪魔して、数名の先生方とケース会議をしました。
前回と同じように、ケース会議だけで一日が経ちました。
子どもの状態像によって違う構音の見立て、指導方法から、
感覚統合、応用行動分析、心理的なアプローチ、
家族関係の力動など、
話しはあらゆる方向に及びました。
単に「会話時に構音が不明瞭」といっても、
子どもによって原因や背景が違うのでした。
また、プレイルームにあるおもちゃについて、
「ああ、あれはそういう意味だったのか」
という気付きを得た先生もいました。
応用行動分析は、単にほめるだけではないこと、
ご機嫌をとるためだけにほめるのではなく、
教育的な意図があること。
家族関係の力動では、
単に親はこうあるべきということでなく、
家族内外の関係性の中で当事者も悩んでいる、困っているのだということ。
低い能力をどうにかしたいということの前に
「安心感」がその子にとって第一であること。
などなど。
私自身も、知識が整理されてよかったです。
4名中なんと3名が今年新しく担当した先生の教室なのですが、
録音を聞かせていただくと、子どもとの会話がほんわかとした温かい
雰囲気にあふれていて、感動して帰ってきました。
美女に囲まれて研修できたことも、よかったでした。(^-^)